最新更新日:2024/04/25
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2024年度のセミナーを募集しております。多くの皆様のご参加をお待ちしております。2024年5月のセミナーへの申し込みができます。右「行事予定」のバナーからGoogleフォームで申し込みをお願いします。

第1回 継続講座1を開催します。

 2023年4月15日(土)13:30〜15:30に第1回 継続講座1前半を開催します。
会 場  愛知文教大学 ABUラウンジ  
〒485-8565 愛知県小牧市大草5969-3
テーマ 授業づくりの”土台”とは?
講 師 学び合う学び研究所フェロー 木村 芳博 先生
申 込 学び合う学び研究所ホームページ 行事予定4月予定GOOGLEフォームよりお願いします。
 尚、5/20(土)は2回目の(授業づくりの”道標”とは?)を予定しています。

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2023年度 4月セミナーのご案内

2023年4月22日(土)13:30〜15:30に第1回セミナーを開催します。
会 場  愛知文教大学 ABUラウンジ  
〒485-8565 愛知県小牧市大草5969-3
テーマ 「子どもの学びをどうとらえるか?〜授業記録による授業分析の方法〜」
講 師 名古屋大学大学院 教授 柴田 好章 先生
申 込 学び合う学び研究所ホームページ 行事予定4月予定GOOGLE フォームよりお願いします。
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3月11日(土)13:30より第12回セミナーを実施しました。

 3月11日(土)13:30〜15:30に第12回セミナーを愛知文教大学 ABUラウンジにおいて実施しました。講師は、学び合う学び研究所 所長の中島淑子です。「わかることの意味を考える」をテーマとして、小学校1年生が算数科で学習するアナログ時計の読み取り方について、お話をさせていただき、自分自身を学ぶことができました。
今回の報告は、講師である中島淑子自身が書かせていただきます。

○セミナーの流れ
⒈「いろはに」算数による操作活動
⒉アナログ時計の読み取りに対するイギリスや、日本での状況
⒊「アナログ時計の指導は、必要だろうか」をテーマとして話し合う
⒋測定することの歴史や、測定することの意味を考える
⒌「時計の指導」の小学校1年生の教科書を見て気がついたことを話し合う
⒍「時計の指導」に関する、中島の今までの研究成果と、指導の方法を知る。
⒎「時計の指導」に対する、より良い指導法について話し合う。

○セミナーの活動
⒈「いろはに」算数による操作活動
小学校1年生の子どもたちがどのようにして数を認識し、計算できるようになるかを体験します。算用数字ではなく、1を「い」、2を「ろ」、3を「へ」として置き換えて計算を行います。低学年の子どもたちが、どのように概念的な理解をしていくかについて、理解していただきたいと考えました。

⒉アナログ時計の読み取りに対するイギリスや、日本での状況
アナログ時計が読めないことから、教室の時計をデジタルに変えようとするイギリスや、時計が読めないことから劣等感を抱いている成人や子どもたちの姿を紹介しました。

⒊「アナログ時計の指導は、必要だろうか」をテーマとして話し合う
小学校1年生の指導者にとっても、時計の学習は指導の難しい内容です。デジタル時計もあるのですから、学校で指導する必要はあるかを考えていただきました。その結果、1時間後や、後何分か残っているかを考えるのが容易なことから、アナログ時計の指導は必要だというみなさんの意見でした。
 しかし、アナログ時計の読み取りのできない人が、劣等感を抱いたまま生活しなければならないような学習は、必要なのだろうかと考えます。
 私が、小学校1年生の担任だったとき、年間4時間の指導時間で、アナログ時計を理解させることは無理だと感じていました。しばらくすると、保護者の方の努力により読めるようになってきます。指導法のどこが不十分なのかも分からないままに、退職し、大学院にて研究を始めました。

⒋測定することの歴史や、測定することの意味を考える
 時計はなぜ右回りかについてお聞きしたところは、日時計との答えがありました。また、太陽が真南になるときだけ1年中変わらないことから、時計の12時が始まりの0を表していると考えます。
さまざまな測定の器具は人々の創意工夫により作られてきた歴史があります。創意工夫の一つの結論が、アナログ時計だと思います。砂時計、日時計、水時計等を工夫してきた人類の歴史を、指導の中で子どもたちがたどることにより、アナログ時計の指導法が見つかるのではないかと考えています。

⒌「時計の指導」の小学校1年生の教科書を見て気がついたことを話し合う
 教科書を見て、ある先生から、短針と長針が一緒に回っているから、混乱するのではないか。また、短針だけでも、○時半といった言い方は、わかるのではないかという意見が出ました。中島は、100円均一で購入した掛け時計の不必要な針をペンチで切り取り、長針だけの時計、短針だけの時計、秒針だけの時計を作り、それぞれの針の動きを見せる方法を、学校での指導に使用したことがあります。そこで、12までしか学習していない1年生の9月には、長針を見せずに、短針だけの時計を用いて指導すればいいのではと考えています。同じ考えをお聞きしてうれしく思いました。

⒍「時計の指導」に関する、中島の今までの研究成果と、指導の方法を知る。
 ほとんど研究されたことがなく、未知の分野である時計の指導法の開発を行ってきました。さまざまな教具を作りながら、子どもたちの誤答の原因を探ってきました。
 その中で、日時計と時計との関係について話をさせていただきました。ある先生から、太陽の動きと時間とが連動して示されているソフトがあるとのお話を伺いました。
時計の学習は、読み取りの学習に終始して、アウトプットの少ない学習です。例えば、グループごとに時計の学習のソフトを使って、遠足での活動のスケジュールを作らせるのはどうでしょうか。「1時10分から2時分までグループで遊び」と入れると、時計にそれぞれの時間が表示され、50分間という表示が出れば、時刻と時間の理解が容易です。

⒎「時計の指導」に対する、より良い指導法について話し合う
 1本の半径に切り込みのある2枚の円形の厚紙を重ねて、1時間ごとに短針が動く様子を表す教具を作成しました。教室で何度も使用してきた教具です。ある先生から、上に重ねる円形の厚紙は、半透明にするか、小さい円形にするとわかりやすくなるというアドバイスを受けました。ご指摘のとおり、時計の数字が見やすくなりますので、改良を重ねたいと思います。

○講師の振り返り
 今まで、長さ、面積、体積に関しては、さまざまな場面での発表を経験してきましたが、時計の指導に関する内容での発表は初めてでした。説明不足であった内容もあり、反省しています。次回から、反省を生かしていきたいと思います。
 大学院に入った16年前から、小学校の学級での授業を通して、実践を行ってきました。担任の先生のアドバイスを受けながら、改良を重ねて様々な教材を作ってきました。今回のセミナーでは、多くのご意見をいただきましたので、今後の教材開発に生かしたいと思います。講師である私が、「学び合う学び」をさせていただきました。ありがとうございました。

〇参加された方からの振り返りを紹介します。
◆今日のセミナーで重要だと思ったことは、時計の学習を通しての子どもの認知です。
時計の指導を通して、子どものわからなさの根幹を探る指導法について、様々な観点から紹介していただけた、とても勉強になりました。一つのテーマでとことん追求することの大切さも実感できました。工夫された教具は、とても価値のある物だと思います。ぜひ、多くの学校へ紹介していただけると、困っておられる先生方の支援になると思います。
◆時間の流れ(量的な捉え)と時刻の違い。そこを区別して教えなければ、時間という概念が獲得できない。
それを現場では、時刻を通して時間を教えようとする傾向がある。自分がどうやって時間という概念を獲得したのかは、おぼえてはいないが、こうやって問い直してみると、人間は複雑な思考をすることができる存在だということをあらためて知らされる気がする。
楽しい時間でした。ありがとうございました。

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2023年度セミナー予定が決まりました。

2023年度学び合う学び研究所セミナーの予定が決まりました。

小・中・高・大学みんなで共に学びましょう。
 ● 毎月土曜日に月例セミナーを13:30〜15:30に実施します。
 ● 2023年度より、継続講座1⃣〜4⃣を新設しました。
  同じテーマで、複数回継続し、じっくり学び合います。
 会場:愛知文教大学の教室を使用します。

