最新更新日:2024/04/25
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2024年度のセミナーを募集しております。多くの皆様のご参加をお待ちしております。2024年5月のセミナーへの申し込みができます。右「行事予定」のバナーからGoogleフォームで申し込みをお願いします。

第8回セミナーを開催しました。

11月13日(土)は、学び合う学び研究所長の中島淑子先生により、
「低学年の算数の指導は、なぜ難しいのか」をテーマに開催します。

中島先生の小学校教師経験から、2年生算数の「ものさしの学習」で、0の目盛りを1とする誤答に数多く出会ってこられました。ここに注目をし、数字と量の関係に焦点をあてた学び合いが行われました。
低学年が「長さの測定」において、誤った操作や誤答の原因を測定技術の未熟さとは捉えず、概念理解の不十分さと捉えていく。不十分な概念理解が「一当たり量」や「十進法」の理解にも影響を与えてきたことの確認がありました。
参加者全員が、2年生「長さ」の詳細な授業記録(印刷物)を音読しながら読み込んでいきました。あたかも、授業中に参加者がお邪魔したかのような活動をとおして、子どもたちの実態と要因を明らかにしていきました。
一人ひとりこどもたちの発言やつぶやきから「わからなさ」や「困り感」に寄り添い、子どもの思考の過程を追体験していくことになりました。
さらに中島先生は、こうした逐語記録の分析的研究を通して生みだした教具「長さくん」を紹介してくれました。子どもたちは、教具の操作活動を通して、教具を動かし、教具との対話を通して、量を単位により分解するという操作活動と、0を起点とする連続量の表記を理解し、概念を形成していきます。
短い時間でしたが、参加者には大変大きな学びが生まれました。

ここで、お二人のリフレクションシートを紹介します。
◆ 中島先生とは一緒にモンゴルへ行き、現地の先生方にお話する機会がありました。その時には、子どもの間違いやすい点や、それを補うための教具が人気の的になりました。子どものせいにするのではなく、なぜ間違うのかを考え、そこから工夫を重ねるという、ある意味日本の教育の神髄を示したように感じました。
子どもの理解は本当に謎です。1mの半分は2分の1mだと答える子どもが、2mでは3mではと訊くと、同じように、2分の1mだと、ほとんどの子どもが答えます。教える方はショックですよね。
◆ 低学年で学んだきり、「時計」や「ものさし」の学習を、大人になるまでせず、間違えたままになってしまうということ、驚くとともに「確かに」と納得する部分でもありました。
  小学校低学年での学習をおろそかにできないと思いました。0を認識させることは難しいです。特に、連続量として0は、しっかり教えることが大切だと思いました。
  数学は専門ではありませんが、楽しく興味深く拝聴しました。ありがとうございました。

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第9回セミナーは、中部学院大学の後藤孝文先生をお招きして「学び合う学びとヒドゥン・カリキュラムについて」をテーマに開催します。

12月11日(土)は、中部学院大学の後藤孝文先生をお招きして、
第9回セミナー「学び合う学びとヒドゥン・カリキュラムについて」を開催します。

<セミナー内容>
はじめに、小牧市内の学び合う学びの系譜について、長年に渡り携わってきた経験をもとに少しお話しさせていただきます。
タイトルにある「ヒドゥン・カリキュラム」は、隠れたカリキュラムあるいは潜在的カリキュラムと呼ばれています。この用語の歴史はまだ浅く、1968年にシカゴ大学のフィリップ・ジャクソンによって提唱されたものです。例えば教室においては、絶えず子ども達は教師からの賞賛や評価のまなざし、あるいは「〜しなさい」という命令の中で過ごしています。すると、知らず知らずのうちに子ども達は自分自身の欲求に従って行動するよりも教師の欲求に奉仕して行動することを学ぶというものです。
教師が意図するしないにかかわらず、子ども達に伝わる雰囲気と言ってもよいかも知れません。しかし、この雰囲気こそが学び合う学びをめざす学級においては重要ではないでしょうか。ヒドゥン・カリキュラムについて実例をもとに学び、学び合う学びの授業づくりに生かせる方策を参加者の皆さんと学び合いたいと思います。(後藤より)

