最新更新日:2024/04/25
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9月10日(土)13:30より第6回セミナーを実施しました。

 9月10日(土)13:30〜15:30に第6回セミナーを愛知文教大学ABUラウンジにおいて実施しました。講師には犬山市立犬山中学校 教諭 安形直樹 先生、岐阜聖徳学園大学教授 玉置 崇 先生をお招きし「深い学びの実現を社会科から考える」をテーマに行いました。

 新学期が始まったばかりのこの時期でしたが、37名と大変多くの方にご参加いただきました。犬山中学校では、令和2・3年にわたり研究され、昨年10月に発表されました。研究を通した学校づくりと現在の授業研究について学ぶことができました。
 最初に、安形先生の自己紹介をかねて、1年生の地理分野「南アメリカ州 開発を優先すべきか、環境保護を優先すべきか」の短い動画を視聴し、グループで共有しました。生徒が立ったままで白熱した討論をしている場面でした。参加者からの意見を受けた後、安形先生からは「この動画は、授業後数分経った生徒の様子です」との説明を受け、授業時間をこえてまで聴き合う生徒の様子に驚きを感じながらのスタートになりました。
1.研修スケジュール
(1)犬山中の研究について
(2)深い学びについて
(3)模擬授業
(4)社会科の授業動画の視聴&生徒の振り返りなどの紹介
休 憩
(5)玉置先生からのコメント

2.研修内容
(1)犬山中学校の研究について、安形先生より発表がありました。
a. 「自ら考え、判断し、決定し、行動する生徒の育成」〜生徒の考え、変容を大切にした授業改善を通して〜 2021.10.29
b. なぜ変わらなければいけないのだろうか?
c. 授業の在り方も変わることが求められる
d. 本校の現状は?
e. 各教科の共通理念・共通の手だて
f. 研究構想図・社会科の各論
g. 高めたい教師の力量とは?
h. 教科部会・教科主任会の実施
i. 小学校の学び方をつなぐ
j. 各教科からの実践報告の作成(子どもの姿で語る) ➡ 手立ての共有・生徒の変容の共通理解
k. 研究推進における3ポイント
 〇全生徒・全職員の向上的変容 〇教科・学年・校種の壁を超える 
 〇新しい学校文化の形成
●ここで、玉置先生のコーディネートにより、犬山中学校の「教科部会」について、会場へのインタビューになりました。以前、犬山中で勤務した先生から「以前は、いろんな教科の先生が学ぶため、授業研究を学年部会で進めていた」それに対して、現在、犬山中の先生から「毎週、教科主任会が時間割に設定され、他の教科ではどんな取り組みが行われているかを共有できた」と発言された。玉置先生からの「なぜ、教科主任会を持ったのか?」という質問に対して、安形先生から「教科を横につなぐため」そして「研究構想図を、各教科でどう具現化したか」とありました。さらに追加質問として「各教科のエピソードはありましたか?」に対して、例えば「英語科の実践報告をつくることによって、生徒の具体的な変容が確認できた」と紹介されました。

<各グループでの聴き合い>

■質問「教科主任社会では、どんな話題をどんな方法で行っているのか」➡「自分がやったのは、こうしてくださいではなく、こうしたいですが、どう考えますかと意見をもらった。理念を共有してきました。」
■犬山中の先生「安形先生の提案について、みんなが意見を言いながら、研究の方向を決めていった。そうした言いやすい雰囲気が、今までの学校と違うところです」別の先生からは「研究というと、提案授業を見て、協議し指導を受けて終わりでしたが、犬山中では実践報告をつくり、共有することで、自分の授業をふり返ることができ、研究を継続できたと感じている」
■安形先生から「研究することで人間関係が悪くならなかったことが嬉しかった。本校の校長通信では「教師同士の関係性がいいと、生徒の学びがよくなる」と示されましたが、その通りでした。」と紹介がありました。
■校長先生からは「この研究は、教科理論を大切にしようとはじめました。各教科でどんな授業をしようか、どんな子供を育てたいかを明確にして、授業改善に取り組みなした。研究の柱が2つあり、それを受けた各教科に「手立て」を任せましたが、なかなか明確にならなかった。そうした内容の見直しを教科主任会で検討してもらった。本校の学校経営は『主体性と創造性』をキーワードで進めてきた。生徒会が中心となり校則を見直したり、研究発表当日の提案授業以外の教室は、先生がいなくても、生徒が自分たちで課題を見つけて学びを続けていたりしました。」と紹介がありました。