 ◆詳しくは、配布文章をご覧ください。

<参加申し込み>
 学び合う学び研究所ホームページ: 行事予定 Googleフォームから。
 4月から、申し込みが可能になります。

■ 後 援 ■
愛知県教育委員会・名古屋市教育委員会・小牧市教育委員会・春日井市教育委員会・岩倉市教育委員会・犬山市教育委員会・豊明市教育委員会・北名古屋市教育委員会・ 豊山町教育委員会・清須市教育委員会・江南市教育委員会・みよし市教育委員会

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2月18日(土)13:30より第11回セミナーを実施しました。

 2月18日(土)13:30〜15:30に第11回セミナーを愛知文教大学 ABUラウンジにおいて実施しました。講師には、東海学園大学教授 水野 正朗先生をお招きし「対話による深い学びの実現」をテーマに行いました。
 
 水野先生より挨拶をいただきセミナーは以下の流れで進みました。
 1.参加者自己紹介(アイスブレイキング)
 2.問題の背景
 3.深い学びとは何かを問い直そう
 4.深い学びを導き出す工夫
 <休憩>
 5.演習その1
 6.「師問児答」から「児問児答」へ
 7.集団思考の3つのプロセス
 8.クロージング

1.グループによる自己紹介

2.問題の背景
 アンケート“勉強は好きですか?”の結果より、なんと、好きな学生が0%
 アンケート“学ぶことは好きですか?”の結果より、60%以上が好き
 アンケート“学習意欲損失要因”の確認
 □グループワークをしても皆同じような意見で発展的な内容にまで行き着かない。
 □たまのグループワークも、討論みたいなことはなかった。
 □学校では形ばかりのグループワークばかり。
 □議論することを楽しめるような授業作りができたらいい。
 □社会に出たときに必要となる資質や能力を養う機会となる時間を、何となく行う時間にしてはならない。
 □落ちこぼれ・浮きこぼれ・学びからの逃走がどうして生じてしまうのか?
 □対話の重要性 (柳沢幸雄:対話の重要性)と(池上彰:なぜ今思考力が必要なのか)の中から、短文の紹介があり、グループによる聴き合いを実施

3.深い学びとは何かを問い直そう
 深い学びとは何かを問い直そうという機運は、盛り上がっているでしょうか?「いる」「いない」について、グループで聴き合いました。
 □そもそも(深い学び)とは何でしょうか?
 □どうすれば(深い学び)になるでしょうか?
 水野先生が、今話題のChatGPTで(深い学び)を検索した結果から、3つの回答が紹介され、改めて深い学びについて考えてみました。

4.深い学びを導き出す工夫を  北尾倫彦2020(深い学びの科学)より
 どんな対策を使うと(精緻化:学び方の方略)を進めることができるのか?を問いに、個人で考えた後に、グループで考えを共有しました。
 その後、北尾先生が提唱されている(精緻化:学びの方略)についての説明を受けました。
 “主体性を支えるものは”“メタ認知”とは何?
 “他律内発的動機つけ”を問いに、グループで聴き合う。
 “学習困難の支援には”どんな工夫があるか?
 知識の考え方として(死んだ知識)(系統化された知識構造)アハ体験による(生きた知識:網の目構造)を生み出すについて考えました。
 グループ活動の中で、知識の意味についての対話することにより、新しい知識を生み出す学びになってゆく。

 <休憩 10分>

5.前半の講義を受けて、演習 高等学校国語科教材<羅生門>を読む
 あらすじの確認 → 下人の男が老婆の服を剥ぎ取り、蹴飛ばし夜の底へ駆け下りていく場面についてグループで聴き合いました。
 会場全体では、直喩としての(松の木片のように勢いよく燃え上がり)について、各グループでだされた解釈を聴き合いました。
 下人が悪を憎む気持ちが、燃え盛る松明の勢いで表現されている。そして、わずかな時間で炎は衰えたように悪を憎む心は消え、下人は生きるために悪を選んでいく。こうした場面の解釈に、多様性が生まれ、生徒たちが、深く学んでいくことになる。今回の全体共有においても、同様の体験をすることができました。この体験から“精緻化”とはどういうことかについて学ぶ機会となりました。

6.クロージング
 全国学習状況調査の考察の中には、(自分たちで課題を立てその解決に取り組みグループなどで話し合いながら整理し発表するなどの学習活動)に取り組んだと答えた子どもは、そうでない子どもたちよりも学力が向上しているという結果がグラフにより示された。この結果は現行の学習指導要領に大きな影響を与えている。
 また、斎藤喜博の“ねりあげ授業”に見られる文化的スクリプトにも、個人の課題からはじまり全員で課題をつくり、学びを焦点化し知識をつなげる学びになっていた。
 だから、(師問児答)から(児問児答)へ向けていく必要があり、集団思考の3つのプロセス(知る わかる)(つながる)(深まる)を活用して、授業デザインに落とし込む実践や形成的評価シートの紹介を受けてセミナーを閉じました。

 参加された方からの振り返りを紹介します。
◆今日のセミナーで学習した中で重要だと思ったことは、精緻化です。
 主体的な学び、対話による学びは、現場でも盛んに取り上げられ、研修も行われていますが、深い学びについては可視化が難しく、あまり追究されていないのが現状だと思います。深い学びに向かうためのキーワードとして、本日は“精緻化”という言葉を学びました。様々な知識が網目状につながり、より詳しく理解されていく過程で、認知的に深い学びにつながっていくと理解しました。また、“他律内発的動機づけ”も興味深い言葉でした。新しい知見に触れることで、深い学びに近づけるような気がしてきました。有意義な時間をありがとうございました。
◆今日のセミナーで学習した中で重要だと思ったことは、深い学びです。
 本日はありがとうございました。 深い学びとは何かが未だに難しく、どうしていけばいいのかわからないことが多いのですが、今日のセミナーで、対話の重要性、思考力との接続、精緻化について学ぶことができました。今まで感覚的に行っていたことを、理論的に説明していただけたような気がします。先生方との話し合いを通して自分の考えを深めることができました。今日教えていただいたことを今後は意識的・意図的に授業などに生かしていきたいと思いました。ありがとうございました。


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2022年度 第2回 学び合う学び研究所 フェロー会議を開催しました。

2023年2月18日(土)12:00より、愛知文教大学ABUラウンジにおいて、学び合う学び研究所 フェロー会議を行いました。参加者は以下のとおりです。
シニアフェロー: 的場正美、副島 孝(柴田好章:公務のため欠席)
フ ェ ロ ー: 倉知雪春、後藤孝文、神戸和敏、木村芳博、林 文通、松村美奈、竹中 烈 、内田吉哉、(栗木智美、中川行弘:公務のため欠席)
事 務 局  :中島淑子所長、永井勝彦事務長

1.所長あいさつ
2.4月より、シニアフェローにご就任いただく、名古屋大学名誉教授 的場正美先生 よりご挨拶をいただきました。
3.フェロー自己紹介
4.議 事 
 1⃣学び合う学び研究所 2023年度 活動基本方針について
 2⃣活動への意見交流、
 3⃣その他
 以上、ご意見をいただき、承認されました。
5.その他
  連絡事項

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1月21日(土)13:30より第10回セミナーを実施しました。

 1月21日(土)13:30〜15:30に第10回セミナーを愛知文教大学 ABUラウンジにおいて実施しました。講師には、学び合う学び研究所フェロー 林 文通 先生、ゲスト実践者として、小牧市立岩崎中学校 山田 祐未先生をお招きし「学びを楽しむ授業づくり・学校づくり」をテーマに行いました。

 セミナーは以下の流れで進みました。
授業から学ぶ
 guest teacher :山田祐未先生
 *グループで何をしたいのか
  −休憩
 *授業をデザインする
学校づくりで大切にしたいこと

1.はじめに
 林先生の自己紹介として、昨年4月より、名古屋大学 大学院(高度 専門職業人養成 コース)で 教育方法学を学び始めた経験を踏まえながら、リカレント教育について話していただきました。
 続いて、参加者の自己紹介
グループ内で自己紹介
今年頑張ってみたいことの共有

