最新更新日:2024/04/25 | |
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2月10日(土)13:30より中川行弘先生による継続講座を実施しました。
2月10日(土)13:30〜15:30に、201教室において実施しました。
講師に学び合う学び研究所フェロー中川行弘先生をお招きし、「通常学級における特別の支援が必要な子どもへの教育支援」をテーマに行いました。 今回のセミナーには、10名の方の申し込みがあり和気藹々とした雰囲気の中で進みました。セミナーのスケジュールは以下の通りです。 第1部 資料をもとに対話・自己紹介 〇資料:特別の支援が必要な子どもへの教育支援の手がかり 〇授業ビデオからの学び グループ協議 ― 休 憩 ― 第2部 4月当初の情報・再視聴・変容の要素や背景の協同探究 第1部 資料をもとに対話・自己紹介 〇資料:特別の支援が必要な子どもへの教育支援の手がかり 配られている資料を手掛かりに、参加された方が自己紹介をし、内容等でわからないことや共有したいことを聴き合いました。 中川先生◆参加者● ◆皆さん、聴いてみたいことや、共有したいところはありますか。 ●「私物化しない。分ける指導×」というところがよく分かりません。 ◆先生は、どう考えますか。 ●自分としては「分ける指導」というのは、特別支援学級などで、子どもが学びやすくするために分けることがあると思いますが、通常学級とのことも含めてのことでしょうか。 ◆自分としては、通常学級も含めて、基本的にすべての子どもについて考えています。先生は? ●私も訊いてみたいところでしたので、訊かれると困りますが(笑い)分ける指導?私物化と公共、どうバランスをとるのか?そのあたりが難しいと思います。 ●短期目標、長期目標という記載があり、先手を打つとも書いてあり、どう結びつくのでしょうか? ◆私もまだまだ学んでいるところで、自信がないのですが、分ける指導は基本的にインクルーシブ教育の真逆だと考えています。皆さんがお話になったように、多様な学びの場も重要で、ともに実現することはとてもたいへんなことだと思います。〇〇先生がお話になったように、短期的には分けざるをえないこともあるかもしれません。しかし、長期的には、場の工夫やDXなどで、できるだけともに学ぶことができるようになるといいと思っています。仮に自分に何かがあったときに、「あなたはこちら」と仲間からずっと離され、分かれたままだとしたら、ちょっと悲しい気持ちになりますよね。 ●私は、インクルーシブ教育については、大学へ入る前に岡野先生の本を読んでいましたが、子どもをラベリングすることや分けることは少し違うと思っていました。実際はどうかを学びたいと思い参加しました。 ●教師は何を目標にしているのかが、問題ではないでしょうか。成績の向上を目標として分ける指導があります。教員の姿勢として、効率化をめざして分けるのはどうかなと思います。 ●複式学級を行っている日本の学校は少ないようです。しかし、ヨーロッパでは当たり前に行われています。複式学級での学びはよりダイナミックで教育効果が上がっていることを知りましたが、日本における特別支援学級では、学年の違う子どもを同じ教室で分けて学ばせていることが多くあります。あえてグループによる学びにすることで予想外の学びの効果が生まれるのではないか、と感じています。 ●特別支援教育で一番足りないことは「つながり」です。子ども同士の支え合いや学び合いはとても大切であるということですね。 ●先ほどの複式学級の話ですが、フィンランドの教育はOECDのPISA調査でトップの国ですが、ほぼすべての学校が複式学級で指導しており、教育効果が上がっています。分けない指導というのは、そうしたことかなと聞いておりました。 ◆ありがとうございました。今日一番大切にしたいことを話題にしていただきました。学校は公共空間、公教育はすべての子どもの学びを実現する教育、大切にしたいところです。短期目標(今大切にしたいこと)・長期目標(18歳成人をめざして)を公教育として実現できるといいなあと思います。 〇授業ビデオからの学び 小学校4年生の学級、担任は初任者、教材は国語「一つの花」です。情報なし、先入観なしで、まずはいきなり見ていただきます。 グループでの感想交流 ― 休 憩 ― 第2部 4月当初の情報・再視聴・変容の要素や背景の協同探究 中川先生から、授業ビデオの子どもの4月当初の状況や特性やについて、一人ひとりのエピソードを含めた説明があり、情報をもとに、もう一度ビデオを視聴。 〇ビデオからの学びを共有する中川先生◆参加者● ●授業記録10分10秒の教師の発言の少し前に、9番の子どもが10番の子どもに聴きたいことがあり「ねぇねぇ」と尋ねている場面があります。