最新更新日:2024/12/19 | |
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11月12日(土)13:30より第8回セミナーを実施しました。
11月12日(土)13:30〜15:30に第8回セミナーを愛知文教大学ABUラウンジにおいて実施しました。講師には、学び合う学び研究所フェロー 松村 美奈先生をお招きし「現代につながる江戸時代の教育事情」をテーマに行いました。
松村先生の専門は江戸時代の文学です。さらに中・高等学校での教員経験があります。そうした立ち位置から、今回のセミナーの目的を「江戸時代の文学に描かれている、その時代の学びを見ていくことから、現代の教育へのヒントを考えたい」と話されました。 まず、「江戸の教育力」大石2007より、江戸時代のキーワードとして、「文書なしでは成り立たない社会へと発展した」と確認されました。江戸時代の教育は、儒学を学ぶ武士については、多くの研究者により研究が進められている。ところが、江戸時代中期以降、寺子屋の発達から、庶民の教育が全国に普及してきたことが、残された書籍の分析から明らかになったと話され、セミナーがはじまりました。大学近隣の小牧市、春日井市にも当時の寺子屋に関する資料が残っているとの紹介がありました。 1.庶民の教育 (1) 百姓伝記(三河国豪農の農書)1680より (2) 社会的変化のニーズによる、読み書きが求められる時代 (3) 海外からの見た日本人の学び ポルトガル人宣教師「日本覚書」・「日本巡察記」より オランダ人東インド会社船の料理人「日本大王国志」より (4) 江戸文学が教科書に掲載されない理由と「学び」の記述 井原西鶴「西鶴織留」には、学びに関する記述を読みとることができる (5) 元禄時代の寺子屋が社会的存在として認められていた。 (6) 出版文化の発達(写本から大量印刷へ)本が広域へ広がる 木版印刷の彫師が1ページ彫るのに一日半かかったが給料は? 売れ筋の本は? ➡ 往来物=寺子屋の教科書 (7) 草双紙「寺子短歌」の挿絵を見てみよう(グループワーク10分) 6つのグループに寺子短歌の場面が配布され、何が書かれているかを読み解いていく。 休 憩 (8) グループの学びを共有する 各項に描かれた情景の読み解きについて発表を聴き、寺子屋短歌を一冊の本としての内容を共有しました。学び合いからわかったことは、意外にも自由で闊達や子どもたちの様子を知ることができました。 2.寺子屋について (1) 「寺子屋」という語について 1⃣「俚言集覧」(寛政)に「寺子屋」「手習師匠」の記述が残っている 2⃣ 貝原益軒「和俗童子訓」(宝暦)に「文字を知らざれば用をなさず」の記述が残っている。 3⃣ 湯浅常山「文会雑記」(江戸中期)「退屈なきようにさすること、第一のことなり」と書かれており、現在の教師が「どっきり」するような記述が残されている。 4⃣ 江村北海「授業偏」には、家庭教育の記述があり、「旅の土産には本を購入した。お年玉は本に限る」など、家庭における本の価値が見える記述が残っている。 5⃣ 滝沢馬琴(読本作家)は生活のために寺子屋を経営していた。 6⃣ 師匠との関係は、個人的な関係だった。 7⃣ 寺子屋の学習は、「教え込み型」➡「滲みこみ型」であった。 8⃣ 指導方法は、「教え込む」➡「教えない」教育法であったようだ。 9⃣ 江戸時代の本質的な価値 ➡「文字・知識教育+非文字教育(横断・統括)」 🔟 教育の目的 ➡「子どもを一人前にすること」 3.往来物=教科書として使っていた 〇手習いの手本として(書くため) 〇読書用のテキスト=素読(読むため) 「往来」の用語=そもそも、庶民が文字学習をするのに、手紙の往来(往信と返信)が不自由なくできるところから生まれた。江戸時代の往来物は約7000種類もあるという。 松村先生のコレクション(往来物)に直接触れる機会を与えていただきました。 グループに数冊の400年前の実物(木版印刷された和本)が配布され、手に取ることができました。 〇書き言葉による共通の文字文化の成立によって、近代国民国家が成立するための文化的前提となった。 往来物の分類 〇「世話字往来」(安永)とは、幼少期の礼儀作法の心得を説いた。 〇「風月用文章」(寛永)とは、四季の行事や風物を題材とする。 〇「増字消息往来」(安永)とは、手紙の別称で、家庭生活全般の用語集 〇「商売往来」(元禄)とは、商取引の記録、生活関係語彙集としての役割も。 4.まとめ 江戸前期 ➡大量印刷出版の到来から、文字社会の成立 江戸中・後期 ➡享保の改革により教育にも改革が 地域・身分を超えて国家規模で寺子屋が展開 ➡庶民自身の主体的に学ぶ姿勢の獲得 ➡往来物の拡充 ➡教育力の推進、知的基盤形成 松村先生のお話の中で、「現在の『学び』に画一化されて息苦しさを感じることがあるが、江戸の学びには、『純粋に学びたい、知りたい』という子どもたちの動機が大切にされている。江戸時代の学びに、教育の大切な原点を見た。」との言葉が印象に残りました。 参加された方からの振り返りを紹介します。 ◆セミナーの中で重要だと思ったことは「学びには『学びたい』という純粋な動機が必要」です。寺子屋の成り立ちを通して、日本が諸外国と比較して文字文化の色合いが強い理由がわかった気がしました。武士だけに限らず庶民にまで文字を読むことが広まることで、文字(出版物)を通して、様々な文化や習わし、あるいはマナーやマニュアルが浸透していったことが、今日の日本人特有の気質といわれている「ルールを守る」「礼儀を重んじる」「他人に親切」などにつながっていったのではないかと考えました。また、庶民が読み書きだけでなく教養として芸術的分野まで習うことができたのは、江戸時代が平和で安定していたからこそ成り立つものであり、いまさらながら徳川時代の功績の大きさに驚かされました。松村先生、たくさんの学びをありがとうございました🔟 学び合う学び研究所 第9回セミナーのご案内
学び合う学び研究所 第9回セミナーを12月3日(土)13:30〜15:30に開催します。
