最新更新日:2024/12/19
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2024年度のセミナーを募集しております。多くの皆様のご参加をお待ちしております。2025年1月の学習講座の申し込みができます。右「行事予定」のバナーからGoogleフォームで申し込みをお願いします。

10月19日(土)13:30より第5回月例授業研究セミナーを実施しました。

 10月19日(土) 13:30〜15:30に、201教室において実施しました。
 授業者に小牧市立桃ケ丘小学校の河合大地先生、コメンテーターとして学び合う学び研究所フェローの木村芳博先生をお迎えして「学び合う体育科の学び」をテーマに行いました。

 今回は、対面で9名、Zoom参加1名の申し込みをいただき、授業者も含め12名の方により、授業づくりの工夫について学び合いを深めることができました。スケジュールは以下の通りです。

第1部 授業実践から学ぶ
 〇 授業者より
 〇 講師より
 〇 ビデオ視聴
− 休 憩 − 
第2部 リフレクション
 〇 グループでリフレクション
 〇 全体で学びを共有する
 〇 講師からのリフレクション
 〇 授業者からのリフレクション

第1部 授業実践から学ぶ
〇 河合先生から、今日の授業について
 本日の課題「プレルボール」はネット型のゲームの一つで、子どもたちの実態に合わせ、本来のルールである、ボールを「打ち付ける・叩きつける」ということでバレーボールより取り組みやすいゲームである。そこで、本時では、バレーボールに近づけたルールに変更して実践した。コロナ感染のため欠席が多くあり本来のグループと異なる3人で進めていきました。

〇 木村先生から、今日の授業について
 河合先生は、新任を小牧市内の中学校の体育教師としてスタートされ、桃ケ丘小へ転任されて、現在4年目です。
河合先生が今までに実践されたマット運動や跳び箱、タグラグビーの授業風景をとおして「すべての子どもが目標を達成できる」を追求する授業に挑戦されていることが紹介されました。
 本日の実践では「相手が取りにくいボールを返そう」をねらいとして実践されました。

〇 ビデオ視聴(45分)

− 休 憩 − 

第2部 リフレクション
〇 テーブルでの共有を全体で共有しよう(10分)

〇 全体で学びを共有する
< ◎ファシリテーター木村先生  ●河合先生  □参加者 >
◎ それでは、グループでの聴き合いを全体に広げたいと思います。どうでしょうか。
□ 質問いいですか。今回の実践では、「攻める」ことに中心をおいた授業でした。次の授業では「守る」ことについて実践されたのでしょうか。
◎ 河合先生どうですか。
● やりませんでした。結局、どんどんゲームを進めていきました。
□ ネット型のゲームでは、ボールを落とす、落とさせないという攻防のおもしろさが学びの中心になると思いますが、今回は攻守の両面にわたって考えていくということは出ていなかったのかと感じました。
□ 12番の教師の発言で、「相手が取りにくいということは、逆に言うと、自分たちも取りにくいボールということだよね」という言葉が気になっていました。やはり、先生ご自身が攻防を意識させたいのかなと思いました。それが、子どもの学びに現れていたのが、27の児童の発言で、「斜めにやるとちょっと点を取りやすい」がでて、その後のゲームで、斜めに打って点が取れた。相手からも同じ攻撃を受けたが、そのチームは落下地点まで走り込みレシーブできた。こうした場面を、どうして取れたのかを全体で取り上げてやるとおもしろい学びになったように感じます。
□ ソフトバレーボールでも子どもにとって技術的に難しいところがある。しかし、今回は子どもたち全員がボールに触っている授業であった。さらに、全員がボールに触れやすくするために、ポジションを変化させるようなルールを工夫することでより、ネット型の学びとして、得意不得意がでやすいので、全員が学ぶことができる工夫が必要であった。
□ ホワイトボードや磁石を準備して、運動を言語化できる手立てがあり、支援があった。
● バウンドの回数を中心とした運動の学びにするために、ネットを低くしました。それが、逆にブロックができない問題を生みました。ブロックは攻撃的な守備ですが、それができない。プレーはしやすいが、ブロックからの攻撃ができないのが課題ですね。
□ ゲームそのものが楽しいのでよかった。作戦会議が3回あった。アタックだけでなく守備があるとよかった。30番で確認したことを、あえて隣どうして確認する時間を保障する。同じように、フェイントを36番で確認したが、「他に工夫したことはないかな」と子どもたちに尋ねると、新たな学びが生まれたように感じました。
● 36番の子どもは、テニスでやっているようなことを、後々一人時間差のようなフェイントができるようになるといいなと見ていました。
◎ 今のところにかかわって他にどうですか。
□ 子どもたちは、攻めることが楽しいのですが、ネットの高さがないと守りはなかなか難しいなと感じました。たまたまやったらうまくいったというのではなく、教師の注目のさせ方で変わってくるように感じました。
● バトミントンネット120cmのネットでやっていたのですが、思ったところへ返球できないという問題があるので、今回は、ネットを下げてこうした授業になりました。
◎ 他にどうですか。
□ この競技は練習しなくてもできる。低学年でボールを投げる力をつけたいと思った。高学年でこうした学びの姿になるという目標になると感じました。
□ 3人のチームでするゲームだから、かかわっていく必要があるのでよかった。
□ 技術の向上で、審判をやっているグループがあると、他のチームの動きをじっくりと観察でき学ぶことができる。