2.授業から学ぶ
□グループでの学びについて、
 大学生が「グループ活動」についてどう感じているかの紹介
□授業ビデオ 中学2年生「言葉と向き合う 短歌を味わう」
 短歌:「観覧車 回れよ回れ 想い出は 君には一日 我には一生」
 授業実践者からのコメントを聞き ビデオを視 聴
□ビデオを見て、どんなことを感じたのか、グループで交流
□全体共有
・分からないことを共有している、その関係性、ケアについて学ぶことができた。
・グループの聴き合う言葉が「こうじゃない?」など、確かめ合いになっている。
・グループの聴き合いがあったから、全体での共有で深まりが生まれた。
・学習課題とグループ活動がどうかかわっていたのか。短歌を味わうために、4コマ漫画をつかった。表現と話し合いの関係があった。そもそも漫画をはさむ必要があったのか。
・ディベートとはちがい、グループでの話し合いで友だちの考えが否定されていない。
□授業者に聞いてみる
「グループで何をしたかったのか? 」「グループの様子をどうとらえたか?」の2点について語ってもらいました。
・フロアーからの質問として「生徒はグループの中で漫画をどう扱っていたのか」「授業者はこの短歌をどう解釈されていたのか」「4コマ漫画は生徒にとってかなりハードルが高いのでは」などが出され、山田先生よりそれぞれコメントがありました。
□林先生より「ペア・グループ学習」についての考えを語っていただきました。
  
  ― 休 憩 ―

□授業をデザインする
 授業者は途中、短歌の中の「君」を人に限定することを決断しました。後半の授業ビデオを視聴し、授業がどう変わったかを考えました。
□ビデオを見て、どんなことを感じたのか、グループで交流
□全体共有
・人に限定したことで、その人の表情や考えを捉えやすくなり、読みにつながった。
・限定したことと同時に、音読が学びを変えた。
・先生が限定しなくても、110のS10が「なんだか重たい感じ」と発言しているが、その発言の扱いで、「どうしてそう感じたのか」を訊ねていくことで、方向転換していけた。
・音読することで生まれる生徒の変化には驚かされる。イメージ化はどんどん進んでいく。
□林先生からのコメント:授業者は、生徒の反応をみて、その場で授業をデザインする必要がある。その難しさを強く感じる。
□山田先生のコメント :授業は生徒同士で進んでいくといいと思っている。人に限定することで、生徒が進めやすくなると思い決断した。もともと限定するつもりはなかった。セミナー参加者の交流を聴き、生徒の中からそのきっかけがあったことに気づいた。

3.学校づくりについて
 林先生が校長の経験から得た「学校づくり」について語ってもらいました。
□初めて教師になった時、困ったことは何ですか?
□それを、どうやって解決するの?
□教師はどうやって「教師」になるのか?ダン・ローティ「スクールティーチャー」より
□初日から「先生」と呼ばれる
□これからの未来ある若手教師を、どうやって育てていくか考えていますか?
 その仕組みは学校にありますか?
□教師の特性 教師の本音は、個人主義に陥りやすい
□授業研究・研究協議で教師を育てよう
□授業づくりは学校づくり

 参加された方からの振り返りを紹介します。
◆本校で一度見せていただいた授業でした。時間を空けて、もう一度ふり返る中で、改めて、授業の奥深さと楽しさを実感しました。
・自分の予想や考えとは全然違う考えが出てくる。
・グループ学習ではなく、一斉学習だったら、様々な考えはでない??
・グループにする前に、個人で考える時間を入れたらどうなるのか?
・「音読」の後に、生徒の意見が変わった。確かに!!
・人か観覧車以外にも、親子って考えることができる!
 生徒の意見を「聴く」とは、やっぱり大事!ありがとうございました。
◆授業づくりは学校づくり、学校づくりは市民づくり、どういう市民になってほしいかを願い、教科の力を借りて育む必要性があると改めて思いました。
授業からは教材研究、児童理解、音読の価値、グループ交流の価値について、振りかえり吟味する時間になりました。

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学び合う学び研究所 第12回セミナーのご案内

 学び合う学び研究所 第12回セミナーを3月11日(土)13:30〜15:30に開催します。
会 場:愛知文教大学 ABUラウンジ
テーマ:わかることの意味を考える
講 師:学び合う学び研究所 所長 中島 淑子 先生    
申 込:学び合う学び研究所ホームページ 行事予定 3月予定GOOGLE フォームより
<セミナー内容>
 本セミナーでは、アナログ時計の指導法について考えていきます。
 小学校1年生の算数では、時計の読み方を学習します。苦手な子どもたちが多い内容です。ネットにも、時計の読めない成人の悩みが寄せられています。短針が連続量を表していることが、理解できないことの理由だと考えています。時計の歴史を考え、砂時計等を利用して、アナログ時計の理解ができるような指導法を、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。

<スクールバス利用のお知らせ>
 公共交通機関をご利用の方に、スクールバス(JR高蔵寺駅発13:00一便のみ)を準備しました。乗り場案内も添付いたします。ご利用ください。
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12月3日(土)13:30より第9回セミナーを実施しました。

 12月3日(土) 13:30〜15:30に第9回セミナーを愛知文教大学201教室において実施しました。講師には、学び合う学び研究所フェロー 内田 吉哉 先生をお招きし「身近な暮らしの歴史を学ぶ ―江戸時代の尾張のお酒事情―」をテーマに行いました。
 内田先生は、午前中に小牧市の「愛知文教大学連携市民講座『尾張年中行事絵抄』に見る尾張名古屋の暮らし」の講師を務められ、午後、本セミナーを担当されました。

 セミナーの内容は以下のとおりです。
1.はじめに
(1)江戸時代の「普通の暮らし」はどのようであったのか?
 ・磯田道史『武士の家計簿 「加賀藩御算用者」 の幕末維新』 (新潮新書、2003年)
 ・笹井さゆり 「江戸時代のちいさな話」から紹介されました。
(2)尾張地域ならではの特徴はあったのか?
 ・近世後期に書かれた『尾張名所図会』の挿絵から昔の暮らしを考える

2.「尾張名所図会」とは
(1)ベストセラーになった「名所図会」シリーズ
 ・名所図会とは?= 名所・旧跡などを、 絵画をまじえて紹介する通俗地誌
『都名所図会』(安永9年〔1780〕 刊行)=京都の名所旧跡を解説からはじまり、続いて江戸、摂津、大和、河内、など刊行
(2)「尾張名所図会」とは
 ・著者=野口道直(名古屋の町人)・岡田啓 絵師=小田切春江(尾張藩の絵師)が担当し、天保12年(1841) に原稿が完成し、全編の刊行に70年間を要した。
(3)「尾張名所図会」に描かれた尾張の「見どこと」
 ・(観光スポットとして)城、寺社、祭礼、 史跡
 名古屋城、 熱田神宮、 津島天王祭、 桶狭間古戦場など
 ・(ショッピングガイドとして)有名な店、地域の名産、街の賑わい
 伊藤呉服店、 大丸屋店、 風月堂、 沢庵漬、 熱田神宮一の鳥居、 熱田の浜夕上がり魚市など
 ・尾張でおこった珍事件
 享保14年(1729) 象の到来、享保20年 (1735)アシカ捕獲

3.「尾張名所図会」に見られる酒宴、飲酒と酒造
 酒・飲酒・酒造に関する挿絵は、合計 21件確認できました。
 ・それぞれ「伝承」「料亭」「茶屋」 「屋内」 「屋外」 「酒造」 と分類できます。
(1)伝承
 ・「加藤清正石引の図」、「秀吉公貧賤の時お寧々の方と婚礼の図」など
(2)料亭
 ・「酔雪楼遊宴の図」 (名古屋市中区)・「築地楼上の遊興」(名古屋市熱田区)・「得宜楼」 (津島市)
(3)茶屋
 ・「七寺境内の茶屋 池面の夏景」 (名古屋市中区大須 長福寺)「岩塚駅」(名古屋市中村区岩塚町)
(4)屋内
  「安楽寺本尊に魚を供養する図」(愛知県知多郡南知多町)
(5)屋外
 ・「堀川日置橋より両岸の桜花を望む図」(名古屋市中区)・「山吹谷」(名古屋市東区飯田町)・「東山の春興」 (名古屋市瑞穂区)・「虫供養」 (知多半島一帯)「筏川の南涯桃林春興の図」(愛知県弥富市)「龍淵」(愛知県瀬戸市)
(6)酒造
 ・「神明太一宮 井出神社 銘酒千代鶴店」(愛知県岩倉市)
 「当郡東西の諸浦酒造家多し何れも江戸へ運送す」 (愛知県半田市か)
 以上、尾張名所図会の挿絵を見ながら、具体的な解説を聴くことができました。