会 場:愛知文教大学 ABUラウンジ テーマ:身近な暮らしの歴史を学ぶ ―江戸時代の尾張のお酒事情― 講 師:学び合う学び研究所 フェロー 内田 吉哉 先生 申 込:学び合う学び研究所ホームページ 行事予定 12月予定GOOGLE フォームより <セミナー内容> 歴史を学んでいく上で、政治や経済の動きは教科書にも詳しく記されるものの、例えば日常の飲食の様子など、普通の人々の暮らしがどうだったのかは、あまりわかりません。ましてや地域ごとの特色となると、一層むずかしくなります。 本セミナーでは、江戸時代後期に書かれた『尾張名所図会』という本をもとに、江戸時代の尾張地域における食文化、とりわけお酒がどのように飲まれていたのかを取り上げます。『尾張名所図会』は江戸時代に流行した「名所図会もの」と呼ばれる本の一つで、地域の名所や旧跡を絵入りで紹介した、いわば観光ガイドのような本です。名所図会の挿絵に描かれた、何気ない日常の風景を抽出し、身近な暮らしの歴史について考えます。 <スクールバス利用のお知らせ> 公共交通機関をご利用の方に、スクールバス(JR高蔵寺駅発13:00一便のみ)を準備しました。乗り場案内も添付いたします。ご利用ください。 10月22日(土)13:30より第7回セミナーを実施しました。
10月22日(土)13:30より第7回セミナーを実施しました。
講師として、愛知淑徳大学の加藤 智先生をお迎えして、探究が創る新たな学び「総合的な学習(探究)について」をテーマに行いました。 今回のセミナーには、京都、大阪から参加いただいた方をはじめ、本大学の学生から退職された先生まで、多様で幅広い19名の方による学び合いとなりました。中には、参加された方の同伴(小学生)がワークショップに加わり、和やかな雰囲気のセミナーとなりました。 まずは、「どんな思いで参加をしたのか」を含めた自己紹介によるアイスブレーキングができました。 加藤先生の自己紹介があり、セミナーがはじまりました。最初に、総合的な学習(探究)においては「各教科の見方・考え方を総動員する」ことの大切さが語られました。 冒頭の自己紹介に「中学校での総合的な学習の時間をどうしたらいいのか」との問いがだされました。その問いに応える形で、埼玉県の小規模中学校における学年を縦割りにした「ゼミ形式」での学びが紹介されました。1年生が先輩である3年生から学んでいる魅力的な実践の紹介でした。 1.なぜ、今「総合的な学習(探究)の時間」が必要なのか VUCAについて これからの教育を「電車型」教育➡「自動車型」教育 「教える」授業 「育む」教育(知的欲求) 若者の意識調査(日本の若者の実態) 探究・探究的な学習(実社会や実生活の中から問いを見つけ出す) 2.変わる高校教育 キーワードは「探究」 広島県立三原高等学校の実践「やらされる」探究⇔「自ら進む」探究 プロジェクト型(関連4分野)による実践 その中で、三原テレビ局や地元の方がかかわる「高校生が作る『三原PR動画』」の作品と、担当高校生のコメントの紹介 宮崎県立飯野高等学校(全国から生徒が集まる学校)の実際 EduAに紹介された「地域の過疎化の課題解決に関する学び」が大学入試の総合型選抜でも評価されている例 東海道の宿場を小学生が案内する歴史ツアー 仙台の小学生がバスガイドするツアー 文科省「今、求められる力を高める総合的な学習の時間の展開」に掲載されている指導事例の紹介。 3.「全国学力・学習状況調査」から 児童生徒質問紙の学び方で「自分で課題を立てて情報を集めて整理して、調べたことを発表する学習活動に取り組む」子どもたちは、明らかに高い学力の傾向を示している。 4.「横断的・総合的な課題(現代的な諸課題)」と「SDGsの目標」との関連について 現代的な諸課題や探究課題(学習対象)に取り組んでいくことは、SDGsを学んでいることになっている。しかし、SDGsを学ぶことが先行することには危険であるとの考え方が示されました。 それは、課題の設定に問題があり、理想の姿と現実の状況の間に「問題状況」があり、その改善のために自分の課題を設定するプロセスがないからとの指摘があった。 考えるための技法と思考ツールの紹介 「思考ツール」は思考を可視化することで、道具のように「考えるための技法」を意図的に使えるようにするためのもの ピラミッドチャートの具体的な実践「旅行の行き先を決めよう」 休憩 5.ワークショップ「ウェビングから探究的な学習をつくる」 参加者が6グループに分かれ、テーマを決めウェビングをする。ウェビングで見えてきた広がりを「課題」「情報」「整理・分析」「まとめ」の視点から、4色の付箋に記入し、付箋を並べながら、課題➡情報➡整理・分析➡まとめの「探究」の流れをつくる。この探究の流れを複数サイクル実施できることが理想である。 本日、無作為に集まったグループメンバーにより、「テーマ」を決めウェビングがはじまりました。20分の活動後、6グループからの特色のあるテーマから導き出されたユニークなストーリーの発表・共有ができました。 今回のセミナーでは、課題の設定には、子どもたちから生まれた気づきや問いを積み上げていくことの大切さを学びました。それが子どもたちの探究につながる事実の発見がありました。 参加された方からの振り返りを紹介します。 ◆ セミナーの学びで重要だと思ったことは、探究学習の重要性です。 グループでのワークショップが有意義でした。グループの方から思いの他難しい課題が設定されたのですが、そのおかげで新しい発見に繋がりました。付け加えると、高い課題の重要性についても再確認できたと思います。 ◆ 総合的な学習(探究)についての知見や最新の情報をわかりやすくご説明いただきました。今求められている「これからの教育」「『育む』授業」は学び合う学び研究所の理念に沿う内容でもあり、あらためて総合(探究)の時間の重要性を確認することができました。「理想の姿」を見えるようにすることがポイントと感じました。 SDGsとの関連性や考えるための技法と思考ツールもわかりやすく教えていただき、今後の仕事に活かすことができそうです。 ワークショップでは若手の現職の先生とベテランの先生方が一緒に「学校づくり」をテーマに考えたり、意見を出し合ったりすることができ楽しかったです。 ご多用の加藤先生にはお越しいただき、お話を伺うことができたいへん有益でした。総合や探究の時間をどのように活用するかで、学校の魅力が大きく変わるように感じました。ありがとうございました。 9月10日(土)13:30より第6回セミナーを実施しました。
9月10日(土)13:30〜15:30に第6回セミナーを愛知文教大学ABUラウンジにおいて実施しました。講師には犬山市立犬山中学校 教諭 安形直樹 先生、岐阜聖徳学園大学教授 玉置 崇 先生をお招きし「深い学びの実現を社会科から考える」をテーマに行いました。
