最新更新日:2024/12/19
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2024年度のセミナーを募集しております。多くの皆様のご参加をお待ちしております。2025年1月の学習講座の申し込みができます。右「行事予定」のバナーからGoogleフォームで申し込みをお願いします。

2022年2月19日(土)第11回セミナーを開催しました。

2022年2月19日(土)13:30より
 学び合う学び研究所フェローの栗木 智美先生による、
第11回セミナー「子どもの事実から学ぶ国語の授業を一緒に考えませんか?」を開催しました。
 コメンテーターとして、学び合う学び研究所シニアフェロー 副島 孝先生にお願いしました。

 今回のセミナーでは、授業づくり研究会や出版物に、授業実践者として数多く取り上げられている栗木智美先生が、普段の授業の中でいかにして「深い学びを目指し、協同により探究的する生徒」を育てているのかを学び合ったものです。
セミナーは以下のように進んでいきました。
 <自己紹介> 参加者が各グループで自己紹介をし、アイスブレークを行いました。
 <目指す生徒像> 栗木先生が、年間を通して育てたい生徒像・授業観について、描いておられるビジョンを語っていただきました。
 <授業開き>には、いったいどんな指導が行われているのか?参加者の一番知りたいことです。教室に作り出されている「学びの作法」を今回、熱く語ってもらいました。
授業開きを丁寧に行ったことにより、生徒はどのように変容していくのか。実際の姿を以下の順に視聴することができました。
 <1学期の実践>(三好達治の詩「祖母」を読む)における、子どもたちの姿
 <2学期の実践>(万葉集の歌を味わう)における、子どもたちの姿 
 <3学期の実践>(鷲田清一の論説文を読む)における、子どもたち姿
 それぞれの動画を視聴し、各グループによるリフレクションを行い、全体共有をしました。あっという間の前半が終わり、休憩に入りました。ここでは後半のワークショップで、栗木先生と学び合いたいテーマをネットワークアンケートにより集計を行いました。
 結果、様々な質問やテーマが示されましたが、以下の2点、「グループ活動中に孤立している子どもへの声掛け」と「音読と朗読の違い」をテーマにワークショップを行いました。

 今回の研修に向けて、大変多くの資料をご準備いただきました。2時間の研修時間に収まりきらない内容の充実度でした。参加者は、持ち帰り学びなおしをしていただくことになりました。
 アンケートに寄せられた質問について、栗木先生からは、丁寧なリフレクションしていただき、参加された皆さんには、フィードバックされています。 

<副島 孝先生よりコメント>
 最初に、栗木先生と「学び合う学び」の関係を、複数の実践研究者からひも解いていただきました。さらに、講演のキーワードとして「学究開きに3時間」「SOSを出せる教室の雰囲気づくり」「音読」「深める学び」をあげ、理論的な背景を語っていただきました。

参加された方のリフレクションを紹介します。
●栗木先生の日頃の指導の様子がよく分かり、とても学ぶことが多かったです。特に1年間の見通しを立て、計画的戦略的に授業に臨まれていることは、本当に素晴らしいことで学ぶべきことと強く思いました。また、グループでの関わり方をワークショップで学んだことは画期的でした。若い先生はもちろんのこと多くの先生方にも体験してほしいです。ありがとうございました。
●今日は、ありがとうございました。1年間の教科指導の大切さを再発見できました。また生徒の変化が先生の意図した目標にむけて成長していく姿に感動しました。学び合いの忘れてはならないポイントも学ぶことができました。副島先生による、栗木先生の実践の価値づけによって、頭の整理をする事ができたように思います。さらに石井英貴先生の文献から、新しい気づきを得る事もできました。充実した時間となり感謝しています。
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第12回セミナー「4月から『学び合う学び』をはじめたい人に − 実践例から学ぶ −」を開催します。

 2022年3月26日(土)の第12回セミナーは、学び合う学び研究所フェローの倉知雪春先生をコメンテーターとして「4月から『学び合う学び』をはじめたい人に − 実践例から学ぶ −」を開催します。
実践発表者として、小牧市立味岡小学校の今野悦子先生、
         可児市立中部中学校の竹田浩大先生に参加いただきます。

<セミナー内容>
 「学び合う学び」の教室づくりは、毎年4月よりはじまり、一からのスタートです。教室で出会う子どもたちが変われば、子どもたちと共に新しく作り上げていくものです。
 倉知雪春先生は、全国の学校づくり・授業づくりの改革にかかわってみえました。今回は、その中で注目する二人の実践者に参加いただき、「どのようにして、主体的で対話的な教室づくりを進めているのか」について学び合いたいと思います。
 倉知先生のコーディネートにより今野先生、竹田先生の実践の秘密に迫ります。これから、「学び合う学び」をはじめようとお考えのみなさん必見のセミナーです。一緒に学びましょう。

<倉知雪春先生のプロフィール>
小牧市内小・中学校教諭(国語科)、同市立光ヶ丘中学校長、同市立応時中学校長を歴任、特に応時中学校では、「学び合う学び」による授業づくりを中心とした学校改革を実現し、全国から注目を集めた。2007年より学びの共同体スーパーバイザーとして、全国の小・中・高の授業づくり・学校改革にかかわる。また、愛知文教大学非常勤講師として、学生の指導にあたってきた。現在、「学び合う学び研究所」フェローに就任。
<今野悦子先生のプロフィール>
小牧市内小学校教諭として、素晴らしい学級経営・授業づくりの実践があり、2018年7月の第20回「授業づくり・学校づくりセミナー」において、同市立小牧原小学校の実践「ペア読みでつながる子どもたち」1年・国語科「どうぶつの赤ちゃん」を報告されるなど、学び合う授業づくりに定評があります。現在は、同市立味岡小学校で再任用教員として子どもたちや若い教師の指導者として活躍中です。
<竹田浩大先生のプロフィール>
小学校を初任として、その後、中学校2校目の可児市立中部中学校(数学科)で研究推進委員長として、「協同的な学び」を取り入れた授業づくりを学校の先頭となって実践されています。また、可児市教育研究所所員として、令和元年に、「学び合う楽しさを味わう生徒の育成」〜「聴き合う関係」「真正の学び」「ジャンプの課題」のある授業改善と学び合い〜として実践発表されました。