4.「尾張名所図会」に見られる酒器
(1)近世において日本酒はどのように飲まれていたか?
 ・『三養雑記』
 延喜式内膳司の土熬鍋は、今のかん鍋にて、上古よりその器もあれど、煖酒は重陽
の宴より、あたためて用ゆるよし、一條兼良公の御説のよし、温古日録に見えたり。
 ・ルイス・フロイス 『ヨーロッパ文化と日本文化』
われわれの間では葡萄酒を冷やす。 日本では、〔酒を〕飲む時、ほとんど一年中それを暖める。
(2)『尾張名所図会』 に描かれた酒を燗する様子
 ・『守貞謾稿』
 チロリ 銅製 京坂ニテタンポトモ云/近世チロリニテ湯燗セシ也
 近世銚子専ラ小形也 チロリニテ燗シテコレニ移ス也
(3)『守貞謾稿』に見る飲酒文化 (江戸風と上方風の違い)
 ・京坂今モ式正略及ビ料理屋娼家トモニ必ラズ銚子ヲ用ヒ燗陶ヲ用フルハ稀也。
 ・江戸近年式正ニノミ銚子ヲ用ヒ略ニハ燗徳利ヲ用フ。
 上方は、チロリで暖め銚子で供し、江戸は徳利を用いていたことが読み取れた。
(4)『尾張名所図会』に見る銚子と燗徳利
 ・描かれている燗酒は、チロリを使用していることが読み取れる。そのことから尾張は、関西域に入るのでは?しかし、津島の料亭では、銚子と徳利の両方で燗酒を供している。

5.「尾張名所図会」に描かれた寿司
(1)近世後期の 「すし」 はどのようであったか?
『守貞謾稿』
 三都トモ押鮓也シガ江戸ハイツ此ヨリ歟押タル筥鮓廃シ握り鮓ノミトナル筥鮓ノ廃セシハ五六十年以来漸クニ廃スト也
 又因、 文政中大坂道頓堀戎橋南二江戸ノ握り鮨ヲ学ヒ製シール今ニ至リテ此戸アリ。 天保中尾ノ名古屋ニモ伝製之ヲ開ク。
 当時、尾張では「押しずし」を食べていたことが分かりました。
(2)『尾張名所図会』 では、どのようなすしが描かれるか?
 ・「天王寺片端試楽」 (那古野神社 名古屋市中区丸の内)の挿絵では、「早すし」の文字を読み取ることができます。
『嬉遊笑覧』
 早鮓といふも一夜ずしなり、料理物語、一夜ずしの仕様、鮎の鮓を苞に入、焼火にあぶりておもしをつよくかくる、又は柱に巻つけてしめたるもよし、一夜にてなるといへり、此外塩魚、干魚等を漬ること、雍州府志などに見えたり

6.意見交流会
〇いわゆる、教科書に載っているような歴史ではなく、もう少し踏み込んだ内容で学んでいくことができれば、子どもたちの歴史学習が、暗記するだけのつまらないものではなく、おもしろく学ぶことができることを知ることができた。今日のセミナーでは、当時の出版物の「普通の暮らし」から、歴史的な事実を学ぶことができた。
〇私の住んでいるところでは、中嶋砦の戦いがあった。その地域では、伝承として「あの場所は、処刑場があったから家が建たないよ」とか「ここは、堀があったよ」などの伝承があり、実際に祖父からよく聞かされた。こうした、その地域に残された史実の伝承は、社会科の学びを豊かなものにすることを、改めて本日思い返した。小学校や中学校の社会科の教師は、本日学ばせていただいた史料の読み取りのような視点が重要だと感じました。

参加された方からの振り返りを紹介します。
◆尾張名所図会という、図が中心だが、あくまでも名所案内が目的の史料から、尾張地方で日本酒(お酒)がどのように飲まれていたかを明らかにする手法が新鮮でした。
もっと細かい史料が見つかれば、もっと詳細な考察ができるということでもあります。本来の目的に合致した史料が、そんなに運良く見つかるものではありません。それでも、ある史料をどう使うかで、新たな知見が生まれることがあります。
小牧市資料研究員会の坂下会長(応時中校長)に参加していただいたことで、小牧市の郷土史研究が、これまでの先行研究資料の解説にとどまらない、新しいステージに立てればと期待しています。

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学び合う学び研究所 第11回セミナーのご案内

 学び合う学び研究所 第11回セミナーを2月18日(土)13:30〜15:30に開催します。
会 場:愛知文教大学 ABUラウンジ
テーマ:対話による深い学びの実現
講 師:東海学園大学 教授 水野 正朗 先生    
申 込:学び合う学び研究所ホームページ 行事予定 2月予定GOOGLE フォームより
<セミナー内容>
 「協同」や「探究」にもとづく知識創発型の授業(深い学び・わくわくする学び)をどのようにデザインし、どのように促進していくかについて、理論と実践の両面から考えます。
 対話の大切さは誰もが知っています。でも、実際はあたりさわりのない発言や表面的な意見の出し合いで終わりがちではないでしょか。
教材内容の表面的理解からもう一歩進んで、お互いの理解を深め、ともに創造を生み出すような深い対話の実現をめざしましょう。

<スクールバス利用のお知らせ>
 公共交通機関をご利用の方に、スクールバス(JR高蔵寺駅発13:00一便のみ)を準備しました。乗り場案内も添付いたします。ご利用ください。
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学び合う学び研究所 第10回セミナーのご案内

 学び合う学び研究所 第10回セミナーを1月21日(土)13:30〜15:30に開催します。
会 場:愛知文教大学 ABUラウンジ
テーマ:学びを楽しむ授業づくり・学校づくり
講 師:学び合う学び研究所 フェロー  林  文通 先生
    ゲスト実践者小牧市立岩崎中学校 山田 祐未先生
申 込:学び合う学び研究所ホームページ 行事予定 1月予定GOOGLE フォームより
<セミナー内容>
 学び合う学びの実践をするうえで、グループの活用をどうするのかは大きな課題です。実際のグループ活動の様子を、映像を通して観察し、その役割についてみなさんで考えたいと思います。セミナーには、授業を提供していただいた小牧市立岩崎中学校の山田祐未先生をゲストとして迎え、グループ活動の様子から、授業をどうデザインしていったかを一緒に考えていきます。(授業:中学2年国語「言葉と向き合う 短歌を味わう」)
 後半は、教師を育てるという視点から、授業研究(校内研修)の在り方を考えたいと思います。働き方改革の中で、教師の学びの時間の確保は厳しくなっているのが現状です。学校づくりの一環としての授業研究について、みなさんと考える場を提供できたら幸いです。
<スクールバス利用のお知らせ>
 公共交通機関をご利用の方に、スクールバス(JR高蔵寺駅発13:00一便のみ)を準備しました。乗り場案内も添付いたします。ご利用ください。
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11月12日(土)13:30より第8回セミナーを実施しました。

  11月12日(土)13:30〜15:30に第8回セミナーを愛知文教大学ABUラウンジにおいて実施しました。講師には、学び合う学び研究所フェロー 松村 美奈先生をお招きし「現代につながる江戸時代の教育事情」をテーマに行いました。
 松村先生の専門は江戸時代の文学です。さらに中・高等学校での教員経験があります。そうした立ち位置から、今回のセミナーの目的を「江戸時代の文学に描かれている、その時代の学びを見ていくことから、現代の教育へのヒントを考えたい」と話されました。
 まず、「江戸の教育力」大石2007より、江戸時代のキーワードとして、「文書なしでは成り立たない社会へと発展した」と確認されました。江戸時代の教育は、儒学を学ぶ武士については、多くの研究者により研究が進められている。ところが、江戸時代中期以降、寺子屋の発達から、庶民の教育が全国に普及してきたことが、残された書籍の分析から明らかになったと話され、セミナーがはじまりました。大学近隣の小牧市、春日井市にも当時の寺子屋に関する資料が残っているとの紹介がありました。