新学期が始まったばかりのこの時期でしたが、37名と大変多くの方にご参加いただきました。犬山中学校では、令和2・3年にわたり研究され、昨年10月に発表されました。研究を通した学校づくりと現在の授業研究について学ぶことができました。 最初に、安形先生の自己紹介をかねて、1年生の地理分野「南アメリカ州 開発を優先すべきか、環境保護を優先すべきか」の短い動画を視聴し、グループで共有しました。生徒が立ったままで白熱した討論をしている場面でした。参加者からの意見を受けた後、安形先生からは「この動画は、授業後数分経った生徒の様子です」との説明を受け、授業時間をこえてまで聴き合う生徒の様子に驚きを感じながらのスタートになりました。 1.研修スケジュール (1)犬山中の研究について (2)深い学びについて (3)模擬授業 (4)社会科の授業動画の視聴&生徒の振り返りなどの紹介 休 憩 (5)玉置先生からのコメント 2.研修内容 (1)犬山中学校の研究について、安形先生より発表がありました。 a. 「自ら考え、判断し、決定し、行動する生徒の育成」〜生徒の考え、変容を大切にした授業改善を通して〜 2021.10.29 b. なぜ変わらなければいけないのだろうか? c. 授業の在り方も変わることが求められる d. 本校の現状は? e. 各教科の共通理念・共通の手だて f. 研究構想図・社会科の各論 g. 高めたい教師の力量とは? h. 教科部会・教科主任会の実施 i. 小学校の学び方をつなぐ j. 各教科からの実践報告の作成(子どもの姿で語る) ➡ 手立ての共有・生徒の変容の共通理解 k. 研究推進における3ポイント 〇全生徒・全職員の向上的変容 〇教科・学年・校種の壁を超える 〇新しい学校文化の形成 ●ここで、玉置先生のコーディネートにより、犬山中学校の「教科部会」について、会場へのインタビューになりました。以前、犬山中で勤務した先生から「以前は、いろんな教科の先生が学ぶため、授業研究を学年部会で進めていた」それに対して、現在、犬山中の先生から「毎週、教科主任会が時間割に設定され、他の教科ではどんな取り組みが行われているかを共有できた」と発言された。玉置先生からの「なぜ、教科主任会を持ったのか?」という質問に対して、安形先生から「教科を横につなぐため」そして「研究構想図を、各教科でどう具現化したか」とありました。さらに追加質問として「各教科のエピソードはありましたか?」に対して、例えば「英語科の実践報告をつくることによって、生徒の具体的な変容が確認できた」と紹介されました。 <各グループでの聴き合い> ■質問「教科主任社会では、どんな話題をどんな方法で行っているのか」➡「自分がやったのは、こうしてくださいではなく、こうしたいですが、どう考えますかと意見をもらった。理念を共有してきました。」 ■犬山中の先生「安形先生の提案について、みんなが意見を言いながら、研究の方向を決めていった。そうした言いやすい雰囲気が、今までの学校と違うところです」別の先生からは「研究というと、提案授業を見て、協議し指導を受けて終わりでしたが、犬山中では実践報告をつくり、共有することで、自分の授業をふり返ることができ、研究を継続できたと感じている」 ■安形先生から「研究することで人間関係が悪くならなかったことが嬉しかった。本校の校長通信では「教師同士の関係性がいいと、生徒の学びがよくなる」と示されましたが、その通りでした。」と紹介がありました。 ■校長先生からは「この研究は、教科理論を大切にしようとはじめました。各教科でどんな授業をしようか、どんな子供を育てたいかを明確にして、授業改善に取り組みなした。研究の柱が2つあり、それを受けた各教科に「手立て」を任せましたが、なかなか明確にならなかった。そうした内容の見直しを教科主任会で検討してもらった。本校の学校経営は『主体性と創造性』をキーワードで進めてきた。生徒会が中心となり校則を見直したり、研究発表当日の提案授業以外の教室は、先生がいなくても、生徒が自分たちで課題を見つけて学びを続けていたりしました。」と紹介がありました。 玉置先生のコーディネートによる学び合いでは、生徒が主体となり学び続ける犬山中学校の学校づくりを具体的に知ることができました。 (2)深い学びについて、安形先生より発表がありました。 1⃣「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実 2⃣社会科の授業で心掛けていること 3⃣見方カード・思考ツール 4⃣模擬授業 単元をつらぬく課題「信長、秀吉、家康の中で、誰が一番優れた武将だろうか」 参加者を生徒に見立てての授業がはじまりました。 〇「問い」何に注目したら、この課題を解決できそうですか? 〇「見方カード」「思考ツール」レーダーチャートを活用した生徒ノートの紹介 「振り返りキー」7つのキーによる生徒の振り返りの紹介 30分程度の模擬授業を受けながら、生徒の残した振り返りなどの紹介を受けて、 <感想交流> <休 憩>5分 5⃣動画の視聴(信長側への反論する場面)6分 生徒の学び合う様子、先生の居方、生徒の振り返りについて解説しながらの視聴でした。 (3) 玉置先生のコメント 1⃣学びたい犬山中学校の7つの姿を紹介 2⃣犬山中学校の生徒の姿を映像と解説を交えた紹介 振り返りの価値を語る生徒 ICTを活用して振り返る生徒 自ら聴き、解決しようとする生徒 個に応じて支援する教師 主体的な活動をタブレットに録画し、自己評価する生徒 対話でつなぐことで、お互いに評価する生徒たち こうした姿は、犬山中の先生方が日ごろから指導をした結果であり、生徒の姿に価値づけを行っているからであると述べられました。 3⃣「深い学び」と「見方考え方」について 4⃣「見方・考え方」を玉置流に「今日の授業で、一生覚えておくとよいことがら」と定義され、小学校算数の「長さ」「角度」「面積」を例に説明されました。子どもたちは、教師の教材研究を学び越えてくることがあり、その学びの意味をどうとらえるか。深い学びをつくり出す教師の専門性が問われる場面の紹介がありました。 本日のセミナーを振り返り、犬山中の研究推進と安形先生の授業づくりにむけた強い思いから多くを学ぶことができたと感じました。 参加された方からの振り返りを紹介します。 ◆模擬授業や子どもたちの様子を見せていただき、子どもたちが楽しく、自ら学んでいると感じました。 課題設定も子どもたちのことを考えてされているように思いました。 