似顔絵  倉知雪春先生    今野悦子先生    竹田浩大先生
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1月22日(土)第10回セミナーを開催しました。

 1月22日(土)13:30より愛知文教大学ABUラウンジにおいて副島 孝先生による、第10回セミナー「『誰もひとりにしない教育』の深〜い意味」を開催しました。

 県内広域からの参加があり、参加者は学生から所属校種も様々な方による構成となりました。したがって、グループでの対話には多様さが生まれ、笑い声に溢れました。
 セミナーは、テーマの「誰もひとりにしない」について副島先生の長年にわたる幅広い研究を背景に、実に様々な切り口から論じられ、進んでいきました。
論点を紹介します。
 1「誰もひとりにしない」が気になってきた背景
 2 SDGsにみる、すべての人
 3 ALLとeveryの違いから考える、すべての人
 4「校則をなくした中学校 たったひとつの校長ルール」西郷孝彦 について考える  (グループ対話と全体共有) 
 5 同調性の高い(高すぎる)日本について
 6 停滞の続く日本経済・所得水準について
 7 一斉授業が根強い理由
 8「僕たちの洗脳社会」1995年による未来予測
 9 イノベーションが起きない国
 10「授業研究」の目的の違い
 11 グループ学習における互恵的な協力関係
 12「個別最適な学び」をめぐる観点
 13「グループのもつ良さ・欠点を考えよう」(グループ対話と全体共有)

ここで、お二人のリフレクションシートを紹介します。
◆ 初めてセミナーに参加させていただきました。
「誰もひとりにしない」教育として、まず、ALLとEVERYから“ひとり”を考えるという視点がとても新しくて興味深かったです。
 また、グループで話し合う時間が何度か設けられている中で、現場の先生方のご意見を伺う時間あり、私にとって大変に大きな学びになりました。
 また「若者、バカ者、よそ者」を大切にするというお話がとても面白かったです。授業を行ううえでは、進行の妨げになるような発言をする児童・生徒を大切にすることは、現場に行った時も覚えておきたいと思いました。
◆「誰も一人にしない教育」の深〜い意味というタイトルに、まず、魅かれました。
 副島先生のお話を聞きたいという思いで参加させていただきました。日本の現在の経済的な位置や成長率からはじまり、イノベーションが必要であること。だからこそ、一人一人を大切にした協同と探究の学びが大切であることを学ばせていただきました。
 先生のお話に、どんどん引き込まれました。目の前の一人一人の子どものために、また、一から頑張ろうと思いました。来週からの活力をいただきました。本当にありがとうございました。

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2月19日(土)第11回セミナーのご案内

2022年2月19日(土)は、愛知文教大学の栗木 智美先生による、
第11回セミナー「子どもの事実から学ぶ国語の授業を一緒に考えませんか?」を開催します。
コメンテーターとして、シニアフェロー 副島 孝先生に参加いただきます。

<セミナー内容>
 栗木智美先生の国語の教室を訪問すると「子どもたちから『わからない』『どういうこと』などのつぶやきが自然に生まれている」「友達の発言をよく聴いている」「グループの聴き合いが探究的になっている」「『この文章の、この言葉が』とことばに注目した学びが生まれている」といった状況です。しかも、どの教室にも生まれています。まさに、主体的、対話的な深い学びがそこにはあります。
 教室の参観者からは、「どうしたら、こんな学びが生まれるのか」という問いが、口をついて出ます。栗木先生は、「一学期がとても大切だ」とよく言われます。
本セミナーでは、まず、参加者から、「学び合う学び」を作り出すときの悩みを共有し、栗木先生はいったいどのようにして「あの学びの作法」を作りあげているのかを語ってもらいます。そして、副島先生からのコメントもいただけます。
悩める教師、少経験者必見のセミナーです。一緒に学びましょう。

<栗木 智美先生のプロフィール>
 小牧市内中学校教諭(国語科)、小学校教諭、小牧市教育委員会指導主事、教頭を経て2020年より愛知文教大学特任教授、「授業と学び研究所」フェローに就任。20年ほど前から「学び合う学び」による授業づくり・学校づくりに取り組み、今なお理想の学び合いを求めて、中学校非常勤講師として、国語の授業実践・探究中である。また、石井順治先生の著書「子どもの読みがつくる文学の授業――コロナ禍をこえる「学び合う学び」(明石書店)」など多数の書籍に授業実践が紹介されています。
子どもが読み味わう対話的で探究的な授業実践の数々で注目を集めている。
              
栗木智美先生の似顔絵     コメンテーター 副島孝先生の似顔絵

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2021年10月30日 学び合う学び研究所 組織が立ち上がりました。

 愛知文教大学「学び合う学び研究所」設置規定により、研究所員の組織が決まりました。

 2021年10月30日(土)に、第1回 学び合う学び研究所 フェロー会議を実施しました。
 ご出席いただいた、皆さんにより今後の研究所の活動方針、次年度のセミナー計画、研究紀要などについて、意見交換を行いました。

 研究所員

 所 長     中島 淑子
 事務長     永井 勝彦
 シニアフェロー 柴田 好章
         副島 孝
 フェロー    倉知 雪春
         後藤 孝文
         神戸 和敏
         木村 芳博
         栗木 智美
         松村 美奈
         内田 吉哉
         竹中 烈

『学び合う学び研究所紀要』論文を公募します。

学び合う学び研究所 研究紀要規程

1.『学び合う学び研究所紀要』の編集目的
*教員養成・教師教育・教職課程等に関する研究成果・実践報告を公表するとともに、『学び合う学び研究所』での活動を広める目的で『学び合う学び研究所紀要』を発行する。
  ・『学び合う学び研究所紀要』の発行は原則年1回とする。
  ・掲載するのは、公募論文であり、査読ありとする。
  ・編集・発行者は、愛知文教大学 学び合う学び研究所とする。
 以上、本誌をもって、愛知文教大学 学び合う学び研究の一層の充実に資することを期する。