1.庶民の教育
(1) 百姓伝記(三河国豪農の農書)1680より
(2) 社会的変化のニーズによる、読み書きが求められる時代
(3) 海外からの見た日本人の学び
  ポルトガル人宣教師「日本覚書」・「日本巡察記」より
  オランダ人東インド会社船の料理人「日本大王国志」より
(4) 江戸文学が教科書に掲載されない理由と「学び」の記述
  井原西鶴「西鶴織留」には、学びに関する記述を読みとることができる
(5) 元禄時代の寺子屋が社会的存在として認められていた。
(6) 出版文化の発達(写本から大量印刷へ)本が広域へ広がる
  木版印刷の彫師が1ページ彫るのに一日半かかったが給料は?
  売れ筋の本は? ➡ 往来物=寺子屋の教科書

(7) 草双紙「寺子短歌」の挿絵を見てみよう(グループワーク10分)

6つのグループに寺子短歌の場面が配布され、何が書かれているかを読み解いていく。

休  憩

(8) グループの学びを共有する
 各項に描かれた情景の読み解きについて発表を聴き、寺子屋短歌を一冊の本としての内容を共有しました。学び合いからわかったことは、意外にも自由で闊達や子どもたちの様子を知ることができました。

2.寺子屋について
(1) 「寺子屋」という語について
1⃣「俚言集覧」(寛政)に「寺子屋」「手習師匠」の記述が残っている
2⃣ 貝原益軒「和俗童子訓」(宝暦)に「文字を知らざれば用をなさず」の記述が残っている。
3⃣ 湯浅常山「文会雑記」(江戸中期)「退屈なきようにさすること、第一のことなり」と書かれており、現在の教師が「どっきり」するような記述が残されている。
4⃣ 江村北海「授業偏」には、家庭教育の記述があり、「旅の土産には本を購入した。お年玉は本に限る」など、家庭における本の価値が見える記述が残っている。
5⃣ 滝沢馬琴(読本作家)は生活のために寺子屋を経営していた。
6⃣ 師匠との関係は、個人的な関係だった。
7⃣ 寺子屋の学習は、「教え込み型」➡「滲みこみ型」であった。
8⃣ 指導方法は、「教え込む」➡「教えない」教育法であったようだ。
9⃣ 江戸時代の本質的な価値 ➡「文字・知識教育+非文字教育(横断・統括)」
🔟 教育の目的 ➡「子どもを一人前にすること」

3.往来物=教科書として使っていた
 〇手習いの手本として(書くため)
 〇読書用のテキスト=素読(読むため)
 「往来」の用語=そもそも、庶民が文字学習をするのに、手紙の往来(往信と返信)が不自由なくできるところから生まれた。江戸時代の往来物は約7000種類もあるという。

 松村先生のコレクション(往来物)に直接触れる機会を与えていただきました。
グループに数冊の400年前の実物(木版印刷された和本)が配布され、手に取ることができました。

 〇書き言葉による共通の文字文化の成立によって、近代国民国家が成立するための文化的前提となった。
往来物の分類
 〇「世話字往来」(安永)とは、幼少期の礼儀作法の心得を説いた。
 〇「風月用文章」(寛永)とは、四季の行事や風物を題材とする。
 〇「増字消息往来」(安永)とは、手紙の別称で、家庭生活全般の用語集
 〇「商売往来」(元禄)とは、商取引の記録、生活関係語彙集としての役割も。

4.まとめ
江戸前期   ➡大量印刷出版の到来から、文字社会の成立
江戸中・後期 ➡享保の改革により教育にも改革が
        地域・身分を超えて国家規模で寺子屋が展開
       ➡庶民自身の主体的に学ぶ姿勢の獲得
       ➡往来物の拡充 ➡教育力の推進、知的基盤形成
 松村先生のお話の中で、「現在の『学び』に画一化されて息苦しさを感じることがあるが、江戸の学びには、『純粋に学びたい、知りたい』という子どもたちの動機が大切にされている。江戸時代の学びに、教育の大切な原点を見た。」との言葉が印象に残りました。

参加された方からの振り返りを紹介します。
◆セミナーの中で重要だと思ったことは「学びには『学びたい』という純粋な動機が必要」です。寺子屋の成り立ちを通して、日本が諸外国と比較して文字文化の色合いが強い理由がわかった気がしました。武士だけに限らず庶民にまで文字を読むことが広まることで、文字(出版物)を通して、様々な文化や習わし、あるいはマナーやマニュアルが浸透していったことが、今日の日本人特有の気質といわれている「ルールを守る」「礼儀を重んじる」「他人に親切」などにつながっていったのではないかと考えました。また、庶民が読み書きだけでなく教養として芸術的分野まで習うことができたのは、江戸時代が平和で安定していたからこそ成り立つものであり、いまさらながら徳川時代の功績の大きさに驚かされました。松村先生、たくさんの学びをありがとうございました🔟
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学び合う学び研究所 第9回セミナーのご案内

 学び合う学び研究所 第9回セミナーを12月3日(土)13:30〜15:30に開催します。
会 場:愛知文教大学 ABUラウンジ
テーマ:身近な暮らしの歴史を学ぶ ―江戸時代の尾張のお酒事情―
講 師:学び合う学び研究所 フェロー 内田 吉哉 先生    
申 込:学び合う学び研究所ホームページ 行事予定 12月予定GOOGLE フォームより
<セミナー内容>
歴史を学んでいく上で、政治や経済の動きは教科書にも詳しく記されるものの、例えば日常の飲食の様子など、普通の人々の暮らしがどうだったのかは、あまりわかりません。ましてや地域ごとの特色となると、一層むずかしくなります。
本セミナーでは、江戸時代後期に書かれた『尾張名所図会』という本をもとに、江戸時代の尾張地域における食文化、とりわけお酒がどのように飲まれていたのかを取り上げます。『尾張名所図会』は江戸時代に流行した「名所図会もの」と呼ばれる本の一つで、地域の名所や旧跡を絵入りで紹介した、いわば観光ガイドのような本です。名所図会の挿絵に描かれた、何気ない日常の風景を抽出し、身近な暮らしの歴史について考えます。
<スクールバス利用のお知らせ>
 公共交通機関をご利用の方に、スクールバス(JR高蔵寺駅発13:00一便のみ)を準備しました。乗り場案内も添付いたします。ご利用ください。
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10月22日(土)13:30より第7回セミナーを実施しました。

 10月22日(土)13:30より第7回セミナーを実施しました。
講師として、愛知淑徳大学の加藤 智先生をお迎えして、探究が創る新たな学び「総合的な学習(探究)について」をテーマに行いました。

 今回のセミナーには、京都、大阪から参加いただいた方をはじめ、本大学の学生から退職された先生まで、多様で幅広い19名の方による学び合いとなりました。中には、参加された方の同伴(小学生)がワークショップに加わり、和やかな雰囲気のセミナーとなりました。
 まずは、「どんな思いで参加をしたのか」を含めた自己紹介によるアイスブレーキングができました。
 加藤先生の自己紹介があり、セミナーがはじまりました。最初に、総合的な学習(探究)においては「各教科の見方・考え方を総動員する」ことの大切さが語られました。
 冒頭の自己紹介に「中学校での総合的な学習の時間をどうしたらいいのか」との問いがだされました。その問いに応える形で、埼玉県の小規模中学校における学年を縦割りにした「ゼミ形式」での学びが紹介されました。1年生が先輩である3年生から学んでいる魅力的な実践の紹介でした。

1.なぜ、今「総合的な学習(探究)の時間」が必要なのか
 VUCAについて
 これからの教育を「電車型」教育➡「自動車型」教育
 「教える」授業 「育む」教育(知的欲求)
 若者の意識調査(日本の若者の実態)
 探究・探究的な学習(実社会や実生活の中から問いを見つけ出す)

2.変わる高校教育 キーワードは「探究」
 広島県立三原高等学校の実践「やらされる」探究⇔「自ら進む」探究
プロジェクト型(関連4分野)による実践
その中で、三原テレビ局や地元の方がかかわる「高校生が作る『三原PR動画』」の作品と、担当高校生のコメントの紹介