今まで、「見方・考え方」について授業の中で深く考えられていなかったので、これからは子どもに何を学ばせたいか、どうなってもらいたいかを考えた上で授業に取り組んでいきたいと思いました。ありがとうございました。 ◆今日のセミナーで学習した中で重要だと思ったことは「すべての生徒の学びを保証するために、深い学びの実現を目指す犬山中学校の取り組みについて学べたこと」です。 犬山中学校の取り組み、社会科での実践、玉置先生のお話と、大変勉強になりました。あっという間の2時間でした。ありがとうございました。すべての生徒の学びを保証するための、主体的で深い学びを実現するために、学校全体で研究をすすめている犬山中学校の取り組みは、とても素晴らしいなと率直に思いました。社会科の実践も大変参考になりました。特に、見方、考え方を重視した取り組みは、自分はなんとなくでしか取り組めていないので、勉強になりました。自分の授業創りを再度見直していきたいです。 学び合う学び研究所 第8回セミナーのご案内
学び合う学び研究所 第8回セミナーを11月12日(土)13:30〜15:30に開催します。
会 場:愛知文教大学 ABUラウンジ テーマ:現代につながる江戸時代の教育事情 講 師:学び合う学び研究所 フェロー 松村 美奈 先生 申 込:学び合う学び研究所ホームページ 行事予定 11月予定GOOGLE フォームより <セミナー内容> 今から400年以上前の江戸時代に、庶民はどんなことを、どのように学んでいたのでしょうか。当時の日本では、それぞれの地域で独自の寺子屋教育の広がりがみられ、残された資料等から教師と生徒との関係が浮かび上がってきます。 本講座では、社会全体に芽生えた庶民の学びへの向き合い方や文字文化の広がりについて概観してみたいと思います。講座当日には、江戸時代の版本の挿絵を見ていただいたり、当時出版されていた教科書(往来物)や教訓書などを実際に手に取っていただこうと考えています。実物から醸し出される学びの力を感じていただき、現代における学びのヒントにしていただければ幸いです。 <スクールバス利用のお知らせ> 公共交通機関をご利用の方に、スクールバス(JR高蔵寺駅発13:00一便のみ)を準備しました。乗り場案内も添付いたします。ご利用ください。 学び合う学び研究所 第7回セミナーのご案内
学び合う学び研究所 第7回セミナーを10月22日(土) 13:30〜15:30に開催します。
会場:愛知文教大学 ABUラウンジ テーマ:探究が創る新たな学び「総合的な学習(探究)について」 講 師:愛知淑徳大学 准教授 加藤 智 先生 申 込:学び合う学び研究所ホームページ 行事予定 10月予定GOOGLE フォームより <セミナー内容> 前半では、文部科学省初等中等教育局教育課程課 教科調査官としての幅広い知見をもとに、総合的な学習(探究)の時間に、探究が求められる背景、探究の意義や価値、学校(小中高)における探究の実際のお話を伺います。 後半では、ワークショップとして、総合的な学習(探究)の時間の教材開発を学び合いたいと思います。 <スクールバス利用のお知らせ> 公共交通機関をご利用の方に、スクールバス(JR高蔵寺駅発13:00一便のみ)を準備しました。乗り場案内も添付いたします。ご利用ください。 8月6日(土)13:30より第5回セミナーを実施しました。
第5回セミナー(8月6日(土) 13:30〜15:30)を愛知文教大学 ABUラウンジにおいて、岩倉市教育委員会教育長 野木森 広先生、岩倉市立南部中学校 横山 雄大先生により「数学における学び合う学びの授業実践から学ぶ」をテーマとして実施しました。
BA.5対策強化宣言が発出される中でしたが、31名の方に申込みいただきました。一部、体調不良による欠席がありましたが、講師も含め30名の方による学び合いができました。岩倉市では、複数年にわたる学び合いによる授業研究が続けられ、岩倉南部中学校はパイロット校の一つであります。有尾校長先生、柴田先生にもご参加いただき会がはじまりました。 1 岩倉南部中学校の現職教育について 教務主任の柴田 健治先生より説明いただきました。 〇岩南中研究グランドデザインについて 〇南中スタイルの授業のポイント(四つの学びの作法の徹底) 本年度は、「聴く・つなぐ・もどす」の三つの教師の役割の中で、「もどす」を中心に研究を進めている 〇マイプラン(1⃣教科の指導理念2⃣共有課題の設定3⃣ジャンプ課題の設定)による授業構想の作成 2 数学の授業実践紹介 横山先生からは、マイプランを提示しながら、単元を通して大切にした点、さらに教師の姿勢として以下の3点を提示されました。 〇用語はおさえるが、例題を解いたり、解き方を伝えたりしない。 〇授業課題は、共有課題・ジャンプ課題ですすめる。 〇班活動を軸に、生徒の疑問を生徒が解決する。班で解決できないことを「お悩み相談会」として、学級で話し合い、もう一度、班に戻すという授業で行っている。 授業動画の視聴 課題「連立方程式9/11」 視聴後、横山先生が現在、「授業づくりで悩んでいること」を以下の3点に提示された 〇既習内容を復習すべきか 〇班内の「みんな見てあげて」など声掛けのタイミング 〇Jumpの課題(次の課題)を先に提示しない方がよかったか。 3 グループ協議会(15分) 視聴した動画と授業者の課題について、4人グループでリフレクションを行いました。 4 全体交流会 <各グループで得た学びを共有> ●「わからない」といえる教室であり、わかったふりをしない生徒が多い。各グループにいるわからない生徒へ教師は一つ一つ対応できないため、教師が、そうした状態にモデルを示すことで、各グループに戻すことができるのでは。 ●各生徒の分からなさに対して全て復習することはできない。そう考えると、お悩み相談の場が有効。声掛けは、グループの状況に応じた内容とタイミングが必要。次の課題の提示は、ワクワク感を大切にするため、タイミングを考えたい。 ●声掛けは「わからない子発信」を大切に、教師がつなぐことが大切ではないか。 ●「わからない」ことを自分から言える。わかる子が一方的に教えるのではなく、要請を受けて教えることを大切にしたい。 ●学び方の四つの作法について、作法ができている生徒を大きく評価することで、他の生徒に広げることが大切。各教科のマイプランにジャンプ課題が示されていることが素晴らしい。 ●課題について、何を学ばせたいかを明確にし、生徒の学びを集中させたい。