〇 木村先生のリフレクション
 体育の学びを高める3つの条件
 1 運動量  準備運動、種目の活動、整理運動の活動量
 2 運動知  他者の観察や意見の交流、共有で得られる知識
 3 運動能  小集団や実践ゲームで身につける技能
 1から2で学び合いが生まれ、3で技能を習得するという授業構造がありました。
 本日の授業では、作戦タイムで、運動知を共有し学び合うことができており、一人ひとりが技能を身につけてきた。こうした活動をとして、上の授業構造を実践していたといえると思いました。最後の振り返りでも、いい言葉に出会っていました。
 本時では、以下の3つ学びが成立していたと考えています。
 1 保障 すべての子どもがボールに触れる学び
 2 共有 仲間と対話し、協力して活動する学び
 3 探究 課題を設定し、実践して追究する学び
 
〇 河合先生のリフレクション
 いつも、授業研究でお世話になっている先生方に、私一人の授業を検討していただき幸せに思っています。ネット型の授業で大切にしなければいけないことを学 ぶことができました。例えば「あの子どもはなぜボールを取ることができたのか」を立ち止まる。そして、他の子どもへつなげることの大切さを確認できました。体育の授業で、今抱えている課題について考え、次の授業で実践してみたいことが見つかりました。ありがとうございました。

参加された方からの振り返りを紹介します。
◆本日のセミナーで学んだ中で重要だと思ったことは、体育に対し、得意だと思っている児童・苦手だと思っている児童、それぞれいるが、どの子も運動をしたいと思えるようにして、運動量を確保できる授業を行うことです。
私自身、今回の授業を近くで参観をし、勉強させていただきましたが、今回の授業を見てほかの方々がどのように思われるのかを知りたくてセミナーに参観しました。自分では気づかなかった視点からの考えを聴くことで、授業への見方を深めることができました。


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11月セミナーのご案内です。

11月セミナー
2024年11月16日(土) 13:30〜15:30
会 場  愛知文教大学 201教室
テーマ 「NEXT GIGAと授業づくり」
講 師 学び合う学び研究所フェロー  神戸和敏先生

 第6回の授業づくり11月のセミナーでは、「NEXT GIGAと授業づくり」について、参加者の皆さんと共有し考えていきたいと思います。
 前半では、学力学習状況調査の結果からの分析を通して、NEXT GIGAでどんな授業づくりが必要かを探ります。
 後半では、自由進度学習・複線型授業が個別最適な学びとの関係で話題になっている中、学び合う学びはどんな授業づくりが求められていくのかを探り、語り合いたいと思います。皆さんの参加をお待ちしております。
 申込は学び合う学び研究所ホームページ行事予定11月予定GOOGLE フォームよりお願いします。
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9月21日(土)13:30より第5回 講師招聘セミナーを実施しました。

 9月21日(土) 13:30〜15:30に、201教室において実施しました。
 授業者に蒲郡市立蒲郡東部小学校の大浦 彩先生、講師に愛知東邦大学の丹下悠史先生を迎え(子どもが自らの価値観を語る道徳授業)をテーマに行いました。

 今回は、対面で13名、ZOOM参加1名の申し込みをいただき、授業者も含め16名の方により、正解のない問いを自分ごとにする授業づくりの工夫について学び合いを深めることができました。スケジュールは以下の通りです。

