最新更新日:2024/12/19
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11月18日(土)13:30より栗木智美先生によるセミナーを実施しました。

 11月18日(土) 13:30〜15:30に、403教室において実施しました。
講師に学び合う学び研究所フェロー栗木智美先生をお招きし、「主体的・対話 的で深い学び」の実現に向けての第一歩を 〜学びの作法と教材研究の体験を通して一緒に考えましょう〜 をテーマに行いました。

 今日は、市内外の多くの小学校で運動会や学習発表会が実施された午後に、小中の先生方、研究者、学生と多様な立場の方が集いセミナーを行うことができました。

本日のスケジュールは下記の流れです。
第1部 学びの作法
 1 体験
 2 振り返り
  ― 休 憩 ―
第2部 教材研究と授業
 1 短歌の教材研究
 2 授業動画から考える

第1部 学びの作法
1 体験   ●栗木先生のコメント
 谷川俊太郎の詩「自己紹介」を読み味わい、それを受けて参加者が考えた自己紹介詩をグループで聴き合いました。
 1部では、学びの作法(マナー)について考えました。ルールではありません、作法・マナーです。そのことを考えるために、小学5年生が学ぶ「面積」のジャンプ問題に挑戦しました。√が使えない小学生がどのように考えていくか?かなり難しい課題です。グループで聴き合いますが、考える糸口が見つかりません。
● 「答えを出そうとして、体験してもらったわけではありません。今のグループで起きていた状況を客観的に見つめてください」といって、学びの様子をチェックする項目が示されました。
 〇四人で時間を平等に使えるように配慮しましたか?
 〇わからない、教えてと言えましたか?
 〇聞かれたら、答えを教えずに一緒に考えられましたか?
 〇仲間の考えを尊重し、自分と比べながら聴けましたか?
 〇仲間からすすんで考えをきき、学ぼうとしましたか?
 〇他の仲間を気遣い、声をかけられましたか?
 〇個のペースを大切にしましたか?
 〇一つの方法や考えで満足せず、さらに考えようとしましたか?
 栗木先生が今まで教室で生徒に示してきた「学びのマナー」の紹介があり、現在、栗木先生が教えてみえる中学校の2年生の二クラスの生徒が自分たちで作り上げた学びのマナーの紹介がりました。

2 振り返り  ●栗木先生のコメント □参加者のコメント
 ここまでの学びをグループで振り返る。数分のリフレクション後に全体で共有しました。
● 何か分からないことや気づきはありますか?
□ 誰一人も落とさないといいますよね。発達障害や支援が必要な子ども、学国にルーツのある子どもがいます。どういう手立てをしたらいいか、栗木先生はどうしていますか?
□ 指示をしたらどうするかを感じています。自分のクラスには、なかなかコミュニケーションが取れない発言もできず、よく絵に表現する子どもがいます。ですから、一人の世界に入ってしまう子供です。同じグループの子どもに、どう思うとか、言葉をかけてくれるように促しています。
● それを聴かれてどうですか?
□ ごめんなさい、他ごとを考えていました。(笑い)誰も独りにしないというのは難しく。外国籍を自分たちの仲間として引き受けることは子どもには大変難しい。学びのマナーをクラスで作ったが、やっている先生とそうでない先生がいるが、生徒は結構使い分けている。学校全体で共通するマナーはなかなか実現できないのが現実ですね。
● それを聴いてどうですか。
□ 生徒は先生ごとに、いろいろ使い分かるというのは、当然だと思いますね。学校全体としてどうあるべきかを考えることは大切にしていきたい。栗木先生のすごさは、子どもたちに話合わせてマナーを作りやっていること、最終的に学ぶのは生徒なのでいいことである。
□ 中学校でやっていると、生徒が作った「嫌なことはどんなこと」がいいなと思いました。小学校ではどんな様子ですか。
□ 小学校でも、子どもたちがうまくやっている。場によって臨機応変ですね。
● 本校は小中連携をしており、小学校の授業も見せて頂く機会があります。彼らが六年生の時も参観しました。その時の学びが素晴らしく、とてもよい学びの文化を築いていると思いました。よく、中学校と小学校は違うと言われます。でも、私はちょっと違い、彼らが築いてきた素敵な文化は中学校でも引き継ぐことが中学校の責務だと考えます。
入学してきた生徒へは「みんなの六年の時の授業を見せてもらって感動したよ。素晴らしい学びを身に付けてきたね。それはみんなの宝物だよ。」中学校ではさらに伸ばしていこうね。と言いっています。
□ 見せていただいたマナーは、一年間をかけて日々更新していくものですか?
● ルールでないというのはそのことですね。できないこともあるがマナーですから日々できるようになっていく。
● 最初の質問に戻りますが、支援の必要な子どもには、他の子どもからの支援につないでいます。心配だなと思う子どもには特にしています。しかし、その時々の子どもの様子によります。
□ 一年の最初、授業開きでマナーをつくられるが、栗木先生の最初の言葉かけはどんなことですか。
● 覚えがない。今年は、最初に何をやるかわかる?と子どもに呼びかけたら、生徒の方からマナーが出てきた。そこで、嫌なことややりたいこと何?と問いかけました。
1年生には、みんなが小学校でやってきた学びあいを教えて。こんなことが嬉しかったよ、とか逆にこういうのは嫌だなと思っていたとか、そこから、この一年の学びのマナーを作っていこうか。と話していたことを思い出します。