教師が思考させたい点をしっかりと持つことが大切だと考える。班の全員が課題について自分の言葉で説明できるような、グループの学びに厳しさが必要ではないか。 ●「わからない」が言える雰囲気づくり、環境が大切。グループの中で、共有課題をしている生徒とジャンプ課題をしている生徒が混在していた。理解の遅い生徒が、先に進んでいる生徒に教えてといえる風土が大切ではないか。 ●「わからない」といえる状況づくり、声掛けのタイミングについても、「わからない」と言えることが関係している。共有とジャンプの課題の質の違いを意識する必要がある。 以上、各グループでの学びが活発に共有されました。 5 コメント 岩倉市教育委員会教育長 野木森 広先生より、実践発表と発表を受けた学び合いについてコメントをいただきました。 まず、2018年10月に行われた研究発表会に、愛知教育大学特任教授の立場で参加された感想を「生徒が知をひらき、自分の言葉で表現する姿から、一人ひとりの学びを保障している授業に誇らしさを感じた」と感動をもって紹介されました。 さらに研究理念を共有するため、以下の4点が紹介されました。 1⃣すべての生徒の学ぶ権利を保障する 2⃣すべての生徒に向上的変容を約束する 3⃣仲間と支え合いながら、安心して学べる環境を準備する 4⃣すべての職員が参加し、自らの能力を開花させることができる研究を目指す 全員参加のための方策として、思考レベルの参加であることが確認されている 「探求」「創造」「協働」の言葉が定義されていることの確認 具体的な生徒の姿として、4項目の「学びの作法」で示している。 「自ら仲間の力を借りる」 「分かったふりをしない」 「さりげない手を差し伸べる」「最後まで知り捨てない」 ■これまでお話した研究理念について、グループで共有してください。5分 <グループの学びを全体で共有> ●この理念は、探究することで、最初から分かっている答えではなく、未知のものへ向かって授業し、どの子も「今日は学んでよかったな」と思えることではないかなと感じました。 ●他市から異動し、学び合いについて、何をしているかよくわからなかった。しかし、ここに掲げられたような理念を理解することで、最近はすっきりしている。最近は若い先生が増え、形だけやっているように感じることがある。改めて、この理念の大切さを感じた。 ●学ぶことの本質を研究したいなと思ってきた。そして、長く続く研究をやりたいなと感じています。南中の歴史から考えて、生徒たちの学びを何とか変えたいとの思いから、この理念をつくり研究してきた。 具体的な方策 〇授業研究のシステム化 〇生徒参画(学習委員会)の作成した短期目標の掲示 〇主体的・対話的で深い学びの実現のための取り組み 横山実践に学ぶ 〇あるグループの学びへのコメント(グループ内のコミュニケーションについて) 〇実証主義の学習 ⇔ 構成主義の学習 〇これからの学びは「資質・能力」を育成する必要がある。 〇「結果」重視 ➡「過程」重視(思考力) 第一の学習モードと第二の学習モード(Gregory Bateson) 中国・銀海小学校4年の筆算 共有問題とジャンプ課題 ヴィゴツキーの発達の最近接領域 教師のリフレクションの三段階 研究発表時のリフレクションの紹介 教師の専門性を問い直す 岩倉市授業デザイン研究会による「学びひたる子ども」 岩倉市 教師の学び場(チームズ) 6 岩倉南部中学校校長 有尾 幸市先生 あいさつ 貴重な場を提供していただき、ありがとうございました。今日のセミナーに参加をして、改めて感じたこととして、未だに「わからない」ということを言い出せない生徒がいるということです。次の世代に研究を引き継ぐものとして大切していきたい。 本日のセミナーを振り返り、岩倉市と小牧市の先生方が交流できたことに大きな意味があると感じています。今後、他市町の交流を実現していけるように進めていきたいと感じました。 参加された方からの振り返りを紹介します。 ◆今日のセミナーで学習した中で重要だと思ったことは「学び合う学びの主役は、児童生徒であり、分からないことが学びを深いものとすること」です。 とても雰囲気のよい学級での授業を観ることができ良かった。授業者から出された「課題」は、授業者として非常に的確で、学び合う学びの根本を知るのに役立つものでした。 野木森教育長のお話も、様々な観点からの話で、新たな発見や興味・関心を抱かせる内容で大変良かったと感じています。授業実践から学ぶ機会を与えていただき、感謝しています。岩倉の先生方、ありがとうございました。 ◆今日のセミナーで学習した中で重要だと思ったことは「依存できる力と依存できる環境作り」です。 提案者の横山先生が、最後に3つの悩み/迷いを話されたことが良かったと思います。「復習のタイミング」、「声かけのタイミング」、「ジャンプ課題の提示のタイミング」について。この3点についてグループで話す中で、学び合う学びの理念について再度確認することができました。そして、その理念について、言葉で整然とまとめることの善し悪しについて考えさせられました。 近年、学校が若返り(言葉は良いですが)、教育技術の継承が問題点の一つになっているのではと感じています。学び合う学びについても、理念が分からないまま、そのスタイルだけが一人歩きしているのではと感じることがあります。これから学び合いを始めようとする先生方には、その理念が整然とまとめられたものがあれば納得して実践できると思います。一方で、その理念が字面だけのものになってしまうと、いわゆるHow to本になってしまいます。だからこそ、共同・協働することの大切さを改めて感じました。上手に働き方改革を進めながら、学び合いの継承が進む文化を根付かせたいと思いました。 学び合う学び研究所 第6回セミナーのご案内
学び合う学び研究所 第6回セミナーを9月10日(土) 13:30〜15:30に開催します。
会場:愛知文教大学 ABUラウンジ テーマ:深い学びの実現を社会科から考える 講 師:実践発表者 犬山市立犬山中学校 教諭 安形 直樹 先生 :コメンテーター 岐阜聖徳学園大学 教授 玉置 崇 先生 申 込:学び合う学び研究所ホームページ 行事予定 9月予定GOOGLE フォームより <セミナー内容> 安形先生からは、単元をつらぬく課題に対して、社会的な「見方・考え方」を働かせながら、知識を相互に関連付けて、級友の考えを参考にしながら、生徒一人一人が納得解・最適解を導き出す授業実践を発表します。深い学びができたと考察する生徒の振り返りも紹介していただき、フロアーで学び合いたいと思います。 犬山中学校のアドバイザーをつとめる玉置 崇先生からは、犬山中学校の授業研究を通した学校改革の取り組みについてコメントしていただきます。 <スクールバス利用のお知らせ> 公共交通機関をご利用の方に、スクールバス(JR高蔵寺駅発13:00一便のみ)を準備しました。乗り場案内も添付いたします。ご利用ください。 学び合う学び研究所 第5回セミナーのご案内