2.『学び合う学び研究所紀要』刊行に至る年間計画
当年
 11月 『学び合う学び研究所紀要』投稿論文執筆募集のお知らせ(執筆募集締め切り8月中)
翌年
 8月下旬 原稿提出締め切り後、掲載可否について学び合う学び研究所評議会で協議
10月上旬 原稿掲載可否のお知らせ(各執筆者へ通知)
11月下旬 『学び合う学び研究所紀要』刊行  
  (注)詳細については、研究所ホームページにて随時掲載。

3.『学び合う学び研究所紀要』執筆要項 
  (2021年10月30日作成)
『学び合う学び研究所紀要』に掲載する論文は、次の規程に従うものとする。
 (1) 執筆者は愛知文教大学に所属する教員(非常勤講師も含む)に限らず、現職の小中高等学校教員・教職経験者等教育に携わる人々も認められる。
 (2) 研究論文のテーマや内容は、教員養成課程の発展や充実に資するものとする。 (例:シンポジウム事業報告、教材研究、事例報告、指導法の検討、評価法の検討、教育現場における実践報告等)
 (3) 掲載論文は未発表のもので、かつ内容がオリジナルであるものであること。ただし、口頭発表及びその配布資料はこの限りではない。
 (4) 論文掲載の採否については、学び合う学び研究所紀要編集委員会において査読の上、本誌の編集方針に合致しているかどうかを協議した上で決定する。なお、編集委員については、学び合う学び研究所所長又は学長が任命する。
 (5) 論文原稿は邦文・横書き(執筆者の必要に応じて英文や縦書きも可)で、ワープロで作成するものとする。原則として、次の点を留意することが望ましいが、論考の性質によっては細かく問わない場合がある。
 ● 本文、注、引用文献における全角文字は基本10pt(MS明朝)、英数字は半角で基本10pt(century)とする。ただし、論文タイトル(副題も含む)は12pt、本文中の見出しは10pt(MSゴシック)とすること。
 ● 本文、図、表、注、引用文献を含めて、A4判(43字×40行)で10枚以内におさめること。図や表については著作権法上の問題がないもののみ使用可とする。
 ● 余白は上35mm、下30mm、右30mm、左30mm、ヘッダー17mm、フッター5mmとすること。
 ● 注記は末注とし、本文末注は本文末にまとめる。
 ● MLAやAPA等、国際的に広く普及している基準に準拠した参考文献表を本文と注記の間に入れ、本文中では(…)の中に著者名と論文年、ページを表示させ、文献表示のみの注記は行わない。
 (6) 執筆者は、論文原稿の電子データを電子メールに添付して、紀要編集担当者まで提出すること。この際、論文作成に使用したワープロソフトの電子ファイルだけでなく、論文原稿のPDFファイルも添付すること。
 (7) 本誌に掲載された原稿の著作権は、大学HPなどでの電子化や公開の場合も含めて学び合う学び研究所に属するため、掲載原稿を無断で複製・転載することを禁ずる。また、執筆内容が第三者の著作権を侵害するなどの指摘がなされ、第三者に損害を与えた場合、著者がその全責任を負う。                        以上

第10回セミナーは愛知文教大学の副島 孝先生による 「『誰もひとりにしない教育』の深〜い意味」を開催します。

 2022年1月22日(土)は、愛知文教大学の副島 孝先生による、第10回セミナー「『誰もひとりにしない教育』の深〜い意味」を開催します。

<セミナー内容>
 「子どもたち」「すべての子どもたち」「子どもたちみんな」という言葉が、教育ではよく使われます。また、「子どもたち一人ひとり」という言葉を使うこともあります。これらは、どう違うのでしょうか。一方で、授業では、「誰もひとりにしない」ことに留意しながら、最後は「子ども一人ひとり」の学びに成立していたかに注目して、授業を振り返ります。
 これらを念頭に置くと、授業の見方や実際の授業が一変することに気づきます。「あのグループはよく活動していた」「積極的に話し合っていたからよかった」という見方から、「あの子は参加できているか」「あの子の困っている様子に、他の子や先生は気づいているか」「あの子は何をきっかけに学びに参加できるようになったか」などという視点が生まれます。
 授業の実際、最近読んだ本、最近のニュースなど、様々な媒体を使いながら、この視点がどう役立つかを、一緒に考えていきましょう。

<副島 孝先生のプロフィール>
 小牧市内公立小中学校教諭として勤務。小牧市教育委員会指導主事、教頭、校長、愛知県教育委員会尾張教育事務所指導課長などを経て、2001年小牧市教育長に就任。以来、8年9か月の間、教育長として「学び合う学び」による学校づくりをはじめとする教育行政に取り組む。その間、小牧市教育委員会のホームページに「教育委員だより」を連載。名古屋大学教育学部大学院修士課程をへて、愛知文教大学教授から、現在は特任教授、学び合う学び研究所シニアフェロー、学びの共同体研究会スーパーバイザーなどを務める。
 ●主な著作『「学び合う学び」と学校づくり 発信し続けた教育の本質』(2010年)、共著に『協同の学びをつくる』(2012年)、『授業研究と授業の創造』(2013年)など。

           副島孝先生の似顔絵

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12月11日(土)ABUラウンジで第9回セミナーを開催しました。