第1部 授業実践から学ぶ
 〇 今日の授業について
 〇 ビデオ視聴、授業記録の読み合い
 〇 グループ協議
− 休 憩 − 
第2部 リフレクション
 〇 全体で学びを共有する
 〇 講師からの自我関与に着目した分析
 〇 授業者の感想
 
第1部 授業実践から学ぶ
〇 丹下先生から、今日の授業について
 大浦先生の授業を拝見して、子どもたちが素の自分を出して話し合いをしているところに興味をもちました。私はもともと問題解決学習に興味があり、実際の社会問題について子どもたちが探究する中で、道徳的価値観が育っていくかに関心がありました。そこから、逆に伝統的な道徳の授業、架空の読み物資料を用いた授業の中で(人ごと)について話し合う中で、子どもたちは、自分の持っていた価値観を出し合って、どのように変容させていくのかを考えるようになりました。そうした関心から、本日は大浦先生の実践を紹介したいと思います。
〇 大浦先生から、今日の授業について
 本日は、こうした機会をいただき感謝しています。私自身は皆さんのリフレクションについて学びたいと思います。

〇 丹下先生から、実践のねらいと概要
 道徳教育における(自我関与)について
 道徳教育にかかわる評価等の在り方に関する専門家会議(2016)よりの紹介
 青木孝頼(1974)の提唱する授業展開の紹介(資料で、道徳的価値を教える)現在、教育現場では広く実施されている授業展開
 井上治郎(1974)の提唱する授業展開の紹介(資料を教える)登場人物の行為の是非を議論する授業展開
本実践では、井上の授業論をふまえ、手品師を主題の模範としての存在にするよりも、 自由に(物申す)ことで子どもの価値観が表出する議論の場として位置付けた。

 資料(手品師)のあらすじの確認

 本日のビデオ視聴は授業記録(文節4〜7)を視聴する
〇 大浦先生から授業について
当初、今回の資料(手品師)について、あまり得意ではないと思っていました。
(誠実)がテーマの資料ですが、自分自身の夢を犠牲にしてまでも、男の子との約束を 守ることが美談なのか、そもそもこの資料において(誠実)であるとはどのようなことか を考えてきました。
本時では他人にうそをつかないことと同時に、自分にとっても後悔しない選択だったのかを中心として授業をしましたが、授業後、これでよかったのかと迷っています。参加者みなさんの考えをお聞きし、学びたいです。

〇 ビデオ視聴(20分)

〇 テーブルでの共有を全体で共有しよう。

− 休 憩 −

第2部 リフレクション
< ◎ ファシリテーター丹下先生 ● 大浦先生 □ 参加者 >
◎ それでは、グループでの共有を全体に広げたいと思います。Aグループからどうでし ょうか。
□ 子どもは、手品師の行動について考えているが、Aさんの発言を見ると、手品師の行 動から離れないと、子どもの本音が出ないのではないか。例えば、子どもたちの会話に置 き換えると、話はもっと深いとことへ行ったのか。
◎ この資料に、手品師の行動を肯定的に見させようとする引力があるということでしょ うか。
□ 文節4、5で手品師の行動の場面で、子どもたちが道徳的な価値観を持って話し合っ ていた。
□ 子どもたちは、本当に自由に発言していた。236のAさん発言など247、260の発言などは、誠実を踏まえ、多様な発言があってつながりがあったのは、すばらしい。
□ 手品師が大人なので、子どもたちは本当に自分ごとになっていたのか。最近は、グループワークで行うことが多いが、一斉授業隊形だったのはどうだったのか。後半の発言は限られた子どもになった。この教材自体が、道徳のために書かれたもので、美談になっている。もっと考えが分かれ、揺さぶられるものを取り上げてほしい。
□ Aさんがキーパーソンかなと思いました。200の発言が気になった。自己アピールかな、自分が大事におもったのかなと気になりました。授業記録で発言がなかった子どもがどんな考えをもっていたのかが気になりました。
□ 今までのグループから出された論点に似通ったことを話し合いました。約束を守る。人一人の子どもの変容がどうだったのか。気になりました。Yさんの発言では、一貫していたが、 368 の発言で、手品師の発言に変化を感じました。話し合い全体の質の変容が気になりました。授業のはじめでは、約束をどう守るか。が中心であった。それが、約束を取るかチャンスを取るかの選択へ移っていった。184、187では、選択しなかったことの発言に重みがあった。後半は268 選択したことに発言に変わってきた。こうした、価値の葛藤の変容が教室全体として深まりおもしろかった。
◎ ZOOM参加者の方はどうですか。
□ 私は、教育実習で道徳をしたことがありますが、実際の授業ではこういう進め方をするということを学ぶことができました。子供の意見を大切にした授業だと思いました。手品師の夢を取るのか、約束を守るかを大切にした授業だったと感じました。
◎ 授業の進め方、一斉授業だったことが話題になりました。私も200の発言が気になっていましたが、文脈の理解ができていませんでした。大浦先生この発言はどんなものでしたか。
● この子どもは、こだわりが強い子どもです。板書に関しても、自分の意見が正確に書かれていないと気になるとことがあります。要因はいろいろありますが、私も考えています。
◎ 本時における(誠実)についてお話します。手品師の行為をどう思うかを話し合うことがすなわち(誠実)を考えることになるととらえています。むしろ、前半で(誠実)という言葉を意識させすぎると、子どもたちが手品師の行為を肯定的にとらえることから出られなくなるのではないかと、大浦先生との事前打ち合わせで確認しました。
● 今、振り返ってみれば、誠実に縛られすぎていたなと思っています。自分自身、この教材がしっくりこなかったことも要因でしょうか。
□ Aさんの295の発言で(えっでもさ その後とかさ 絶対後悔するやん)をきいて、296のRさんが(それな いっときゃよかったって その一瞬だけじゃん)をうけてAさんが(一瞬だけだよ)と共感する場面があるが、葛藤がうまれています。ここを他の子どもにつなぐとよかったと感じています。