学び合う学び研究所 第5回セミナーを8月6日(土) 13:30〜15:30に開催します。
会場:愛知文教大学 ABUラウンジ テーマ:数学における学び合う学びの授業実践から学ぶ 講 師:コメンテーター 岩倉市教育委員会 教育長 野木森 広 先生 :実践発表者 岩倉市立南部中学校 横山 雄大 先生 申 込:学び合う学び研究所ホームページ 行事予定 8月予定GOOGLE フォームより <セミナー内容> 岩倉市立南部中学校では、2015年よりスーパーバイザー倉知雪春先生を招き「学び合い」の授業研究に取り組できた。その実践は、岩倉市内に広がりを見せている。本年度の研究主題は「知をひらく」とし、生徒を独りにしない授業を基盤として「探究・協働・創造」の3つの柱を設定した授業デザインを工夫している。そうした取り組みの中から数学の授業について発表していただき、参加者で学び合いたいと思います。 その後、岩倉市教育長の野木森 広先生をコメンテーターに迎え、岩倉市の現状や本セミナーの学びについてコメントしていただきます。多くの皆様のご参加をお待ちしております。 <スクールバス利用のお知らせ> 公共交通機関をご利用の方に、スクールバス(JR高蔵寺駅発13:00一便のみ)を準備しました。乗り場案内も添付いたします。ご利用ください。 第2回学び合う学び研究所 フェロー会議を実施しました出 席 者 : 中島淑子所長、永井勝彦事務長、 シニアフェロー:副島 孝、柴田好章(欠席) フ ェ ロ ー : 倉知雪春、後藤孝文、神戸和敏、木村芳博、林 文通、中川行弘、松村美奈、竹中 烈 、内田吉哉、 (栗木智美:公務のため欠席) 1⃣ 委嘱状交付 2⃣ シニアフェロー講演会 講師:副島 孝先生 テーマ「アンラーニングとリーダーシップ、おまけで練り上げ」 3⃣ 議 事 学び合う学び研究所 活動基本方針について意見交換を行いました。 フェロー紹介
所長・事務長
フェロー紹介
シニアフェロー
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フェロー
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フェロー
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フェロー
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フェロー
第4回セミナー 中 止 のお知らせ
7月23日(土) 13:30〜15:30に予定をしておりました
第4回セミナー 「子どもの学びをどうとらえるか?〜授業記録による授業分析の方法〜」 につきまして、 講師の先生のご都合により中止とさせていただきます。 参加申し込みいただきました多数の方々、楽しみにしてみえたことと存じますが、 残念ながら中止の判断をいたしました。 次回、以降のセミナーへのご参加をお待ちしております。 6月25日(土)13:30より第4回セミナーを実施しました。
第3回セミナー(6月25日(土) 13:30〜15:30)を愛知文教大学201教室において、学び合う学び研究所フェロー 竹中 烈先生により「不登校児童生徒の学びをどう保障するか〜学校外の学びの場の現状をふまえながら〜」をテーマとして実施しました。
「20年ほど前、フリースクールのスタッフとして、不登校の子どもたちやその保護者と接しながら、『こういった子どもたちが生きづらさを抱えずに学んでいくためのあり方とは何だろう』ということを考えたことが研究(教育社会学)に進むきっかけでした。」との自己紹介からセミナーがはじまりました。 今回のセミナーには、大学生からさまざまな地域、校種の先生方や教員以外の方が22名集い学び合う場になりました。 〇 本日のセミナー内容の提示 1⃣ 不登校の現状 2⃣ 広がる不登校支援の現状やその思想的背景 3⃣ 不登校支援をめぐる制度的課題 4⃣ 公設民営による教育支援センターの先進事例(ZOOMでの対話を通して) 1.不登校の現状 不登校の背景にあるものは? 不登校の定義と実態の乖離 不登校の現状(不登校児童生徒数の推移、不登校の要因) 不登校の要因に関するNHKと文科省調査の比較 未来地図による保護者調査 令和2年度不登校児童生徒の実態調査 ●グループでのシェア「不登校の現状(要因)について、皆さんが持っておられる実感などと照らし合わせながら意見や感想をシェアしてください」 各グループでは、普段交流のない参加者が普段から持っている感想と本日の学びが交流されていきました。 2.広がる不登校支援の現状やその思想的背景 (1)特例校制度について 事例:岐阜市立草潤中学校の学校概要 選択できる日課表・学校環境とその名称(校長室=マネジメントオフィスなど) (2)教育支援センター(適応指導教室) (3)フリースクール 現状、NPO全国ネットワーク、フリースクールの実態 大分教育委員会の作成した支援ガイド デモクラティックスクールの思想 神戸自由学院の紹介・NPO法人越谷らるご「りんごの木」 NPO法人フリースクールクレイン・ハーバー 非営利型民間施設の特徴と課題 東京シューレの採用ガイドライン 民間施設についてのガイドライン(試案)抜粋 令和元年10月25日 「学び」をどう捉えるか・・・学習内容の問題 ●グループでのシェア「『学び』の多様性の現状と標準化への流れについてお話をしました。ここまでの意見や感想をシェアしてください」 各グループでは、不登校支援の多様な広がりについて、驚きと可能性を語り合う場になりました。 3.不登校支援をめぐる制度的課題<時間の関係で各自が資料を事後確認> 4.