 12月11日(土)は、第9回セミナーとして中部学院大学の後藤孝文先生をお招きして、「学び合う学びとヒドゥン・カリキュラムについて」をテーマとして開催しました。
 はじめに、小牧市内の学び合う学びの系譜として、昭和54年から小牧小学校ではじめられた国語の「学び合う学習」の研究に端を発している長い歴史について語っていただきました。
 次に、大学の教育課程論で研究をされた「ヒドゥン・カリキュラム」とは、どんなものかの学びへ向かいました。参加された先生方が「ヒドゥン・カリキュラムを探そう」ということで、普段の教室で感じられた事例をグループになり共有しました。
 教室の子ども達は、教師からの賞賛や評価のめざし、あるいは「〜しなさい」という命令の中で過ごしており、知らず知らずのうちに子ども達は自分自身の欲求に従って行動するよりも教師の欲求に奉仕して行動することを学んでいたことに気づくことができました。背景にある、シカゴ大学のフィリップ・ジャクソンが1968年に提唱した理論を学ぶと同時に、後藤先生の経験から、学校生活の様々な場面における「ヒドゥン・カリキュラムの具体場面」、さらに、教え子の学生が感じた具体場面を紹介していただくことで、深い理解になっていきました。
 後半は、中学校国語の授業ビデオの一場面を視聴し、「学び合う学びに大切なヒドゥン・カリキュラムを探そう」を、参加者で共有しました。
 最後に、後藤先生からは「学び合う学び」に生かすために「最大のヒドゥン・カリキュラムは教師自身である。」「学び合う学びの授業を進めたいという教師の『本気度』が、よきヒドゥン・カリキュラムを生む」と話され、言葉が心に残りました。

 参加された先生方のリフレクションを紹介します。

◆久しぶりに、後藤先生のお話を聞けて、とても勉強になりました。自分も普段からヒドゥン・カリキュラムには気を付けていようとは思っていますが、今回、いろんな先生の視点や気づきを聴いて、まだまだ意識されていないものが多くあると感じました。
意図しないヒドゥン・カリキュラムを意識して、意図的に良い影響を与えていくのは難しいと思いますが、頑張りたいと思います。また、お話を聞きたいです。トロンボーンも頑張ってくださいね。
◆「ヒドゥン・カリキュラム」について教師が行動に気を付けないと、子どもが真似をする、学習するという認識だった。子どもが静かにならないうちに話してしまったり、時間を守らなかったりすると、「教師がしているから、僕らもいいんだ」と思ってしまうのが怖く、新任のころから自分が言ったことは、絶対に守ることに気を付けてきました。
今回、ヒドゥン・カリキュラムについて、悪い面だけでなく、良い面にも伝わることがあると知ることができた。意図的に行うのは、まだ難しく子どもに身につけさせたいという熱い思いが、伝わるということを信じて接していきたいです。

 配布文章で、リフレクションシートのまとめをご覧いただけます。

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第8回セミナーを開催しました。

11月13日(土)は、学び合う学び研究所長の中島淑子先生により、
「低学年の算数の指導は、なぜ難しいのか」をテーマに開催します。

中島先生の小学校教師経験から、2年生算数の「ものさしの学習」で、0の目盛りを1とする誤答に数多く出会ってこられました。ここに注目をし、数字と量の関係に焦点をあてた学び合いが行われました。
低学年が「長さの測定」において、誤った操作や誤答の原因を測定技術の未熟さとは捉えず、概念理解の不十分さと捉えていく。不十分な概念理解が「一当たり量」や「十進法」の理解にも影響を与えてきたことの確認がありました。
参加者全員が、2年生「長さ」の詳細な授業記録(印刷物)を音読しながら読み込んでいきました。あたかも、授業中に参加者がお邪魔したかのような活動をとおして、子どもたちの実態と要因を明らかにしていきました。
一人ひとりこどもたちの発言やつぶやきから「わからなさ」や「困り感」に寄り添い、子どもの思考の過程を追体験していくことになりました。
さらに中島先生は、こうした逐語記録の分析的研究を通して生みだした教具「長さくん」を紹介してくれました。子どもたちは、教具の操作活動を通して、教具を動かし、教具との対話を通して、量を単位により分解するという操作活動と、0を起点とする連続量の表記を理解し、概念を形成していきます。
短い時間でしたが、参加者には大変大きな学びが生まれました。

ここで、お二人のリフレクションシートを紹介します。
◆ 中島先生とは一緒にモンゴルへ行き、現地の先生方にお話する機会がありました。その時には、子どもの間違いやすい点や、それを補うための教具が人気の的になりました。子どものせいにするのではなく、なぜ間違うのかを考え、そこから工夫を重ねるという、ある意味日本の教育の神髄を示したように感じました。
子どもの理解は本当に謎です。1mの半分は2分の1mだと答える子どもが、2mでは3mではと訊くと、同じように、2分の1mだと、ほとんどの子どもが答えます。教える方はショックですよね。
◆ 低学年で学んだきり、「時計」や「ものさし」の学習を、大人になるまでせず、間違えたままになってしまうということ、驚くとともに「確かに」と納得する部分でもありました。
  小学校低学年での学習をおろそかにできないと思いました。0を認識させることは難しいです。特に、連続量として0は、しっかり教えることが大切だと思いました。
  数学は専門ではありませんが、楽しく興味深く拝聴しました。ありがとうございました。

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第9回セミナーは、中部学院大学の後藤孝文先生をお招きして「学び合う学びとヒドゥン・カリキュラムについて」をテーマに開催します。

12月11日(土)は、中部学院大学の後藤孝文先生をお招きして、
第9回セミナー「学び合う学びとヒドゥン・カリキュラムについて」を開催します。

<セミナー内容>
はじめに、小牧市内の学び合う学びの系譜について、長年に渡り携わってきた経験をもとに少しお話しさせていただきます。
タイトルにある「ヒドゥン・カリキュラム」は、隠れたカリキュラムあるいは潜在的カリキュラムと呼ばれています。この用語の歴史はまだ浅く、1968年にシカゴ大学のフィリップ・ジャクソンによって提唱されたものです。例えば教室においては、絶えず子ども達は教師からの賞賛や評価のまなざし、あるいは「〜しなさい」という命令の中で過ごしています。すると、知らず知らずのうちに子ども達は自分自身の欲求に従って行動するよりも教師の欲求に奉仕して行動することを学ぶというものです。
教師が意図するしないにかかわらず、子ども達に伝わる雰囲気と言ってもよいかも知れません。しかし、この雰囲気こそが学び合う学びをめざす学級においては重要ではないでしょうか。ヒドゥン・カリキュラムについて実例をもとに学び、学び合う学びの授業づくりに生かせる方策を参加者の皆さんと学び合いたいと思います。(後藤より)