 玉置先生のコーディネートによる学び合いでは、生徒が主体となり学び続ける犬山中学校の学校づくりを具体的に知ることができました。

(2)深い学びについて、安形先生より発表がありました。
 1⃣「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実
 2⃣社会科の授業で心掛けていること
 3⃣見方カード・思考ツール
 4⃣模擬授業 単元をつらぬく課題「信長、秀吉、家康の中で、誰が一番優れた武将だろうか」 参加者を生徒に見立てての授業がはじまりました。
 〇「問い」何に注目したら、この課題を解決できそうですか?
 〇「見方カード」「思考ツール」レーダーチャートを活用した生徒ノートの紹介
 「振り返りキー」7つのキーによる生徒の振り返りの紹介
 30分程度の模擬授業を受けながら、生徒の残した振り返りなどの紹介を受けて、
   <感想交流>
   <休 憩>5分
 5⃣動画の視聴(信長側への反論する場面)6分
 生徒の学び合う様子、先生の居方、生徒の振り返りについて解説しながらの視聴でした。

(3) 玉置先生のコメント
 1⃣学びたい犬山中学校の7つの姿を紹介
 2⃣犬山中学校の生徒の姿を映像と解説を交えた紹介
  振り返りの価値を語る生徒
  ICTを活用して振り返る生徒
  自ら聴き、解決しようとする生徒
  個に応じて支援する教師
  主体的な活動をタブレットに録画し、自己評価する生徒
  対話でつなぐことで、お互いに評価する生徒たち
 こうした姿は、犬山中の先生方が日ごろから指導をした結果であり、生徒の姿に価値づけを行っているからであると述べられました。
 3⃣「深い学び」と「見方考え方」について
 4⃣「見方・考え方」を玉置流に「今日の授業で、一生覚えておくとよいことがら」と定義され、小学校算数の「長さ」「角度」「面積」を例に説明されました。子どもたちは、教師の教材研究を学び越えてくることがあり、その学びの意味をどうとらえるか。深い学びをつくり出す教師の専門性が問われる場面の紹介がありました。

 本日のセミナーを振り返り、犬山中の研究推進と安形先生の授業づくりにむけた強い思いから多くを学ぶことができたと感じました。

参加された方からの振り返りを紹介します。
◆模擬授業や子どもたちの様子を見せていただき、子どもたちが楽しく、自ら学んでいると感じました。
課題設定も子どもたちのことを考えてされているように思いました。
今まで、「見方・考え方」について授業の中で深く考えられていなかったので、これからは子どもに何を学ばせたいか、どうなってもらいたいかを考えた上で授業に取り組んでいきたいと思いました。ありがとうございました。
◆今日のセミナーで学習した中で重要だと思ったことは「すべての生徒の学びを保証するために、深い学びの実現を目指す犬山中学校の取り組みについて学べたこと」です。
犬山中学校の取り組み、社会科での実践、玉置先生のお話と、大変勉強になりました。あっという間の2時間でした。ありがとうございました。すべての生徒の学びを保証するための、主体的で深い学びを実現するために、学校全体で研究をすすめている犬山中学校の取り組みは、とても素晴らしいなと率直に思いました。社会科の実践も大変参考になりました。特に、見方、考え方を重視した取り組みは、自分はなんとなくでしか取り組めていないので、勉強になりました。自分の授業創りを再度見直していきたいです。

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