〇 丹下先生から(児童の自我関与に着目した分析)
 子どもの価値観が発言の中でどう表れるかを、作品の解釈として(1作中の事実・出来事)(2登場人物の内面)(3仮定・想像)、解釈にもとづく価値判断として(4評価 〇〇は〜だと思うよ)(5自己置換 自分が〇〇なら〜する)の5つのカテゴリーによるモデル図としてとらえる。

各文節について、以上のカテゴリーで分析を行った。
第4文節では、手品師を(いい人)と評価している
第5文節では、男の子の心情と、それに寄り添う手品師に着目する発言が続出
第6文節では、手品師の心境をめぐる対立が起こる
第7文節では、手品師の判断の意味づけ・評価に、YさんとAさんは対立する。(裏切り)と意味づけるが、Yさんはそうではないと否定する。

 全体を通して、井上治郎の考え方に共感するのは、道徳の資料を読んだときに、子どもの解釈や判断の着地点を目的とせず、葛藤のそれぞれの選択肢が何を意味するかの意味が、だんだん豊かになっていくことにあります。その行為の意味に深い見通しが持てるようにする。自分とは異なった立場の子どもに反論し、話し合うことを通して、この価値の持っている意味や自分が撮らなかった選択肢の意味が深まっていくのがこの授業の特徴的な学びだったと考えています。

〇大浦先生のリフレクション
 振返ると、最近行った授業の中で一番うまくいかなかった授業でした。まず、教材に関して迷いがありました。発問では、はじめて(手品師をどう思う)としましたが、子どもたちの発言は多様になりました。冷静に見直すと、価値の葛藤が起きていたので、それらをもう少し広げていければよかったと感じています。
ただ、うれしかったのは、授業中に発言が一回もなかった子どもの振り返りに(やっぱり 言葉や約束には責任を持たないといけないことが分かりました)という記述があったことです。誠実について、こんなことを考えてくれていたことがうれしかったです。

参加された方からの振り返りを紹介します。
◆ 本日のセミナーで学んだ中で重要だと思ったことは、(資料で)教える、(資料を)教えることです。授業者が仰っていた、手品師の(方法に走らない)で(後悔するか)に焦点を当てるという考え方は、とても大切だと思いました。ビデオに出てくる子供たちの表情も良く、一所懸命自分の考えを発言していました。いろいろな考えが授業で表れることは、道徳の授業において大切なことだと思います。また、(後悔するか)と考えさせるような発問について授業者からの素晴らしいアイデアで、自分自身考えることができ良い学びになりました。
 道徳の授業の難しさを痛感させられました。ありがとうございました。

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