<後藤先生のプロフィール>
小牧市の小学校、中学校理科の教師として携わり、1996年からは小牧市教育委員会指導主事、また、学校教育課長として教育行政に関わられました。さらに、小中学校3校の校長職として学校づくり、授業づくりに強いリーダーシップを発揮されました。毎年行われた公開授業研究会では、多くの参観者から注目されるなど、卓越した学校経営により協同的な学びの中心校をつくられました。
2014年からは、学びの共同体研究会スーパーバイザーとして、県内外の多くの学校を訪問され、学び合う学びの学校づくりのネットワークを広げられています。また、岐阜聖徳学園大学、中部学院大学の非常勤講師として、現在も教員を目指す学生の指導にあたってみえます。一方、小牧市社会教育委員、小牧市音楽連盟会長、小牧市吹奏楽連盟理事長等の要職を務めておられ、長年に渡り吹奏楽指導者としても活躍されています。

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10月30日(土)第7回セミナーを実施しました。

10月30日(土)13:30より石井順治先生をお招きして、第7回セミナーを開催しました。50名をこえる方にご参加をいただきました。なかには大阪から駆け付けていただいた先生もおられました。 
前半は「学び合う学びが目指すもの、その実現でたいせつにしたいこと」というテーマで石井先生による講演をお聞きしました。内容は、5つの授業実践(小学校の二つの算数の授業、小学校の二つの国語の授業、中学校1年数学「規則性」の授業)における子どもたちの学びの事実を石井先生からていねいに語っていただき、学び合う学びの実現に向けて二つの大切な視点が示されました。
一つが、「すべての子どもに学びを保障すること」
そして、「子どもの学びの深まりにおいて大切なこと」です。

後半は、前半の講演を受けて、参加者がグループになり聴き合う時間を持ちました。そこで生まれた「問い」に石井先生が応えていただく時間になりました。
参加者からは、以下の問いが出されました。
〇 子どもたちの発言に対する評価は、3度に及ぶ音読の意味は?
〇 見せていただいた実践のように、あんなにもグループで話し合うことができる子どもを、どのようにすれば育てられるのか?
〇 文学の授業に向けて、深い教材研究が大切だと分かったが、いざ授業になって、子どもの「つぶやき」や「気づき」がなかなか聴こえない。石井先生のように子どもの心の声を拾うにはどうしたいいのか?
など、多くの方からの「問い」に丁寧に応えていただきながら、石井先生のさらなる思いとして、近著『続・「対話的学び」をつくる 〜聴き合いとICTの往還が生む豊かな授業』(ぎょうせい)の紹介をいただきました。

参加された皆さんからリフレクションシートをお預かりしました。お二人の振り返りを紹介します。

◆従来の授業の方法を見直す機会になりました。主体的な学びができるような授業を考えるたびに、「主体的な学び」とは一体何なのかという疑問に苦しんでいました。
今回、「どのようにすれば話し合いのできる児童生徒を育てることができるのか」という質問をいたしましたが、「話し合い」ではなく「聴き合い」と思うべきだというお言葉が、最も印象に残っております。5例の授業ビデオを拝見して、生徒主体の授業というものが、ほんの少し理解できました。
よい指導方法を知りたいと思っていましたが、質問で、そのようなものはなく、自分の経験を通して確立するものであるという答えをいただき、教員の立場に立とうとしている私自身が主体的な姿勢をもつことができていないのだと、痛感いたしました。ありがとうございました。
◆こんな学びの姿を校内に起こしたい。こんな授業を楽しむ教師たちになって欲しい。という思いが一層強くなりました。
 無理に引っ張るのではなく、形から入るのではなく、こんな学びを展開したいと先生たちの気づきを待ち、お互いに学び合おうとする教師集団になるようじっくりと時間をかけて、学校づくりをしていきたいです。
 石井先生のお考えに、ずっと前から共感していました。今日は、素晴らしい学びの時間をありがとうございました。

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第8回セミナー「低学年の算数の指導は、なぜ難しいのか」のご案内

11月13日(土)は、愛知文教大学の中島淑子先生による、
第8回セミナー「低学年の算数の指導は、なぜ難しいのか」を開催します。

<セミナー内容>
 私が小学校教師だった20年前、2年生の算数のものさしの学習で、0の目盛りを1とする誤答が多くありました。その後も、2年生を2回指導して、同様の誤答に出会いました。何枚ものプリント指導、個別指導を繰り返しても、しばらくすると1cm長い測定値になり、指導に限界を感じていました。
 大学院に入り、ものさしの学習を研究テーマに選びました。ものさしの誤答の原因が、時計や分度器の読み取りの誤答にもつながることが明らかとなりました。
ものさしの始点は0であること、8+1=9であること、成人が当たり前に考えていることは、子どもたちにとっては、難しい内容です。それは、言葉を通して伝えるだけではなく、様々な操作活動を通して、概念的に理解させる学習だからです。
 操作活動を通して、子どもたちは、教具を動かし、教具との対話を通して、概念を形成していきます。教具との対話の内容について、学んでいきたいと思います。

<中島先生のプロフィール>
 28年にわたり小学校教諭を務め、東海市立富木島小学校で授業分析に出会う。2006年に退職後、名古屋大学大学院に学び、的場先生、柴田先生のもとで15年間にわたる研究成果をまとめ、教育博士を取得する。
 2016年より愛知文教大学の教職課程研究センター長として、教職をめざす学生の指導に当たる。2020年に「学び合う学び研究所」を設立した。研究所では、教員の学びの場の提供、教員経験者との連携による教職学生の育成、「学び合う学び」を支える学術的な理論構築を目指している。

