最新更新日:2024/12/19 | |
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5月27日(土)13:30より第2回セミナーを実施しました。
5月27日(土)13:30〜15:30に、第2回セミナーを愛知文教大学201教室において実施しました。講師には、学び合う学び研究所フェロー 倉知 雪春先生、実践発表者に、みよし市立三好丘中学校学 佐々 祐資先生をお招きし、「全員が主体的に学びに向かう学校づくり・授業づくり」をテーマに行いました。
セミナーには、遠方からの参加者も含め29名の申し込みをいただき、以下の内容で進行しました。 1⃣ 研究実践についての提案 2⃣ 授業ビデオからの学び ― 休 憩 ― 3⃣ コミュニケーショントレーニング、環境整備から学ぶ 4⃣ 学校づくりの方略 1.研究実践についての提案 佐々先生より □ 研究主題設定の理由 成長や課題を自覚し、学びを探究する生徒の育成 □ めざす生徒像 学びに向かうために自分や相手の状況を理解できる生徒 分からないことを分かりたいことに変えて自分から授業に参加する生徒 仲間とともに協働的に活動しながら探り、究めることができる生徒 □ 研究の内容 研究仮説を「主体的・対話的な活動の中で、自覚と探究を繰り返しながら学ぶことで、生徒たちはともに学び合い、ともに学びを深めることができるだろう」として取り組み、「自覚」と「探究」のそれぞれについて授業づくりの手立てを以下の4点として実践した。 自 覚 探 究 〇めざす姿を知る自覚 〇思いや考えを表現するための探究 〇自分の姿を知る自覚 〇味わうための探究 〇自分の考えを持つ自覚 〇解明するための探究 〇視点を持つ自覚 〇技能が向上するための探究 更に、生徒の学びに向かう姿勢を支えるために「三好丘中スタンダード」を作成し、全校で実施してきた。 授業における生徒の活動は、「話し合う」ではなく「聴き合う」を大切にしながら、探究するためのジャンプ課題を設定しグループで協同し学び合っている。 単元を通して、見通しを持ち学び続けるために「振り返り」を毎時間実施している。 コミュニケーショントレーニング「Think&Talk」を生徒会や人権委員会の生徒が主導して、計画・実施・改善しており、日々の授業や振り返りに活かされている。 学びを自覚や探究へつなげるために、掲示物や学びの足跡を環境整備として研究してきた。その実際の掲示物が紹介された。 □ 研究の成果 生徒の変化として 自覚と探究を繰り返すことで ➡ 自分たちの力で学びに向かうになった 学びの振り返りの充実 ➡ 学びを見通す生徒が増えた 人間関係や掲示物を整えた ➡ 聴き合い支え合う関係が深まった □ 今後の課題 単元や教科をこえた「考えたい」をどう支えるか 一緒に考えよう、協力して考えたいという学び合う姿を三好丘中の伝統にする。 2.授業ビデオから学ぶ □ 3年生理科「力の合成、力の分解はどのように役立つのだろう」 二つの力の合力とロープウェイのひものたるみを結び付けて探究する姿 ■ 研究実践の提案と授業ビデオの視聴をうけて、各グループで聴き合う(10分) ■ 全体共有 〇私自身も授業者として、同じ単元の見えない力について授業をしたことがあるが、具体物などで見える化しながら授業をすると、生徒の思考が深まった。この授業では、どんな学習課題で行ったのか。ロープウェイがどういう状況で使用されたのか。 ●実は、授業者は本日参加していないが、理科部会ではロープウェイは難しいとの論議があったが、教科外の自分からすると、現実の現象を見せたことで生徒の考えたいという自覚が生まれやすいという議論を経て、授業者は挑戦した。私はロープウェイを考えることから、力の分力や合力の理解につながるのではないかと考えている。 〇授業記録の2枚目では、トークスキルが身についていることから、生まれた生徒の発言が見られた。「あっ、いいね」などの応答が生まれることも研究の成果ではないか。 〇「しばらく悩む姿」があったが、早くわかるよりも、こうした学びこそが大切である。