最新更新日:2024/12/19
本日:count up6
昨日:6
総数:10959
2024年度のセミナーを募集しております。多くの皆様のご参加をお待ちしております。2025年1月の学習講座の申し込みができます。右「行事予定」のバナーからGoogleフォームで申し込みをお願いします。

10月28日(土)9:30より中島淑子先生によるセミナーを実施しました。

 10月28日(土)午前 9:30〜11:30に、201教室において実施しました。
講師に学び合う学び研究所長 中島淑子先生をお迎えして(身近な問題からはじめる教育実践論文の書き方)をテーマに行いました。

 今回の継続講座は、少人数で和気藹々な雰囲気の中、質疑を交わしながら実施できました。

第1部 わが人生の論文との出会い
□ 現職教員17年間のふりかえり
□ 教育実践論文の地位向上をめざして
  ― 休 憩 ―
第2部 個人研究と学校研究における大切なこと
□ 個人実践論文
□ 学校研究に想うこと

第1部 わが人生の論文との出会い 
□ 現職教員17年間のふりかえり
 私は教育実習での担当教諭から群馬県佐波郡島小学校の記録と出会いました。「実践を文章にまとめることが教師としての成長になる」このことが、論文人生の始まり。
 25歳:特別支援学級の実践を知多地区の論文応募に参加してみました。
 30歳:2年理科 ひまわり成長の跡についてまとめ応募。 
 39歳:5年理科 子どもたちの感想記録についてまとめました。この論文で、はじめて校内のある先生から指導(成果の検証が甘い)を受け、地区論文審査で特選を取りました。
 それまでは、教育実践論文は指導がされてきませんでした。
 また、学校研究・紀要についても、どこかの研究をまねて、積み重なってきたように感じるものが多いと感じ来ました。やはり、検証が甘いように感じます。
 大学に勤めるようになり、教育実践論文と学術論文の間に隔たりがあること感じてきました。
□ 教育実践論文の地位向上をめざして
 学術論文では、検証に数値を用いる論文が多い。
 教育方法学では、エピソード記述が中心となります。
 深い学びにおける検証はどうあるべきか?あまり研究されていません。
 例えば、子どもたちが授業で使用する主要語の出現率を分析して論文にまとめるケースもあります。
 
休 憩

第2部 個人研究と学校研究で大切なこと 〇:参加者の質問 ●:中島先生のコメント
□ 個人実践論文
〇中島先生は、どうして論文を書こうと思ったのですか。●最初に、特別支援学級で行っていた、ある子どもの1年間の成長について具体的な記録が残っていました。1年間に一つは創造的な仕事をしようと決め、それから論文を毎年書いてきました。
●実践をまとめて書く経験はありますか?
〇今、会社で毎週A4一枚の文章を書き社内ホームページに掲載し、80枚になりました。
●書くことで、振り返り、成長する。過去を覚えている。ということになりますね。
●哲学者が行っています。学術論文は検証できるものが多い。実践論文について言えば、例えば「金型を製作する工場では0.01ミリの違いを職人が極め、製品化している」こうした経験値が大切で、そうした部分はなかなか論文になっていない。
〇現場の先生は学術論文と実践論文のどちらを信じるのかな。
□ 学校研究に想うこと
●まず、テーマが大切で、具体的なもの(漢字が書ける子を)がいいですね。そして、テーマと検証がリンクしていることが大切です。論文の流れは、目的・方法・結果・考察となるが、目的には、目的0(個人の思いや願い)目的1(すべての生徒が意欲的に)目的2(今までどのように研究されてきたか)があり、特に、目的0を持つ必要があります。しかし、実際の論文には書きません。
●教育実践の向上をめざして、学べる集団になってほしい。
 教育方法学研究室は1950年代 重松先生が、教育の発展は、教育の科学化をめざすことであり、子どもの事実を語り、授業を検証する科学化を重視すべきと述べられました。
学校の授業研究会が一部の職員だけでなく、全職員の授業研究になるため、エビデンス(子どもの姿)をもとに語る授業検証の科学化が大切ということで締めくくられました。

参加された方からの振り返りを紹介します。
◆今日の講座で学んだ中で重要だと思ったことは、書くことは振り返ることであり、成長につながるということです。
「人が何かのものを書くのはそのものを見るためだ」とロビン・G・コリングウッドは語っている。見ることは書くことの中で経験として成長してゆく。見ている事物がどんなものであるかは、それを描いてしまうまでわからないと英国の哲学者は言う。教育現場で起きている事実を書きとめ、空間的に立体的に展開している子どもたちの事実を立ち止まって見つめることで、価値の認識がはじまる。今日の講座では、成果の検証が中心的なテーマとして語られた。教室で起きている貴重な実践を後世に残すためには、教育の科学化を目指す必要を強く感じました。ありがとうございました。
◆今日の講座で学んだ中で重要だと思ったことは、「文章でまとめる」こと。日々の実践・気づきをそのままにしないで、文章として記録するということです。
講師の先生の論文にまつわる経験を聴きながら、教育における論文の位置づけを知ることができました。教育の特殊性が論文にも表れていると感じました。教育の向上を目指すために、日々の経験や気づきを文章にまとめていくことからはじめ、そこにテーマ性を見出し、目的、方法、結果、考察とまとめ上げていくことが重要なことだと思いました。教育は、なかなか科学的に数値的表現が難しいが、教育の科学化を目指すことは忘れてはならないことだと思いました。
日頃、学校現場で感じているモヤモヤを文章に起こし、少しでも科学的に分析をしながら、記録していき、これからの教育のために少しでも役立つように取り組んでいきたいものです。また、会の中で、いろいろと話し合うことができ、とても有意義な時間となりました。受動的でなく、論議に参加していくことの重要性、楽しさも経験することができました。ありがとうございました。

画像1 画像1
画像2 画像2
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

配布文書

愛知文教大学 学び合う学び研究所
〒485-0802
住所:小牧市大草5969-3
TEL:0568-68-6161