最新更新日:2024/12/19 | |
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8月6日(土)13:30より第5回セミナーを実施しました。
第5回セミナー(8月6日(土) 13:30〜15:30)を愛知文教大学 ABUラウンジにおいて、岩倉市教育委員会教育長 野木森 広先生、岩倉市立南部中学校 横山 雄大先生により「数学における学び合う学びの授業実践から学ぶ」をテーマとして実施しました。
BA.5対策強化宣言が発出される中でしたが、31名の方に申込みいただきました。一部、体調不良による欠席がありましたが、講師も含め30名の方による学び合いができました。岩倉市では、複数年にわたる学び合いによる授業研究が続けられ、岩倉南部中学校はパイロット校の一つであります。有尾校長先生、柴田先生にもご参加いただき会がはじまりました。 1 岩倉南部中学校の現職教育について 教務主任の柴田 健治先生より説明いただきました。 〇岩南中研究グランドデザインについて 〇南中スタイルの授業のポイント(四つの学びの作法の徹底) 本年度は、「聴く・つなぐ・もどす」の三つの教師の役割の中で、「もどす」を中心に研究を進めている 〇マイプラン(1⃣教科の指導理念2⃣共有課題の設定3⃣ジャンプ課題の設定)による授業構想の作成 2 数学の授業実践紹介 横山先生からは、マイプランを提示しながら、単元を通して大切にした点、さらに教師の姿勢として以下の3点を提示されました。 〇用語はおさえるが、例題を解いたり、解き方を伝えたりしない。 〇授業課題は、共有課題・ジャンプ課題ですすめる。 〇班活動を軸に、生徒の疑問を生徒が解決する。班で解決できないことを「お悩み相談会」として、学級で話し合い、もう一度、班に戻すという授業で行っている。 授業動画の視聴 課題「連立方程式9/11」 視聴後、横山先生が現在、「授業づくりで悩んでいること」を以下の3点に提示された 〇既習内容を復習すべきか 〇班内の「みんな見てあげて」など声掛けのタイミング 〇Jumpの課題(次の課題)を先に提示しない方がよかったか。 3 グループ協議会(15分) 視聴した動画と授業者の課題について、4人グループでリフレクションを行いました。 4 全体交流会 <各グループで得た学びを共有> ●「わからない」といえる教室であり、わかったふりをしない生徒が多い。各グループにいるわからない生徒へ教師は一つ一つ対応できないため、教師が、そうした状態にモデルを示すことで、各グループに戻すことができるのでは。 ●各生徒の分からなさに対して全て復習することはできない。そう考えると、お悩み相談の場が有効。声掛けは、グループの状況に応じた内容とタイミングが必要。次の課題の提示は、ワクワク感を大切にするため、タイミングを考えたい。 ●声掛けは「わからない子発信」を大切に、教師がつなぐことが大切ではないか。 ●「わからない」ことを自分から言える。わかる子が一方的に教えるのではなく、要請を受けて教えることを大切にしたい。 ●学び方の四つの作法について、作法ができている生徒を大きく評価することで、他の生徒に広げることが大切。各教科のマイプランにジャンプ課題が示されていることが素晴らしい。 ●課題について、何を学ばせたいかを明確にし、生徒の学びを集中させたい。教師が思考させたい点をしっかりと持つことが大切だと考える。班の全員が課題について自分の言葉で説明できるような、グループの学びに厳しさが必要ではないか。 ●「わからない」が言える雰囲気づくり、環境が大切。グループの中で、共有課題をしている生徒とジャンプ課題をしている生徒が混在していた。理解の遅い生徒が、先に進んでいる生徒に教えてといえる風土が大切ではないか。 ●「わからない」といえる状況づくり、声掛けのタイミングについても、「わからない」と言えることが関係している。共有とジャンプの課題の質の違いを意識する必要がある。 以上、各グループでの学びが活発に共有されました。 5 コメント 岩倉市教育委員会教育長 野木森 広先生より、実践発表と発表を受けた学び合いについてコメントをいただきました。 まず、2018年10月に行われた研究発表会に、愛知教育大学特任教授の立場で参加された感想を「生徒が知をひらき、自分の言葉で表現する姿から、一人ひとりの学びを保障している授業に誇らしさを感じた」と感動をもって紹介されました。 さらに研究理念を共有するため、以下の4点が紹介されました。 1⃣すべての生徒の学ぶ権利を保障する 2⃣すべての生徒に向上的変容を約束する 3⃣仲間と支え合いながら、安心して学べる環境を準備する 4⃣すべての職員が参加し、自らの能力を開花させることができる研究を目指す 全員参加のための方策として、思考レベルの参加であることが確認されている 「探求」「創造」「協働」の言葉が定義されていることの確認 具体的な生徒の姿として、4項目の「学びの作法」で示している。 「自ら仲間の力を借りる」 「分かったふりをしない」 「さりげない手を差し伸べる」「最後まで知り捨てない」 ■これまでお話した研究理念について、グループで共有してください。