授業者から、バケツによる足場架けがあり生徒は探究へと向かった。生徒の対話が、一問一答ではなく、「どうして」と問い直されている。これはなかなかできないことである。 〇私は、授業開きで生徒自身が学びのルールを作り出す時間を保障している。こうした、生徒の姿が大切にされている授業である。 ― 休 憩 ― 3.コミュニケーショントレーニング「Think&Talk」のビデオ視聴 ■ 何をどう見たかをグループで共有(5分) ■ 全体共有 〇春日井市では、ソーシャルトレーニングを実施している。まず、型を身につけることに、賛否が分かれている。三好丘中の実施方法は自由度があり、生徒が進めている。こうしたトレーニングによる効果を、今では私自身も感じている。 〇思春期の生徒にとって、普段の会話では見られない内容「うれしかったこと」について楽しそうに話している。普段遣いの言葉であり、週一回の実施は効果を出している。 〇高校の教師ですが、外国籍の生徒や発達障害の生徒に対して、取り出しを行ってきたが、このビデオのように対面によるトレーニングはいいと感じている。 □環境整備から学ぶ 全体での意見交流 〇環境整備は大切なことで、こうした掲示物が見られることは大変にいい。しかし、自分たちの教室でしか見られない。これを、ICTの活用により、ほかの教室でも見られる。先輩の教室の掲示もみられる。さらに、家に帰ってからもみられることで、より学びが広がる。 4.三好丘中における学校づくりの方略 倉知先生より講演 □何が問題か ➡ 三好丘中では、以下の問題に対して研究してきた 自分が受けてきた授業スタイルから抜け出せない 形式的な研究になっている 子どもたちが何を学んだかを見ていない □学校づくりの7つの方略 (1) 学校づくりは3本柱で取り組む ケアリング 学校づくり 校内研修 (2) 専門家として育ち合う同僚性を築く 教師が相互に学び合う関係を築く 授業研究を通して同僚性を築く (3) 担当者任せにしないで全員で取り組む 校長がビジョンを語り、率先した振る舞いが大切。 できるものがやるのではなく全員で取り組む (4) 最初の研究授業は早い時期に行う 4月に最初の授業研究をする 分かりやすい教科の授業からはじめる (5) 夏休みの研修で再確認をする 4月の取り組みの疑問や課題を整理して夏休みに共有する ビデオ研修を計画する (6) 他校(先進校)の研修へ参加する めざす授業のイメージをつくるために実際を見る いろいろな研究会へ参加 (7) 保護者や教育委員会と連携する 集会や朝会で話しをする 保護者にも伝える アンケートの活用 教育委員会の支援を得る □ 都築校長先生からの挨拶 倉知先生、水野先生にはお世話になりました。コロナ下で研究を受けての取り組みであったが、まずは、普段の授業を大切にしようとはじめ、試行錯誤で作り上げてきた研究であり、昨年度発表ができた。これからも教育実践の日常化が大切であり、続けていこうと考えている。本日はありがとうございました。 参加された方からの振り返りを紹介します。 ◆今日の講座で学んだ中で重要だと思ったことは、学校づくりの7つの方略です。 授業実践に関しては、いろいろな取り組みがされており参考になる部分があった。工夫して学校を変革しようとしているところは、子どもたちの表情も良い。 学校づくりの7つの方略に関しては、毎年確認すべき内容がわかりやすくまとめられていると感じた。年月が経つと忘れがちな内容だけに、とても貴重な話を聞くことができた。 ◆今日の講座で学んだ中で重要だと思ったことは、研究は全員でやる!です。 三好ヶ丘中学校の研究を見て、その後の倉知先生のお話から、少しずつ研究についてみえてきたように思います。全員で同じ方向を向いて、納得してやっていけるようにしていきたいです。つい、焦ってしまい、早くテーマをと考えてしまうのですが、まずは生徒の、そして教師の困り感によりそいながら、今本校に必要なことを、ずっとやっていけることをやっていきたいです。ありがとうございました。 |
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