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10月30日セミナーのお知らせ

 10月は、石井順治先生をお招きして、ご講演をお願いします。
直接、ご講演を伺う希少な機会になります。皆様のご参加をお待ちしております。
 
日 時:2021年10月30日(土)13:30〜15:30
場 所:愛知文教大学 国際センター 
    〒485-8565 小牧市大草5969-3 TEL 0568-68-6161
講 師:東海国語教育を学ぶ会 顧問 石井順治先生
テーマ:「学び合う学びが目指すもの、その実現でたいせつにしたいこと」
参加費:300円
申し込み:ホームページ右 「月行事予定」よりお願いします。
スクールバス利用について、JR中央線高蔵寺駅から12:30一便のみ利用いただけます。(バス配車の都合から、申し込みが必要です。abu-manabi@abu.ac.jpへ10月10日までに「バス利用、お名前」をお知らせください。)

<セミナー内容>
 石井先生は、学びのたより(2021年9月6日)の中で、コロナ禍の「第五波」への対応について以下のように述べておられます。「今こそ、学校の授業において一人一台のコンピュータ端末を文房具の一つとして自然に活用することで、学び合う学びが実現できるに違いない」また、「『オンライン授業』は、直に対面して行う学び合いほどの学びには行きつかないが、人生にとって、学びにとって、何が大切なのか、なくてはならないものは何なのか、そのことに対する認識を深める大事な機会に向き合っているのではないか。(抜粋)」とあります。これからの時代、通信機器は著しく進歩し生活に欠かせない存在になります。しかし、子どものころに何を体験するかが未来につながり、直接の対話をたっぷりすることが最も大切だと語っておられます。
 石井順治先生は、今夏、2冊の著作を出版され、大きな注目を集めてみえます。幸いなことに、本セミナーにお招きできることになりました。先生のご講演を直接伺い、多くの皆さんとともに、学び合いたいと思います。参加をお待ちしております。

近著紹介 
子どもの読みがつくる文学の授業―コロナ禍をこえる「学び合う学び」(明石書店)
『続・「対話的学び」をつくる 〜聴き合いとICTの往還が生む豊かな授業』(ぎょうせい)


<石井順治先生のプロフィール>
 1943年生まれ。三重県内の小学校で主に国語教育の実践に取り組むとともに、氷上正氏(元・神戸市立御影小学校長)に師事し、四日市市内の小中学校の校長を務め、2003年3月退職。退職後は、佐藤学氏、秋田喜代美氏と連絡をとりながら、各地の学校を訪問し授業の共同研究を行うとともに、「東海国語教育を学ぶ会」の顧問を務め、「授業づくり・学校づくりセミナー」の開催に尽力されています。


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9月18日(土)は、「学び合う『学び』を支える『授業』づくりの視点」をテーマとしてセミナーを実施しました。

 9月18日のセミナーは、木村芳博先生と3名のゲストティーチャー金内俊樹先生(村中小)川澄千佳子先生(小牧中)合田亮介先生(小牧中)をお迎えして「学び合う『学び』を支える『授業』づくりの視点」をテーマとして、以下の5本の柱に基づき学び合いました。
 1.「学び合う学び」    〜きほんのき!
 2.授業づくりで悩むこと  〜聴き合おう!
 3.授業づくりの視点    〜若き先達の導き!
 4.授業づくりの三場面   〜「デ・コ・リ」!
 5.教師が心しておきたいこと 〜初任者指導から!
 今回は、初任や少経験の先生方を対象にした、授業づくりの研修でした。ところが、ご参加いただいた半数が経験豊かな先生方になり、はからずも、経験年数や校種の違うペアによる学び合いが実現し、ペア双方に大きな学びがうまれました。
 1.では、本研究所の名称にもなっている「学び合う学び」について、2.では2名のゲストティーチャーから日頃の授業づくりにたいする悩みの表明があり、3.では、悩みながらつかんできて授業づくりの視点の提案がありました。日々の教室で起きている学びの事実に正面から向き合い、ペアによる聴き合いを通して、授業づくりで大切にしたい内容を共有することができました。

 参加された皆さんからリフレクションシートをお預かりしました。ここに、お二人の振り返りをご紹介します。

◆ 先生方の悩みや心がけていることなどを聞いて、私自身の悩みと同じところがたくさんあり、「他の先生も悩みながら授業をつくっているんだな」と少し安心しました。
 また、先輩の先生方から、授業づくりに関する貴重な考えを聞けて勉強になりました。
 来週から、また授業がはじまります。いかに、授業をコーディネートするか、子どもの疑問や発言を大切にしていきたいです。今日はありがとうございました。がんばる、意欲がうまれました。
<さらに学びを深めたいこと>
発問の質です。グループでしか解決できない、良質な発問についてさらに学んでいきたいです。
◆ 改めて、子どものための授業であることを確認しました。私が行っている授業は、子どものために行っているふりをして、自分が満足するためにやっている授業なのではないか?と思ってしまいました。ペアを組んでいただいた先生より、教えていただいたことが多く、教師は、子どもを支える立場であることを教えていただきました。
<さらに学びを深めたいこと>
 たくさんありすぎます。このセミナーに来る前は「聴く」ことの難しさを感じながらやってきました。今も、もちろんそのことの難しさを課題と捉えていますが、もっともっと前に、子どものための授業を考えていく必要があると感じました。