公設民営による教育支援センターの先進事例:Zoomでの対話を通して NPO法人カタリバ・雲南市教育支援センターおんせんキャンパス 所長代理 池田 隆史先生 との オンライン対話 雲南市教育支援センターの概要 事業目的 1⃣児童生徒の社会的自立 2⃣雲南市の教育環境の発展 事業運営の基本的な考え方 おんせんキャンパスの特徴1⃣ 教育委員会のバックアップがあり諸機関との連携がスムーズ おんせんキャンパスの特徴2⃣ スタッフに多様性がある。その強みからプログラム開発 おんせんキャンパスの特徴3⃣ NPOのネットワークや柔軟性、スピードを生かした活動 上記の3点が、公設民営での教育支援センターでの利点になっている。 ●グループでのシェア「池田先生の実践報告を聴き、ここまでのセミナー内容も含め、意見や感想をシェアしてください」各グループでは、不登校支援の多様で具体的な場面のお話を聴くことができ、活発な学び合いが生まれていました。 ●「それでは、池田先生との対話をします。どなたからでも質問や意見をお願いします。」 【質問1】小学校勤務の先生から、自分の教室での不登校の子どもについて、保護者とのかかわりや対応で苦慮している現状に対してアドバイスが欲しい。➡ <応答>非常に難しいですね。どの保護者も「困り感」を抱えているが、世間体を気にして、なかなか本音が言えない保護者が多い。われわれは、地域や家庭で孤立している保護者とどのように関係性を築いてくかという点に配慮している。 【質問2】中学校勤務の先生から、おんせんキャンパスと学校を併用して利用している子どもたちが、周りの目を気にすることはないのか。また、施設としては、最終的に子どもたちにどうなってほしいと願っているのか。 ➡ <応答>通ってくる子どもたちの様子を見ていると、周りの目を気にしている子どもたちはいない。むしろ、気にしているのは大人ですね。二つ目の質問の、最終的に、「子どもたちを学校に戻す」ということには、あまりこだわっていない。一人ひとりの子どもによって対応のグラデーションがある。このキャンパスでやりたいことを伸ばしたり、いろんな機関が連携したりして、新しい道を拓いてやりたい。 【質問3】行政機関の経験のある先生から、人口3万8千人の小さな町で、市外の民間施設が委託を受けてうまく進めてみえるのは、大変に珍しい。他の行政ではうまくいかない事例が多くある。教育支援センターを民間委託するという発想がなかったので、今日は大変面白い内容でした。 ➡ <応答>参考になるか分かりませんが、今回の委託には二つの文脈があります。一つは、キャリア教育(探究的な学び、土曜の社会教育プログラム)です。二つ目は、不登校支援の文脈です。もともと、雲南市は社会教育、ふるさと教育を大切にしており、街づくりプログラムの一貫として、カタリバがスタートしました。つまり、教育予算だけでなく、地方創生の関係でも予算があり、国の予算も含め、町ぐるみの事業になっています。 以上、短い時間でしたが、大変に学びの多い交流になりました。 参加された方からの振り返りを紹介します。 ◆今日のセミナーで学んだ中で重要だと思ったことは「島根県雲南市のNPOと組んだ実践」です。不登校問題を正面から語り合う機会は、あるようでない。この問題は、各人の教育観、学校観、子ども観とも関わるので難しい問題である。個別の問題ばかりが取り上げられる傾向が強い。それだけに、雲南市での取組みも含めて、もう少し大きな観点から考え合う貴重な機会となった。 ◆今日のセミナーで学んだ中で重要だと思ったことは「不登校生徒との接し方」です。 不登校生徒の対応は本当に人それぞれで違う対応を求められます。その1人1人にどう向き合えばいいのか、いつも悩んでいます。今日のセミナーを聞いて、学校復帰ではなく社会的自立のためにどうすればよいか、どのような機関があるのか、そしてその機関とどのように連携をとればいいのかを知ることが大切だと思いました。その子その子の現状段階を把握し、親との連携することで、今どのような支援が必要なのか考えていきたいと思いました。本校にも別室登校用の部屋がありますが、基本自習の体制になっています。市内には適応指導教室もあるので、そこがどのようなアプローチをしているのか、教えていただこうと思います。そして、それを学校にいる別室登校の生徒にも生かせることがあれば、同じ方向を向いて支援ができると思いました。 学び合う学び研究所 第4回セミナーのご案内
学び合う学び研究所 第4回セミナーを7月23日(土) 13:30〜15:30に開催します。
会場:愛知文教大学 ABUラウンジ テーマ:子どもの学びをどうとらえるか?〜授業記録による授業分析の方法〜 講 師:名古屋大学大学院 柴田 好章 先生 申 込:学び合う学び研究所ホームページ 行事予定 7月予定GOOGLE フォームより <セミナー内容> 授業とは、教材を介した子ども同士の学び合いであり、授業研究とは、子どもの学びの姿を介した教員同士の学び合いです。端的に言えば、授業研究とは子ども理解の機会です。実践の省察(リフクレション)と教員同士の協働(コラボレーション)による授業研究(=教師の学び)の質を高めるために、本セミナーでは授業記録による授業分析の方法について学びます。教師の意思決定の基盤となる洞察力を高めるための方法や、校内研究(研修・OJT)を活性化するための方法について、一緒に考えていきましょう。 <スクールバス利用のお知らせ> 公共交通機関をご利用の方に、スクールバス(JR高蔵寺駅発13:00一便のみ)を準備しました。乗り場案内も添付いたします。ご利用ください。 5月21日(土)13:30より、第2回セミナーを実施しました。
第2回セミナー(5月21日(土) 13:30〜15:30)を、ABUラウンジをにおいて、春日井市立高森台中学校長 水谷 年孝先生を講師にお迎えして「1人1台クラウド環境を活用した学び − 春日井市での実践から −」をテーマとして実施しました。