5分 <グループの学びを全体で共有> ●この理念は、探究することで、最初から分かっている答えではなく、未知のものへ向かって授業し、どの子も「今日は学んでよかったな」と思えることではないかなと感じました。 ●他市から異動し、学び合いについて、何をしているかよくわからなかった。しかし、ここに掲げられたような理念を理解することで、最近はすっきりしている。最近は若い先生が増え、形だけやっているように感じることがある。改めて、この理念の大切さを感じた。 ●学ぶことの本質を研究したいなと思ってきた。そして、長く続く研究をやりたいなと感じています。南中の歴史から考えて、生徒たちの学びを何とか変えたいとの思いから、この理念をつくり研究してきた。 具体的な方策 〇授業研究のシステム化 〇生徒参画(学習委員会)の作成した短期目標の掲示 〇主体的・対話的で深い学びの実現のための取り組み 横山実践に学ぶ 〇あるグループの学びへのコメント(グループ内のコミュニケーションについて) 〇実証主義の学習 ⇔ 構成主義の学習 〇これからの学びは「資質・能力」を育成する必要がある。 〇「結果」重視 ➡「過程」重視(思考力) 第一の学習モードと第二の学習モード(Gregory Bateson) 中国・銀海小学校4年の筆算 共有問題とジャンプ課題 ヴィゴツキーの発達の最近接領域 教師のリフレクションの三段階 研究発表時のリフレクションの紹介 教師の専門性を問い直す 岩倉市授業デザイン研究会による「学びひたる子ども」 岩倉市 教師の学び場(チームズ) 6 岩倉南部中学校校長 有尾 幸市先生 あいさつ 貴重な場を提供していただき、ありがとうございました。今日のセミナーに参加をして、改めて感じたこととして、未だに「わからない」ということを言い出せない生徒がいるということです。次の世代に研究を引き継ぐものとして大切していきたい。 本日のセミナーを振り返り、岩倉市と小牧市の先生方が交流できたことに大きな意味があると感じています。今後、他市町の交流を実現していけるように進めていきたいと感じました。 参加された方からの振り返りを紹介します。 ◆今日のセミナーで学習した中で重要だと思ったことは「学び合う学びの主役は、児童生徒であり、分からないことが学びを深いものとすること」です。 とても雰囲気のよい学級での授業を観ることができ良かった。授業者から出された「課題」は、授業者として非常に的確で、学び合う学びの根本を知るのに役立つものでした。 野木森教育長のお話も、様々な観点からの話で、新たな発見や興味・関心を抱かせる内容で大変良かったと感じています。授業実践から学ぶ機会を与えていただき、感謝しています。岩倉の先生方、ありがとうございました。 ◆今日のセミナーで学習した中で重要だと思ったことは「依存できる力と依存できる環境作り」です。 提案者の横山先生が、最後に3つの悩み/迷いを話されたことが良かったと思います。「復習のタイミング」、「声かけのタイミング」、「ジャンプ課題の提示のタイミング」について。この3点についてグループで話す中で、学び合う学びの理念について再度確認することができました。そして、その理念について、言葉で整然とまとめることの善し悪しについて考えさせられました。 近年、学校が若返り(言葉は良いですが)、教育技術の継承が問題点の一つになっているのではと感じています。学び合う学びについても、理念が分からないまま、そのスタイルだけが一人歩きしているのではと感じることがあります。これから学び合いを始めようとする先生方には、その理念が整然とまとめられたものがあれば納得して実践できると思います。一方で、その理念が字面だけのものになってしまうと、いわゆるHow to本になってしまいます。だからこそ、共同・協働することの大切さを改めて感じました。上手に働き方改革を進めながら、学び合いの継承が進む文化を根付かせたいと思いました。 学び合う学び研究所 第6回セミナーのご案内
学び合う学び研究所 第6回セミナーを9月10日(土) 13:30〜15:30に開催します。
会場:愛知文教大学 ABUラウンジ テーマ:深い学びの実現を社会科から考える 講 師:実践発表者 犬山市立犬山中学校 教諭 安形 直樹 先生 :コメンテーター 岐阜聖徳学園大学 教授 玉置 崇 先生 申 込:学び合う学び研究所ホームページ 行事予定 9月予定GOOGLE フォームより <セミナー内容> 安形先生からは、単元をつらぬく課題に対して、社会的な「見方・考え方」を働かせながら、知識を相互に関連付けて、級友の考えを参考にしながら、生徒一人一人が納得解・最適解を導き出す授業実践を発表します。深い学びができたと考察する生徒の振り返りも紹介していただき、フロアーで学び合いたいと思います。 犬山中学校のアドバイザーをつとめる玉置 崇先生からは、犬山中学校の授業研究を通した学校改革の取り組みについてコメントしていただきます。 <スクールバス利用のお知らせ> 公共交通機関をご利用の方に、スクールバス(JR高蔵寺駅発13:00一便のみ)を準備しました。乗り場案内も添付いたします。ご利用ください。 |
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