 参加者の皆さんによるリフレクションのまとめは、HP右のバナー「配布文書」に掲載しました。ご覧ください。

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9月18日セミナーのお知らせ

 9月18日のセミナーは、木村芳博先生と3名のゲストティーチャーをお迎えして「学び合う『学び』を支える『授業』づくりの視点 〜 初任者、少経験者限定 〜」をテーマとして学び合います。
<セミナー内容>
 本セミナーは、初任や少経験の先生方を対象にした、『限定メニュー』での授業づくり研修です。
 その「授業」づくりといえば、教師の本務であり、たとえ多忙化解消に向けた働き方改革が問われる時とはいえ、それに関わる時間と労力は、削減対象外の必要不可欠なものになります。しかも、教室を見渡せば、目の前の子どもたちは、個々に多様な学びの姿を見せています。そんな子どもたちを支え、一日一日の授業をどう創っていくか、子どもの学びをどれだけ深めていくか、常に問われているのではないでしょうか。
 そこで、あらためて「学び合う学び」の基本視点をベースにしながら、3名のゲストティーチャーの悩みや思いも聴き合い、話し合い、今後の授業づくりのヒントを探っていく時間にしていきたいと思います。
 
◆ゲストティーチャー
 金内 俊樹先生(村中小)
 川澄千佳子先生(小牧中)
 合田 亮介先生(小牧中)

<木村芳博先生プロフィール>
 小牧市内の中学校で社会を教え、市内小中学校で学び合いの授業実践を積み重ねられました。米野小学校長時には、「学び合う学び」の授業実践リーダーの石井順治先生の訪問指導を受けながら、職員の力を結集して学校づくりや授業改善に尽力されました。平成26年に小牧市小中学校長会長をつとめ、同時に『元気な学校を支援し創る会』の理事長、『教師力アップセミナー』の運営委員としても活躍されました。退職後、学びの共同体スーパーバイザーとして複数校の学校づくりに関わり、小牧市初任者指導員として後輩の育成にあたられました。
    木村先生の似顔絵<2021.8作画>

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8月28日、図工・美術セミナーを、感染拡大防止に配慮しながら、少人数による短時間の学び合いを行いました。

8月28日のセミナーは、感染拡大防止に配慮しながら、少人数による短時間の学び合いを行いました。
「美術・図工指導の悩み、子どもの作品の見方を語り合いませんか」をテーマに、末継美希先生がされた2つの実践に焦点をあて学び合いました。
 
 最初に、小学校3年「粘土マイタウン」の実践を短く編集したビデオを視聴し、ペアによる共有を行いました。全体での共有では、2つの視点で協議が進みました。
●造形の学び合いにおいて、二つの足場掛けの意味と学びについて
●作品をつなげる活動のもつ意味と活動をとおしてケアされる子どもの姿

 次に、小学校支援教室「自画像」の実践を視聴し、気づきの共有をおこない、子どもたちの描画活動を、セミナー参加者が直接体験する実技演習を行いました。5分という短い時間の演習でしたが、その後のリフレクションでは、子どもの造形活動に向けた、教師の教材研究の大切さが話題になりました。
 技法の学びといわれる図工・美術において、ICTを活用した指導場面にも意見が交わされました。会場には、実践された作品(実物や印刷物)が多数掲示され、作品の持つエネルギーに圧倒されながら、授業中の環境構成について話し合われ、同時にセミナー会場の環境構成にも大きくかかわりました。

 参加者よりリフレクションをお預かりしました。ここにお二人を紹介します。他の皆さんのリフレクションシートは、配布文書一覧からご覧いただけます。

◆粘土の授業は、個人の学びをグループにどうつなぐかという点で非常に面白い実践でした。特に「分身」としての小さな人形と宝箱(グループに一つ)は有効な手立てとなっていました。
 自画像は中学校美術の定番教材だと思いますが、特別支援学級で実践していることに驚きました。はみ出すくらいに大きく描くことが重要だと思いますが、出来上がった絵は、きっと子どもたちを満足させたでしょう。
両方ともにiPadを有効に使っています。こういう使い方はいいですね。ICTなどと大げさに言わなくても、こういうことが大事だと改めて思います。

◆毎回、図工の授業をやるとなると、嫌だなー、こんなの教えられないなーと、思っていました。
 今日のセミナーで末継先生やいろいろな先生のご意見を聞いて、これから自分の授業で作っていくためのヒントをたくさんもらえました。そして、これから何か描く、作る題材が決まったら、自分でやってみようと思いました。やっていく中で、気づくこともたくさんあるし、何より今日、楽しかったし、楽しそうだなと思えたことを、子どもたちに還元していこうと思います。本当にありがとうございました。

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中川裕子先生、安齋藍先生による8月7日セミナーを実施しました

 8月7日のセミナーは、「豊かに生きるを、音楽科から考える」をテーマとして、中川裕子先生のファシリテーションにより、まず、参加者がブルタバを鑑賞し、感想交流をしました。その後、安齋 藍先生の授業ビデオを見た後、グループ協議し、全体の学び合いを行いました。
 コロナ禍にあって、音楽の授業にさまざまな制約がかかる中で、リトミックボールの活用を通して旋律の身体化を手掛かりとした鑑賞活動は、対話的で探究的な学びとなりました。子どもたちの発言には音楽的要素から始まり、生徒が曲の世界と出会い流域の旅をとおして、情景を言語化し、グループや全体で学び合っていきます。教室でおきた学びは「豊かに生きる」というアートの学びを具現したものになっていました。ご参加いただいたみなさんとの語り合いをとおして、参加者それぞれに豊かな学びが生まれる時間となりました。

参加者よりリフレクションをお預かりしました。ここにお二人を紹介します。皆さんのリフレクションシートは、配布文書一覧からご覧いただけます。

◆すばらしい取り組みだと思いました。
身体表現を通して、音楽を捉えてもらうことで、自分の感性に深く気づき、そして自信がもてるように思いました。
 楽器のテクスチュアに深い理解を得て、それが、音楽全体への興味につながっています。自分が、どのような感受性をもっているのかを、アウトプットすることは、受け止めてくれる他者を信頼していく道になります。相互の存在を認め合う体験が、個の尊重に発展してゆきます。私にとりまして、深い学びの体験になりました。感謝いたします。