ここで、教師が立ち止まってあげられるとよかった。特別支援の視点で見たときに、「何行目」といった指示よりも、ICTを活用して考えている文章を視覚化してあげると、子どもにとって学びやすかったのでは。 ◆つながれる先生はありますか。 ●確かに、視覚化するのはいいな。と思います。お父さんの話に集約することができたのは、音読にもどしていたからかなと感じます。 ●どうしても、1番の子どもが気になります。途中、ノートを書いたり消したりを繰り返している。終盤、1番の子が2番の子に何かをアプローチしています。あれは、なんだろう? ◆1番の子は、外国ルーツの子どもです。この日初めて、教科書を開き、読みはじめました。記念日ビデオです。 ●1番の子は、日本語での会話はできますか。 ◆日常会派程度はできますが、学習に対する意欲が乏しい子どもです。絵を描くことは得意です。 ●生活言語は大丈夫なのですね。学習言語が身についていないのでしょうか? ◆学習言語については十分とはいえないと思います。この日に音読ができたのは、どうしてか。他の先生方の話題にもなっていました。これまで、教科書を読むこともしていなかった。 ●この先生が、安心できる教師であるとの認識が生まれたのではないでしょうか。しかし、25番の子どもは、なかなか関わっていません。しかし、最後の音読で、彼は一番早く教科書を置いていました。読解スピードが速く、理解のはやい子どもではないかなと見ました。 ●この教室の座席は、意図的なのかな?ということが気になりました。 ◆6月の授業ですが、一人一人の子どもがいい感じでつながり、「私たちの教室」ってなった感じがしました。他の3人の初任者の先生方の教室もほぼ同じ時期でした。このような「ベッチョリ隊形」に座席をした効果もあると思います。意図的です。 ●なぜ、この先生は、ずっと座って授業をしているのか。なぜ、子どもの方へ寄っていかないのか?疑問です。 ●机間指導をしないのはどうかと思いました。 ●4年生で支援の必要な子どもが多いこの教室だから、あえて密集した座席にしたのでしょう。25番の子どもの発言に対する教師の対応が物語っているように聴き方をよく指導しています。さらに「今の場面はどう?」と共同注視・共同注意できるような配慮があります。子どもたちの発言がつながっていくことで、父親との別れの場面を深く読み深める授業になっていました。 ◆25番の子どもはいつも、前にいたのですが、最近後ろにいきました。この子はおっしゃるように理解のはやい子どもです。 〇まとめとして中川先生より5点にわたり確認がありました。 1 共同注視について。学びの一番のベースとなります。同じテキストを見ながら音読をしたり、同じ部分や場面をみたりすることが大切です。さらに共同注意(意図の共有)にも発展させ、安心感のある学びにつながることができていたのだと思います。 2 座席について。特別の支援が必要な子どもは教師との距離と特別のケアが大切。密接距離で先生とつながらないと子ども同士でつながることができない。意図的に座席を考えていく必要があります。 3 援助要請とケア、探索的会話について。先生が援助要請に温かいケアをし、探索的会話もしています。相似形で、子ども同士でも援助要請とケア、探索的会話が成立しているのだと思います。 4 仲間や先生、道具の力を借りて、共有の学びを足場に、高い課題に探究・挑戦ということについて。授業ビデオでは女の先生が映っていました。「短時間ライブ授業研究」と呼んでいますが、通常の授業において短時間で授業を互いに見合ってライブで研究をするなど、同僚性が育っています。この効果はかなり大きいと思います。 5 「わからない、教えて」の日常、発達支持的生徒指導について。生徒指導提要に書かれていますが、プロアクティブとして、この日常が、いじめ対策、不登校対策、自殺対策になっているのではないかと思います。「学び合う学び」の中核、この日常とこの価値をもっともっと広めていきたいと思います。という言葉で、結ばれました。 参加された方からの振り返りを紹介します。 ◆今日の講座で学んだ中で重要だと思ったことは、つながりを大切にすることです。 本日はありがとうございました。ビデオを通して、子どもたちの様々な姿を見ることができ、いろいろなことを考えさせられました。 特別な支援が必要は子が、教室の中で教師や同級生とつながりをもつことで安心することが分かりました。そのような環境を作っていくことの必要性を感じ、つながりをもつ活動や言葉にする活動を大切にしていきたいと思いました。今後の学校生活に生かしたいと思います。 |
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