宮崎県立飯野高等学校(全国から生徒が集まる学校)の実際
 EduAに紹介された「地域の過疎化の課題解決に関する学び」が大学入試の総合型選抜でも評価されている例

 東海道の宿場を小学生が案内する歴史ツアー
 仙台の小学生がバスガイドするツアー

 文科省「今、求められる力を高める総合的な学習の時間の展開」に掲載されている指導事例の紹介。

3.「全国学力・学習状況調査」から
 児童生徒質問紙の学び方で「自分で課題を立てて情報を集めて整理して、調べたことを発表する学習活動に取り組む」子どもたちは、明らかに高い学力の傾向を示している。

4.「横断的・総合的な課題(現代的な諸課題)」と「SDGsの目標」との関連について
 現代的な諸課題や探究課題(学習対象)に取り組んでいくことは、SDGsを学んでいることになっている。しかし、SDGsを学ぶことが先行することには危険であるとの考え方が示されました。
 それは、課題の設定に問題があり、理想の姿と現実の状況の間に「問題状況」があり、その改善のために自分の課題を設定するプロセスがないからとの指摘があった。

考えるための技法と思考ツールの紹介
 「思考ツール」は思考を可視化することで、道具のように「考えるための技法」を意図的に使えるようにするためのもの

ピラミッドチャートの具体的な実践「旅行の行き先を決めよう」

休憩

5.ワークショップ「ウェビングから探究的な学習をつくる」
 参加者が6グループに分かれ、テーマを決めウェビングをする。ウェビングで見えてきた広がりを「課題」「情報」「整理・分析」「まとめ」の視点から、4色の付箋に記入し、付箋を並べながら、課題➡情報➡整理・分析➡まとめの「探究」の流れをつくる。この探究の流れを複数サイクル実施できることが理想である。
 本日、無作為に集まったグループメンバーにより、「テーマ」を決めウェビングがはじまりました。20分の活動後、6グループからの特色のあるテーマから導き出されたユニークなストーリーの発表・共有ができました。

 今回のセミナーでは、課題の設定には、子どもたちから生まれた気づきや問いを積み上げていくことの大切さを学びました。それが子どもたちの探究につながる事実の発見がありました。
 
参加された方からの振り返りを紹介します。
◆ セミナーの学びで重要だと思ったことは、探究学習の重要性です。
グループでのワークショップが有意義でした。グループの方から思いの他難しい課題が設定されたのですが、そのおかげで新しい発見に繋がりました。付け加えると、高い課題の重要性についても再確認できたと思います。
◆ 総合的な学習(探究)についての知見や最新の情報をわかりやすくご説明いただきました。今求められている「これからの教育」「『育む』授業」は学び合う学び研究所の理念に沿う内容でもあり、あらためて総合(探究)の時間の重要性を確認することができました。「理想の姿」を見えるようにすることがポイントと感じました。
SDGsとの関連性や考えるための技法と思考ツールもわかりやすく教えていただき、今後の仕事に活かすことができそうです。
 ワークショップでは若手の現職の先生とベテランの先生方が一緒に「学校づくり」をテーマに考えたり、意見を出し合ったりすることができ楽しかったです。
ご多用の加藤先生にはお越しいただき、お話を伺うことができたいへん有益でした。総合や探究の時間をどのように活用するかで、学校の魅力が大きく変わるように感じました。ありがとうございました。

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9月10日(土)13:30より第6回セミナーを実施しました。

 9月10日(土)13:30〜15:30に第6回セミナーを愛知文教大学ABUラウンジにおいて実施しました。講師には犬山市立犬山中学校 教諭 安形直樹 先生、岐阜聖徳学園大学教授 玉置 崇 先生をお招きし「深い学びの実現を社会科から考える」をテーマに行いました。

 新学期が始まったばかりのこの時期でしたが、37名と大変多くの方にご参加いただきました。犬山中学校では、令和2・3年にわたり研究され、昨年10月に発表されました。研究を通した学校づくりと現在の授業研究について学ぶことができました。
 最初に、安形先生の自己紹介をかねて、1年生の地理分野「南アメリカ州 開発を優先すべきか、環境保護を優先すべきか」の短い動画を視聴し、グループで共有しました。生徒が立ったままで白熱した討論をしている場面でした。参加者からの意見を受けた後、安形先生からは「この動画は、授業後数分経った生徒の様子です」との説明を受け、授業時間をこえてまで聴き合う生徒の様子に驚きを感じながらのスタートになりました。
1.研修スケジュール
(1)犬山中の研究について
(2)深い学びについて
(3)模擬授業
(4)社会科の授業動画の視聴&生徒の振り返りなどの紹介
休 憩
(5)玉置先生からのコメント

2.研修内容
(1)犬山中学校の研究について、安形先生より発表がありました。
a. 「自ら考え、判断し、決定し、行動する生徒の育成」〜生徒の考え、変容を大切にした授業改善を通して〜 2021.10.29
b. なぜ変わらなければいけないのだろうか?
c. 授業の在り方も変わることが求められる
d. 本校の現状は?
e. 各教科の共通理念・共通の手だて
f. 研究構想図・社会科の各論
g. 高めたい教師の力量とは?
h. 教科部会・教科主任会の実施
i. 小学校の学び方をつなぐ
j. 各教科からの実践報告の作成(子どもの姿で語る) ➡ 手立ての共有・生徒の変容の共通理解
k. 研究推進における3ポイント
 〇全生徒・全職員の向上的変容 〇教科・学年・校種の壁を超える 
 〇新しい学校文化の形成
●ここで、玉置先生のコーディネートにより、犬山中学校の「教科部会」について、会場へのインタビューになりました。以前、犬山中で勤務した先生から「以前は、いろんな教科の先生が学ぶため、授業研究を学年部会で進めていた」それに対して、現在、犬山中の先生から「毎週、教科主任会が時間割に設定され、他の教科ではどんな取り組みが行われているかを共有できた」と発言された。玉置先生からの「なぜ、教科主任会を持ったのか?」という質問に対して、安形先生から「教科を横につなぐため」そして「研究構想図を、各教科でどう具現化したか」とありました。さらに追加質問として「各教科のエピソードはありましたか?」に対して、例えば「英語科の実践報告をつくることによって、生徒の具体的な変容が確認できた」と紹介されました。

<各グループでの聴き合い>

■質問「教科主任社会では、どんな話題をどんな方法で行っているのか」➡「自分がやったのは、こうしてくださいではなく、こうしたいですが、どう考えますかと意見をもらった。理念を共有してきました。」
■犬山中の先生「安形先生の提案について、みんなが意見を言いながら、研究の方向を決めていった。そうした言いやすい雰囲気が、今までの学校と違うところです」別の先生からは「研究というと、提案授業を見て、協議し指導を受けて終わりでしたが、犬山中では実践報告をつくり、共有することで、自分の授業をふり返ることができ、研究を継続できたと感じている」
■安形先生から「研究することで人間関係が悪くならなかったことが嬉しかった。本校の校長通信では「教師同士の関係性がいいと、生徒の学びがよくなる」と示されましたが、その通りでした。」と紹介がありました。
■校長先生からは「この研究は、教科理論を大切にしようとはじめました。各教科でどんな授業をしようか、どんな子供を育てたいかを明確にして、授業改善に取り組みなした。研究の柱が2つあり、それを受けた各教科に「手立て」を任せましたが、なかなか明確にならなかった。そうした内容の見直しを教科主任会で検討してもらった。本校の学校経営は『主体性と創造性』をキーワードで進めてきた。生徒会が中心となり校則を見直したり、研究発表当日の提案授業以外の教室は、先生がいなくても、生徒が自分たちで課題を見つけて学びを続けていたりしました。」と紹介がありました。

 玉置先生のコーディネートによる学び合いでは、生徒が主体となり学び続ける犬山中学校の学校づくりを具体的に知ることができました。

(2)深い学びについて、安形先生より発表がありました。
 1⃣「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実
 2⃣社会科の授業で心掛けていること
 3⃣見方カード・思考ツール
 4⃣模擬授業 単元をつらぬく課題「信長、秀吉、家康の中で、誰が一番優れた武将だろうか」 参加者を生徒に見立てての授業がはじまりました。
 〇「問い」何に注目したら、この課題を解決できそうですか?
 〇「見方カード」「思考ツール」レーダーチャートを活用した生徒ノートの紹介
 「振り返りキー」7つのキーによる生徒の振り返りの紹介
 30分程度の模擬授業を受けながら、生徒の残した振り返りなどの紹介を受けて、
   <感想交流>
   <休 憩>5分
 5⃣動画の視聴(信長側への反論する場面)6分
 生徒の学び合う様子、先生の居方、生徒の振り返りについて解説しながらの視聴でした。