<後藤先生のプロフィール>
小牧市の小学校、中学校理科の教師として携わり、1996年からは小牧市教育委員会指導主事、また、学校教育課長として教育行政に関わられました。さらに、小中学校3校の校長職として学校づくり、授業づくりに強いリーダーシップを発揮されました。毎年行われた公開授業研究会では、多くの参観者から注目されるなど、卓越した学校経営により協同的な学びの中心校をつくられました。
2014年からは、学びの共同体研究会スーパーバイザーとして、県内外の多くの学校を訪問され、学び合う学びの学校づくりのネットワークを広げられています。また、岐阜聖徳学園大学、中部学院大学の非常勤講師として、現在も教員を目指す学生の指導にあたってみえます。一方、小牧市社会教育委員、小牧市音楽連盟会長、小牧市吹奏楽連盟理事長等の要職を務めておられ、長年に渡り吹奏楽指導者としても活躍されています。

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10月30日(土)第7回セミナーを実施しました。

10月30日(土)13:30より石井順治先生をお招きして、第7回セミナーを開催しました。50名をこえる方にご参加をいただきました。なかには大阪から駆け付けていただいた先生もおられました。 
前半は「学び合う学びが目指すもの、その実現でたいせつにしたいこと」というテーマで石井先生による講演をお聞きしました。内容は、5つの授業実践(小学校の二つの算数の授業、小学校の二つの国語の授業、中学校1年数学「規則性」の授業)における子どもたちの学びの事実を石井先生からていねいに語っていただき、学び合う学びの実現に向けて二つの大切な視点が示されました。
一つが、「すべての子どもに学びを保障すること」
そして、「子どもの学びの深まりにおいて大切なこと」です。

後半は、前半の講演を受けて、参加者がグループになり聴き合う時間を持ちました。そこで生まれた「問い」に石井先生が応えていただく時間になりました。
参加者からは、以下の問いが出されました。
〇 子どもたちの発言に対する評価は、3度に及ぶ音読の意味は?
〇 見せていただいた実践のように、あんなにもグループで話し合うことができる子どもを、どのようにすれば育てられるのか?
〇 文学の授業に向けて、深い教材研究が大切だと分かったが、いざ授業になって、子どもの「つぶやき」や「気づき」がなかなか聴こえない。石井先生のように子どもの心の声を拾うにはどうしたいいのか?
など、多くの方からの「問い」に丁寧に応えていただきながら、石井先生のさらなる思いとして、近著『続・「対話的学び」をつくる 〜聴き合いとICTの往還が生む豊かな授業』(ぎょうせい)の紹介をいただきました。

参加された皆さんからリフレクションシートをお預かりしました。お二人の振り返りを紹介します。

◆従来の授業の方法を見直す機会になりました。主体的な学びができるような授業を考えるたびに、「主体的な学び」とは一体何なのかという疑問に苦しんでいました。
今回、「どのようにすれば話し合いのできる児童生徒を育てることができるのか」という質問をいたしましたが、「話し合い」ではなく「聴き合い」と思うべきだというお言葉が、最も印象に残っております。5例の授業ビデオを拝見して、生徒主体の授業というものが、ほんの少し理解できました。
よい指導方法を知りたいと思っていましたが、質問で、そのようなものはなく、自分の経験を通して確立するものであるという答えをいただき、教員の立場に立とうとしている私自身が主体的な姿勢をもつことができていないのだと、痛感いたしました。ありがとうございました。
◆こんな学びの姿を校内に起こしたい。こんな授業を楽しむ教師たちになって欲しい。という思いが一層強くなりました。
 無理に引っ張るのではなく、形から入るのではなく、こんな学びを展開したいと先生たちの気づきを待ち、お互いに学び合おうとする教師集団になるようじっくりと時間をかけて、学校づくりをしていきたいです。
 石井先生のお考えに、ずっと前から共感していました。今日は、素晴らしい学びの時間をありがとうございました。

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