今回のセミナーには、33名の参加者がありました。その中には、県外から参加された方がみえ、大学生からさまざまな年齢や経験年数、校種の先生方が集い学び合う場になりました。 1.「今、学校では、教室では何が起きているのか」<動画視聴> 水谷先生からの自己紹介をうけて動画を視聴しました。 「小学6年生の担任の先生が、出勤後、職員室において、まず端末を開き、一日の授業の内容を見直し、子どもたちに送信しています。教室へ移動すると、登校した子どもたちは朝の活動を始めています。先生からの指示はなく、子どもたちは、持ち帰っていた一人一台のクロームブック端末を開き、Googleクラスルームを見ます。それぞれが今日の学習の確認であったり、どんな活動をするかを確認したり、入力をしたりして過ごしています。」 途中で止められた動画について、「この動画はYouTubeで公開されている」「2年前の様子であり、春日井市にはこんな小学校もあります。」と付け加えられました。続いて、中学校の授業では、「タブレットをグループで見合い、意見交流をしている」場面や、別の授業では「生徒が自由に立ち歩いている。自分のタブレットをもって、同じような仮説を立てた生徒と意見交流をしている。その横では、一人で考えている生徒がいる」といった場面が紹介されました。 この動画は、360度カメラで撮影された授業動画で、授業後には、好きな方向・場面をリフレクションできることをコメントされ、セミナーが始まりました。 2.本日のセミナー内容の提示 1⃣ 春日井市での教育の情報化の歩み 2⃣ GIGAスクール構想の重要性 3⃣ GIGA環境活用の日常の授業から 4⃣ クラウド活用による校務の情報化の事例 本セミナーの内容提示があり、水谷先生から、非常にわかりやすい講演が続きました。約30分程度の講演を受けて、グループワークを入れ、学んだことを共有する形で研修が進んでいきました。 1⃣ 春日井市での教育の情報化の歩み 〇12年前からのICT環境整備状況 〇1999年スタート 校務の情報化 〇10年前から授業でのICT活用 〇出川小・高森台中の校内研究会の公開 〇市内教務主任、少経験者の研修(模擬授業について協議) 2⃣ GIGAスクール構想の重要性 〇学びのためのICT活用へ 〇現行指導要領の学びのための基盤 〇クラウド活用で従来からのPC利用より質が一段と高い活用へ 〇教育データの利活用のために 3⃣ GIGA環境活用の日常の授業から 〇今年の10月に、JAET全国大会を春日井市で開催し、市内6校が中心となり授業を公開し、進めている。 〇中学校 社会授業の例 情報収集→整理→まとめ・表現 ●ここまでの、講演からの学びの共有 「どんなことを学びましたか?」グループで学び合いましょう。(7つの四人グループにおいて感想・疑問・学びの共有) ●グループでの学びを二人の参加者から発表がありました。 〇小学6年 国語の授業例(物語のヤマ場を見つける) 授業の進め方は、事前に教師からGoogleクラスルームによって送られている。子どもたちはこれからどのように学ぶのかを話し合っています。示されている授業の流れ「ゴール、情報の収集、整理・分析、まとめ・表現」の空欄について話し合い、自分たちで書き込み、活動していく。決めるのは子どもたち。 〇中学2年 社会(地理:なぜ日本は和食の食材が豊富なのか、自然環境の面から考えよう)情報収集→整理→まとめ・表現 この授業では、仮説の証明をプレゼンにまとめ、友だちと意見交換している様子 〇端末・クラウド活用による授業の変化について ・活用する手段の選択肢の多様化 ・児童生徒の活用時間、扱うデータ量、コミュニケションの増加 ・アウトプットの量・質の向上 ・「教える授業」→「学ぶ授業」への変化 ポイント=情報活用能力の育成 具体例として、美術や家庭科の授業では、技法を動画により撮影し、自由に見られる使い方が紹介された。 ●ここまでの、講演からの学びの共有 「どんなことを学びましたか?」グループで学び合いましょう。(7つの四人グループにおいて感想・疑問・学びの共有) ●グループでの学びを二人の参加者から発表がありました。どこから情報を得るのか?学びの骨格を子どもたちに任せることで、学びが子ども自身のものになっている。 10分の休憩<情報交換> 〇Googleフォームに問題の工夫、ジャムボードの問題、振り返りシートの活用、生徒が考える「一人一台クロームブックを活用する授業のよさはこれだ」の紹介 〇研修・実践の共有 4⃣ クラウド活用による校務の情報化の事例 〇情報共有・意見交換 休校中の意見集約、オンライン研修 〇連絡・情報共有 〇資料共有 職員会議の議題・資料 校内研修資料の共有 〇調査・アンケート 〇その他・行政との情報共有 5⃣ まとめ GIGA環境活用の実践、順調に進んでいるのは 〇まず、日常業務で活用して、教師が便利さを体験する 〇体験から授業活用イメージをつかむ 〇無理せず、日常の授業でスモールステップで着実に 6⃣ 研究開発学校 4年間のスタート 〇出川小・高森台中「情報の時間」の創設について 〇StuDX Style による事例発信 〇JAET全国大開催 10月28-29日 愛知県・春日井市大会の紹介 ●ここまでの、講演からの学びの共有 「どんなことを学びましたか?」グループで学び合いましょう。(7つの四人グループにおいて感想・疑問・学びの共有) ●グループでの学びを参加者から「教務主任の研修・協議が大きなスタートになったと感じている。」との発表がありました。 2時間があっという間に過ぎていきました。学校が組織的に取り組んでいる事例は多く存在しますが、市内のモデル校が中心となり実践研究開発をし、研修の場を通して水平拡大する取り組みは、春日井モデルとしてシステムが確立し、大きな成果と先進性を生んでいると感じられました。 参加された方からの振り返りを紹介します。 ◆今日のセミナーで学習した中で重要だと思ったことを ひとつ挙げると、「協同、協働」です。水谷先生ありがとうございました。 水谷先生が生き生きと語られたお話が、子どもの姿・子どもの事実として表出されていました。仲間を巻き込み、ビジョンを共有して、協同して組織的にいつも成果をあげる水谷先生はさすがです。水谷先生のおかげで、懐かしい皆さまとも久々に会うことができました。これからもいっぱい学ばせてください。 ◆今日のセミナーで学習した中で重要だと思ったことを ひとつ挙げると、「学習コンテンツを学ぶ授業から、学び方を学ぶ授業への大転換が進んでいること」です。 4年前にフィンランドの学校を視察した際に、日本の学校の授業とは全く異なる学びが行われていることに大きな衝撃を受けましたが、そのとき見たことの多くが春日井市の小学校、中学校で既に実現していることに今日また大きな衝撃を受けました。人工知能などの技術が普及していく中、子どもたちが将来、幸せに生きていくために必要な資質・能力が大きく変わっていく中、学校教育も大きな変化をしていかないといけませんが、そこでは教科書の内容を学ぶ従来の授業から、子どもたちが学び方を学ぶ授業への転換が行われていると感じました。 |
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