(3) 玉置先生のコメント
 1⃣学びたい犬山中学校の7つの姿を紹介
 2⃣犬山中学校の生徒の姿を映像と解説を交えた紹介
  振り返りの価値を語る生徒
  ICTを活用して振り返る生徒
  自ら聴き、解決しようとする生徒
  個に応じて支援する教師
  主体的な活動をタブレットに録画し、自己評価する生徒
  対話でつなぐことで、お互いに評価する生徒たち
 こうした姿は、犬山中の先生方が日ごろから指導をした結果であり、生徒の姿に価値づけを行っているからであると述べられました。
 3⃣「深い学び」と「見方考え方」について
 4⃣「見方・考え方」を玉置流に「今日の授業で、一生覚えておくとよいことがら」と定義され、小学校算数の「長さ」「角度」「面積」を例に説明されました。子どもたちは、教師の教材研究を学び越えてくることがあり、その学びの意味をどうとらえるか。深い学びをつくり出す教師の専門性が問われる場面の紹介がありました。

 本日のセミナーを振り返り、犬山中の研究推進と安形先生の授業づくりにむけた強い思いから多くを学ぶことができたと感じました。

参加された方からの振り返りを紹介します。
◆模擬授業や子どもたちの様子を見せていただき、子どもたちが楽しく、自ら学んでいると感じました。
課題設定も子どもたちのことを考えてされているように思いました。
今まで、「見方・考え方」について授業の中で深く考えられていなかったので、これからは子どもに何を学ばせたいか、どうなってもらいたいかを考えた上で授業に取り組んでいきたいと思いました。ありがとうございました。
◆今日のセミナーで学習した中で重要だと思ったことは「すべての生徒の学びを保証するために、深い学びの実現を目指す犬山中学校の取り組みについて学べたこと」です。
犬山中学校の取り組み、社会科での実践、玉置先生のお話と、大変勉強になりました。あっという間の2時間でした。ありがとうございました。すべての生徒の学びを保証するための、主体的で深い学びを実現するために、学校全体で研究をすすめている犬山中学校の取り組みは、とても素晴らしいなと率直に思いました。社会科の実践も大変参考になりました。特に、見方、考え方を重視した取り組みは、自分はなんとなくでしか取り組めていないので、勉強になりました。自分の授業創りを再度見直していきたいです。

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学び合う学び研究所 第8回セミナーのご案内

 学び合う学び研究所 第8回セミナーを11月12日(土)13:30〜15:30に開催します。
会 場:愛知文教大学 ABUラウンジ
テーマ:現代につながる江戸時代の教育事情
講 師:学び合う学び研究所 フェロー 松村 美奈 先生    
申 込:学び合う学び研究所ホームページ 行事予定 11月予定GOOGLE フォームより
<セミナー内容> 
 今から400年以上前の江戸時代に、庶民はどんなことを、どのように学んでいたのでしょうか。当時の日本では、それぞれの地域で独自の寺子屋教育の広がりがみられ、残された資料等から教師と生徒との関係が浮かび上がってきます。
 本講座では、社会全体に芽生えた庶民の学びへの向き合い方や文字文化の広がりについて概観してみたいと思います。講座当日には、江戸時代の版本の挿絵を見ていただいたり、当時出版されていた教科書(往来物)や教訓書などを実際に手に取っていただこうと考えています。実物から醸し出される学びの力を感じていただき、現代における学びのヒントにしていただければ幸いです。

<スクールバス利用のお知らせ>
 公共交通機関をご利用の方に、スクールバス(JR高蔵寺駅発13:00一便のみ)を準備しました。乗り場案内も添付いたします。ご利用ください。
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学び合う学び研究所 第7回セミナーのご案内

 学び合う学び研究所 第7回セミナーを10月22日(土) 13:30〜15:30に開催します。
会場:愛知文教大学 ABUラウンジ
テーマ:探究が創る新たな学び「総合的な学習(探究)について」
講 師:愛知淑徳大学  准教授 加藤 智 先生    
申 込:学び合う学び研究所ホームページ 行事予定 10月予定GOOGLE フォームより

<セミナー内容> 
 前半では、文部科学省初等中等教育局教育課程課 教科調査官としての幅広い知見をもとに、総合的な学習(探究)の時間に、探究が求められる背景、探究の意義や価値、学校(小中高)における探究の実際のお話を伺います。
後半では、ワークショップとして、総合的な学習(探究)の時間の教材開発を学び合いたいと思います。

<スクールバス利用のお知らせ>
 公共交通機関をご利用の方に、スクールバス(JR高蔵寺駅発13:00一便のみ)を準備しました。乗り場案内も添付いたします。ご利用ください。
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8月6日(土)13:30より第5回セミナーを実施しました。

 第5回セミナー(8月6日(土) 13:30〜15:30)を愛知文教大学 ABUラウンジにおいて、岩倉市教育委員会教育長 野木森 広先生、岩倉市立南部中学校 横山 雄大先生により「数学における学び合う学びの授業実践から学ぶ」をテーマとして実施しました。

 BA.5対策強化宣言が発出される中でしたが、31名の方に申込みいただきました。一部、体調不良による欠席がありましたが、講師も含め30名の方による学び合いができました。岩倉市では、複数年にわたる学び合いによる授業研究が続けられ、岩倉南部中学校はパイロット校の一つであります。有尾校長先生、柴田先生にもご参加いただき会がはじまりました。

1 岩倉南部中学校の現職教育について 
 教務主任の柴田 健治先生より説明いただきました。
〇岩南中研究グランドデザインについて
〇南中スタイルの授業のポイント(四つの学びの作法の徹底)
本年度は、「聴く・つなぐ・もどす」の三つの教師の役割の中で、「もどす」を中心に研究を進めている
〇マイプラン(1⃣教科の指導理念2⃣共有課題の設定3⃣ジャンプ課題の設定)による授業構想の作成

2 数学の授業実践紹介
 横山先生からは、マイプランを提示しながら、単元を通して大切にした点、さらに教師の姿勢として以下の3点を提示されました。
〇用語はおさえるが、例題を解いたり、解き方を伝えたりしない。
〇授業課題は、共有課題・ジャンプ課題ですすめる。
〇班活動を軸に、生徒の疑問を生徒が解決する。班で解決できないことを「お悩み相談会」として、学級で話し合い、もう一度、班に戻すという授業で行っている。

 授業動画の視聴  課題「連立方程式9/11」

 視聴後、横山先生が現在、「授業づくりで悩んでいること」を以下の3点に提示された
〇既習内容を復習すべきか
〇班内の「みんな見てあげて」など声掛けのタイミング
〇Jumpの課題(次の課題)を先に提示しない方がよかったか。

3 グループ協議会(15分)  
 視聴した動画と授業者の課題について、4人グループでリフレクションを行いました。

4 全体交流会    
<各グループで得た学びを共有>
●「わからない」といえる教室であり、わかったふりをしない生徒が多い。各グループにいるわからない生徒へ教師は一つ一つ対応できないため、教師が、そうした状態にモデルを示すことで、各グループに戻すことができるのでは。
●各生徒の分からなさに対して全て復習することはできない。そう考えると、お悩み相談の場が有効。声掛けは、グループの状況に応じた内容とタイミングが必要。次の課題の提示は、ワクワク感を大切にするため、タイミングを考えたい。
●声掛けは「わからない子発信」を大切に、教師がつなぐことが大切ではないか。
●「わからない」ことを自分から言える。わかる子が一方的に教えるのではなく、要請を受けて教えることを大切にしたい。
●学び方の四つの作法について、作法ができている生徒を大きく評価することで、他の生徒に広げることが大切。各教科のマイプランにジャンプ課題が示されていることが素晴らしい。
●課題について、何を学ばせたいかを明確にし、生徒の学びを集中させたい。教師が思考させたい点をしっかりと持つことが大切だと考える。班の全員が課題について自分の言葉で説明できるような、グループの学びに厳しさが必要ではないか。
●「わからない」が言える雰囲気づくり、環境が大切。グループの中で、共有課題をしている生徒とジャンプ課題をしている生徒が混在していた。理解の遅い生徒が、先に進んでいる生徒に教えてといえる風土が大切ではないか。
●「わからない」といえる状況づくり、声掛けのタイミングについても、「わからない」と言えることが関係している。共有とジャンプの課題の質の違いを意識する必要がある。
 以上、各グループでの学びが活発に共有されました。