◆自分の鑑賞の授業は、曲を紹介して感想を書くというような何の工夫も見られないもので、日々、どうしたものかと思いながらも、繰り返しでした。校長先生から、「こういうセミナーがあるからどうだ。」と紹介され、内容を読ませていただくと、毎年、自分がマンネリ化している「ブルタバ」の授業の研修ができるということで、大変興味をもち、私のようなものが参加するのは場違いかもと思いながら、勇気を出して申し込みました。
 安齋先生の授業、研究協議での先生方の意見を聴き、本当に勉強になりました。そして、自分の今までの指導を反省するとともに、9月からの授業に生かしていきたいと思います。
 今日は、本当にありがとうございました。

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8月28日のセミナーお知らせ

8月28日のセミナーは、
 末継美希先生をお迎えして「美術・図工指導の悩み、子どもの作品の見方を語り合いませんか」をテーマに永井勝彦がファシリテートして学び合います。
<セミナー内容>
 図工・美術の授業が大好きで、のびのびと作品をつくっている子どもたちがいます。同時に、どう作っていいのかわからず、悩んだり、教えられたことに中で小さくまとまったり、作品づくりを楽しめない子どもたちがいます。
 図工・美術は、子どもたちにどんな学びを提供できるのか、さらに、教育の最大の使命である「創造性」の育成のために何ができるのかについて、多くの教師が問いとして持っています。
 末継先生は、学級経営と造形指導に素敵な実践を数々残してみえます。その学びの様子や子どもの作品を通して、造形教育の問いについて、多様に学び合いたいと思います。多くの方の参加をお待ちしております。

<末継美希先生のプロフィール>
 大学では映像表現教材を研究し、小学校に勤務されてからは、子どもとの温かい関係性のある学級経営をされています。小牧市立光ヶ丘小学校で低学年の実践や、小牧市立陶小学校での支援学級での図工実践は、参観者から高く評価されてきました。実践を、本セミナーに提供していただき感謝しております。

<永井勝彦のプロフィール>
 小牧市内の中学校で美術を教え、平成26年愛知県造形教育研究会庶務、愛知県尾張地区造形教育研究会副会長をつとめ、退職後、小牧市少年センター 所長、学びの共同体スーパーバイザー事務局として複数校の実践に関わる。

現在、愛知文教大学 非常勤講師 学び合う学び研究所事務長



<末継先生(左)の似顔絵・永井勝彦(右)の自画像(6年前作画、本人は劣化が進む)>


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愛知学泉大学教授 前田 治先生による7月セミナーを実施しました

7月31日(土曜)13:30より
愛知学泉大学教授の前田 治先生をお迎えして、テーマ「道徳の授業の話をしませんか」で実施をしました。

第1部
1 教科になって
 ・改めて考える「道徳」とは
 ・心と行動
 ・授業のパターン化
2 パターンから脱出
 ・指導書はよくできている
3 オリジナルへの道
 ・教材
 ・中心発問
 ・内容項目
4 疑ってみる
 ・多面的、多角的   ・板書         ・二項対立
 ・ワークシート    ・グループでの話し合い
 ・役割演技      ・心情直線       ・相互指名
5 事例
 ・一枚のポスター
第2部
 演 習 「二人の弟子」中3

大変盛りだくさんな内容による研修になりました。
第2部では、教材の読み込みについて参加者がグループになり、多面的、多角的な教材解釈について学び合いました。

<参加いただいた方々からのリフレクション抜粋>

〇本日はありがとうございました。“道徳教育”=“教科化された道徳の授業”という風潮の中で、形式優先の授業が増えている現実を見直す必要がることを改めて感じました。合理的思考によって、問題解決策を導出することに力点を置くあまり「心のない道徳授業」が増えていることも気になっています。児童理解、生徒指導、学級経営と一体となった道徳教育に進んでいくことを望んでいます。

〇前田先生のお話の中で、本日印象に残った言葉が二つあります。
一つ目は「時には、内容項目に関係なくとことんやりたい(生徒と一緒に考えたい)授業をすればいい(年に一回は)」この言葉から本当の意味で道徳を子供たちと楽しむという考えが浮かび、道徳の授業をやりたいという気持ちが高まりました。
二つ目は、「授業記録から子どもの背景(プロフィール)も含めて道徳の授業研究をする」子どもの「つぶやき」「発言」「変容」から目に見えない心が少し見えてくるような気がします。
 教材理解を学年でやってみたいです。今日はありがとうございました。

 7月セミナーリフレクションは、「配布文章の一覧」からご覧いただけます。
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重要 8月7日のセミナーのご案内

8月7日のセミナーは、
中川裕子先生と安齋 藍先生をお迎えして「豊かに生きるを、音楽科から考える」をテーマとして学び合います。
<セミナー内容>
コロナ禍にあって、音楽の授業にさまざまな制約がかかっています。そんな中で、中学3年生、鑑賞領域の授業実践をとおして、豊かな学びをどう実現していくかを学び合いたいと思います。
授業者の安齋先生は、スメタナ「ブルタバ」の鑑賞授業に、身体表現を取り入れることによって、生徒が曲の世界に出会っていく単元デザインを構想されました。生徒たちが流域の旅をとおして、情景を言語化し、グループや全体で学び合っていきます。そんな、「豊かに生きる」というアートの学びについて、ご参加いただいたみなさんと語り合いたいと思います。ぜひ多くの方のご参加をお待ちしております。
<中川裕子先生のプロフィール>
小牧市内の中学校で音楽を教え、小学校の経験も踏まえながら、学び合う学びの授業づくりの指導者として活躍されています。現在は、小牧市立小木小学校長として、学校経営をされ、小牧市音楽教育研究会の部長として後進の指導に当たってみえます。
<安齋 藍先生のプロフィール>
小牧市内の中学校で音楽を教え、平成29年より、愛知教育大学附属名古屋中学校で音楽科教育の研究をされました。現在は、小牧市立小牧中学校で勤務され、数々の素晴らしい授業実践をされています。

<中川先生(左)・安齋先生(右)の似顔絵>

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配布文書

愛知文教大学 学び合う学び研究所
〒485-0802
住所:小牧市大草5969-3
TEL:0568-68-6161