  ― 休 憩 ―

第2部 教材研究と授業
1 短歌の教材研究
 教材とは、教師が教える材だから、これからは、子どもが学ぶために学習材ではないか?
 最初に、学習指導要領ではどのように表現されているかを確認し、扱う学習材をいかに研究していくか、単元観には何を書くのかを説明されました。
栗木流の文学教材を図で示しながら話されました。
 〇 一個人としての視点(作品への愛情・価値)を見つけるため何度も読む
 〇 学習者としての視点(学習者としての戸惑い・躓き・発見)想像してみる
 〇 指導者としての視点 指導する方法を考えてみる
 参加者二人が音読をしてから、
以上の3視点を使い、与謝野晶子の歌「なにとなく君に待たるるここちして 出でし花野の夕月夜かな」をグループで研究しましょう。

グループ活動(教材研究)

2 授業動画から考える
 栗木先生の教材研究を明かさず、いきなり実際の授業動画を視聴し、発話記録をもとに生徒がどのように学びをすすめたかを読み解きました。

  ●:栗木先生のコメント □:参加者のコメント
● ご覧になった生徒の姿から感じられたことをグループで共有してください。
いかがですか。
□ 教師の読み方と違う生徒の読みに対して、自分だとなかなか勇気が出ないのですが、他の生徒へ「今の読みに寄添って」と発問できるのはすごいなと感じました。
● 君が弟との読みが出ることは予想ができていたが、晶子が鉄幹に出会う前の歌なので、読みに戻せば、違う読みが出るだろうという見込みはありました。私は君が鉄幹だろうと思っていました。「君に待たるる」は受身形なのですが、生徒からはなかなか出ませんでしたが、まあいいか。と正しい読みを期待していたわけではなく、あきらめて、生徒に委ねていました。
□ 授業記録の42:40の発言に「君が待っている気がする」がありましたが、そこまで栗木先生が待って見えたことで、教室の空気が変わった。素晴らしさを感じました。
● この生徒は、担任も気にかけていた生徒で涙腺が厚くなる思いでした。
□ 他の授業でも、何度も読みに戻るということで、新しい気づきが生まれている。人の読みを聴いてもう一度読みに戻すことは意味のあることだと感じ、新しいものが生まれることに感じ入りました。
● 教材研究したことが生徒の読みから出てこなくてもいいと感じている。生徒がこの歌を旅してくれたのかを大切にしている。毎回の教材研究はこんな感じですと、資料を見せていただくことができました。ある生徒が「外がただのコンクリートのところだったとしても、恋をしている気持ちで外へ出たら、どんな景色でもバラ色だよ」ということを言ってくれ、その時「はぁ」と感動しました。と話され「授業をするたびに、生徒の読みは教師を超えてくれます」と締めくくられました。

参加された方からの振り返りを紹介します。
◆今日の講座で学んだ中で重要だと思ったことは、教材研究の仕方です。
栗木先生ありがとうございました。国語の教員でもない私ですが、教材研究の仕方はとても参考になりました。素材と生徒と指導の3つをその時の生徒に合わせて組み立てること、これは指導案を作るときは、記述するので意識しますが、指導案を作らなくても意識することだと改めて思いました。その中に生徒が入ってくるからこそ、同じ単元でも授業の仕方は変わって当たり前だと思いました。どのような生徒を育てたいかを意識し、また、それをマナーという形で生徒と共有することで生徒とともに授業を作り上げることができると思いました。
◆今日の講座で学んだ中で重要だと思ったことは、学びのマナーは、子どもたち自身でつくりあげることが最も大切なことだとあらためて感じました。
詩を何度も読ませることで、子どもたちが色々なことに気づいていき、共有しながら詩を味わっていけることがよくわかりました。また、自分の授業では何度も読ませたり、話し合わせたりするなど、こちらがさせてしまっている場面が多いような気がしたので、子どもたちが主体的に教材や仲間と対話できる授業を考えていきたいと思いました。

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