5 コメント
 岩倉市教育委員会教育長 野木森 広先生より、実践発表と発表を受けた学び合いについてコメントをいただきました。
 まず、2018年10月に行われた研究発表会に、愛知教育大学特任教授の立場で参加された感想を「生徒が知をひらき、自分の言葉で表現する姿から、一人ひとりの学びを保障している授業に誇らしさを感じた」と感動をもって紹介されました。

さらに研究理念を共有するため、以下の4点が紹介されました。
1⃣すべての生徒の学ぶ権利を保障する
2⃣すべての生徒に向上的変容を約束する
3⃣仲間と支え合いながら、安心して学べる環境を準備する
4⃣すべての職員が参加し、自らの能力を開花させることができる研究を目指す

 全員参加のための方策として、思考レベルの参加であることが確認されている
「探求」「創造」「協働」の言葉が定義されていることの確認
具体的な生徒の姿として、4項目の「学びの作法」で示している。
「自ら仲間の力を借りる」  「分かったふりをしない」
「さりげない手を差し伸べる」「最後まで知り捨てない」

■これまでお話した研究理念について、グループで共有してください。5分
<グループの学びを全体で共有>
●この理念は、探究することで、最初から分かっている答えではなく、未知のものへ向かって授業し、どの子も「今日は学んでよかったな」と思えることではないかなと感じました。
●他市から異動し、学び合いについて、何をしているかよくわからなかった。しかし、ここに掲げられたような理念を理解することで、最近はすっきりしている。最近は若い先生が増え、形だけやっているように感じることがある。改めて、この理念の大切さを感じた。
●学ぶことの本質を研究したいなと思ってきた。そして、長く続く研究をやりたいなと感じています。南中の歴史から考えて、生徒たちの学びを何とか変えたいとの思いから、この理念をつくり研究してきた。

具体的な方策
〇授業研究のシステム化
〇生徒参画(学習委員会)の作成した短期目標の掲示
〇主体的・対話的で深い学びの実現のための取り組み

横山実践に学ぶ
〇あるグループの学びへのコメント(グループ内のコミュニケーションについて)
〇実証主義の学習 ⇔ 構成主義の学習
〇これからの学びは「資質・能力」を育成する必要がある。
〇「結果」重視 ➡「過程」重視(思考力)
第一の学習モードと第二の学習モード(Gregory Bateson)
中国・銀海小学校4年の筆算 共有問題とジャンプ課題
ヴィゴツキーの発達の最近接領域
教師のリフレクションの三段階
研究発表時のリフレクションの紹介
教師の専門性を問い直す
岩倉市授業デザイン研究会による「学びひたる子ども」
岩倉市 教師の学び場(チームズ)
 
6 岩倉南部中学校校長 有尾 幸市先生 あいさつ
 貴重な場を提供していただき、ありがとうございました。今日のセミナーに参加をして、改めて感じたこととして、未だに「わからない」ということを言い出せない生徒がいるということです。次の世代に研究を引き継ぐものとして大切していきたい。

 本日のセミナーを振り返り、岩倉市と小牧市の先生方が交流できたことに大きな意味があると感じています。今後、他市町の交流を実現していけるように進めていきたいと感じました。

参加された方からの振り返りを紹介します。
◆今日のセミナーで学習した中で重要だと思ったことは「学び合う学びの主役は、児童生徒であり、分からないことが学びを深いものとすること」です。
 とても雰囲気のよい学級での授業を観ることができ良かった。授業者から出された「課題」は、授業者として非常に的確で、学び合う学びの根本を知るのに役立つものでした。
野木森教育長のお話も、様々な観点からの話で、新たな発見や興味・関心を抱かせる内容で大変良かったと感じています。授業実践から学ぶ機会を与えていただき、感謝しています。岩倉の先生方、ありがとうございました。
◆今日のセミナーで学習した中で重要だと思ったことは「依存できる力と依存できる環境作り」です。
提案者の横山先生が、最後に3つの悩み/迷いを話されたことが良かったと思います。「復習のタイミング」、「声かけのタイミング」、「ジャンプ課題の提示のタイミング」について。この3点についてグループで話す中で、学び合う学びの理念について再度確認することができました。そして、その理念について、言葉で整然とまとめることの善し悪しについて考えさせられました。
 近年、学校が若返り(言葉は良いですが)、教育技術の継承が問題点の一つになっているのではと感じています。学び合う学びについても、理念が分からないまま、そのスタイルだけが一人歩きしているのではと感じることがあります。これから学び合いを始めようとする先生方には、その理念が整然とまとめられたものがあれば納得して実践できると思います。一方で、その理念が字面だけのものになってしまうと、いわゆるHow to本になってしまいます。だからこそ、共同・協働することの大切さを改めて感じました。上手に働き方改革を進めながら、学び合いの継承が進む文化を根付かせたいと思いました。

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学び合う学び研究所 第6回セミナーのご案内

 学び合う学び研究所 第6回セミナーを9月10日(土) 13:30〜15:30に開催します。
会場:愛知文教大学 ABUラウンジ
テーマ:深い学びの実現を社会科から考える
講 師:実践発表者  犬山市立犬山中学校 教諭 安形 直樹 先生
   :コメンテーター 岐阜聖徳学園大学  教授 玉置  崇 先生    
申 込:学び合う学び研究所ホームページ 行事予定 9月予定GOOGLE フォームより
<セミナー内容> 
 安形先生からは、単元をつらぬく課題に対して、社会的な「見方・考え方」を働かせながら、知識を相互に関連付けて、級友の考えを参考にしながら、生徒一人一人が納得解・最適解を導き出す授業実践を発表します。深い学びができたと考察する生徒の振り返りも紹介していただき、フロアーで学び合いたいと思います。
 犬山中学校のアドバイザーをつとめる玉置 崇先生からは、犬山中学校の授業研究を通した学校改革の取り組みについてコメントしていただきます。

<スクールバス利用のお知らせ>
 公共交通機関をご利用の方に、スクールバス(JR高蔵寺駅発13:00一便のみ)を準備しました。乗り場案内も添付いたします。ご利用ください。

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学び合う学び研究所 第5回セミナーのご案内

 学び合う学び研究所 第5回セミナーを8月6日(土) 13:30〜15:30に開催します。
会場:愛知文教大学 ABUラウンジ
テーマ:数学における学び合う学びの授業実践から学ぶ
講 師:コメンテーター 岩倉市教育委員会 教育長 野木森 広 先生
   :実践発表者   岩倉市立南部中学校    横山 雄大 先生     
申 込:学び合う学び研究所ホームページ 行事予定 8月予定GOOGLE フォームより
<セミナー内容>                                      
 岩倉市立南部中学校では、2015年よりスーパーバイザー倉知雪春先生を招き「学び合い」の授業研究に取り組できた。その実践は、岩倉市内に広がりを見せている。本年度の研究主題は「知をひらく」とし、生徒を独りにしない授業を基盤として「探究・協働・創造」の3つの柱を設定した授業デザインを工夫している。そうした取り組みの中から数学の授業について発表していただき、参加者で学び合いたいと思います。
 その後、岩倉市教育長の野木森 広先生をコメンテーターに迎え、岩倉市の現状や本セミナーの学びについてコメントしていただきます。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

<スクールバス利用のお知らせ>
 公共交通機関をご利用の方に、スクールバス(JR高蔵寺駅発13:00一便のみ)を準備しました。乗り場案内も添付いたします。ご利用ください。
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配布文書

愛知文教大学 学び合う学び研究所
〒485-0802
住所:小牧市大草5969-3
TEL:0568-68-6161