最新更新日:2024/06/28 | |
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4月20日(土)13:30より第1回 月例 授業研究セミナーを実施しました。
4月20日(土) 13:30〜15:30に、201教室において実施しました。
授業者に小牧市立小牧小学校 城 沙侑璃先生、コメンテーターに当研究所の永井勝彦先生を迎え、「深い学びにむけた授業づくり・学級づくり」をテーマに行いました。 今回は年度初めの忙しい折に23名の申し込みをいただき、授業者も含め25名の方により授業づくり・学級づくりの工夫について学び合いを深めることができました。スケジュールは以下の通りです。 第1部 授業ビデオから学ぶ 〇 授業者の思い 〇 ビデオ視聴 〇 テーブルでのリフレクション − 休 憩 − 第2部 リフレクション 〇 全体で学びを共有する 〇 コメンテーターからのリフレクション 第1部 授業ビデオから学ぶ 〇 授業者の思い 授業づくりで大切にしていることは2点です。まず、子どもたちの言葉を大切に扱いたい。子どもたちの分からなさや気づきの言葉を丁寧に受け取りつなげてくことで深い読みの実現を目指しています。 もう一つは、聴くということです。まず、教師が子どもの言葉をよく聴き、つなげ、戻すように心がけています。授業後半の読みの行き詰まりをどうしていいのか皆さんに教えていただきたい。 〇 ビデオ視聴:小学校6年国語「海の命」45分視聴 〇 視聴後、テーブルで学びを共有する(10分) − 休 憩 − 第2部 リフレクション <〇 ファシリテーター永井先生 ● 城先生 □ 参加者> 〇 それでは、テーブルで共有された学びや今感じられた思いを全体で交流しましょう。どなたからでもお話しください。 □ とにかく、海の命の授業は難しいなと思っています。子どもから出された「こんな気持ちは初めてです」との問いは、大人でも難しいと感じました。 □ 自分の授業経験でも、大変難しいと思います。この教室の子どもたちはよく話し続けているなと感心しました。子どもたちが自由な気持ちを話せる授業で、どこがうまくいっていないのか不思議なくらいです。 □ それぞれの子どもが教材をよく読みこんでいると感じました。それぞれの気持ちを聴き合うことで収拾がつくのか心配する意見もあったが、私はいろんな思いがあっていいので、まとめる必要はないと感じています。 □ 私も城先生の授業にはいつも感心させられています。前時の授業と本時とはどんな違いがありましたか。 ● 前時の授業は、子どもの発言後に、聴いている子どもから「あっ・・・」とか「なるほど」と共感的な反応や空気観の広がりがあったのですが、今回はそうなりませんでした。 □ 前時はどこを読んだのですか。 ● 母の悲しみが語られるところです。 □ 今日、読んでいる場面は、太一の感情を描いている部分でしたが、子どもにとっては一番描きづらい場面だったと感じました。 □ 16さんと18さんの話し方には、言いよどみがあり、深い学びに向かっていったと感じます。授業者は村一番の漁師、本当の一人前の漁師に注目させていきましたが、子どもたちの思いが別の所にあったのかなと感じました。板書しながら子どもたちの発言に切り込んでいける教師の技に驚きました。 □ 子どもの言葉を拾いながら授業を作っていることに感動した。物語の中で、30:00頃の本当の一人前の漁師を話している場面に、もっとこだわっていけたらいいなと感じました。 □ 子どもの言葉に寄り添いすぎたのではないか。テキストの言葉に戻す必要があったのではないか。 □ 子どもの言葉を大切にしすぎていることが、テキストの言葉と子どもの思いから生まれた言葉が混在してくると、授業のめあてからずれていくのではない。 □ 私自身、海の命に何度も挑戦しましたが、今回の場面は、いろいろな矛盾をはらんでいて、なかなかうまくいきませんでした。しかし、子どもたちの言葉がよくつながっていた。いたるところで、音読を入れて学んでいた。読みが狭まってきたので重たい空気になった。音読の幅を広げていくことで変わってきたように思います。 □ 私は中学校勤務ですが、小学生が難解な物語を、物語に夢中になりこんなに豊かに読みを共有できている姿に驚きです。中学校へも持ち帰りたい。 □ 私もこの授業は苦手でしたが、今教材を読んでみて、海底の情景表現の美しさに今感動しています。こうした、静寂に満ちた美しい映像表現を味わうことが、太一の気持ちを読んでいくことになるのではないでしょうか。 □ 私のポリシーとして、文学の授業は、読み味わいをさせていくことだと思っています。じゃあ、勝手に読ませていけばいいのかというと、そうではなく、テキストの言葉に触れないと読み味わえない。ですから音読がポイントで、どこを読ませるのかが重要だと思います。 子どもたちは、すごいところに気づいています。太一の心情を読ませるときに、気持ちをきいていくと、「なぜ」「どうして」という科学的なよみになり、少し前の場面で、太一が大魚と対峙している場面に戻す、点の音読ではなく、面の音読が必要でしょう。 □ 今の発言であったように、全体を読むことの大切さを感じました。板書を頻繁に行い、大切なポイントを示している、まとめようとしているが、あの場面でグループに戻すことがあったら、学びに変化があったように感じました。 □ 2番の子どもが気になりました。この子どもに寄り添いたいと感じました。 〇 コメンテーターのリフレクション 1 北里小学校の研究の歩みについて 2 聴き合う関係とは 3 城先生が日ごろから進めてきた学級づくりについて 4 ICTを学びに生かす方法 5 授業のスタートを、前時の学びの振り返りからはじめ、今日、子どもたちが物語のどこを読みたいかを選ばせる重要性 6 子どもたちの多様な読みにどう出会っていくか、そのために教師はどこで立ち止まるか。 7 読みが深まっていくために、どこに戻していくのか。 8 授業の最後は、一人ひとりの読みに戻すことの大切さ、教師の思いどおりの解釈を押しつけるものではない。 9 この教室から学んだこと ● 聴き合う安心感のある学級づくりの在り方 ● 「子どもの読みたい」が実現できる授業デザイン ● 一人の子どもも独りにしない 最後に、城先生よりご自身が学んだことと、学び合っていただいたことへの感謝が語られました。 以上、貴重な授業実践を提供していただいた北里小学校と城先生に感謝を申し上げます。また学年はじめの忙しい折にご参加いただいた参加者の皆さんとの有意義な学び合いにも感謝を申し上げます。 参加された方からの振り返りを紹介します。 ◆今日のセミナーで学んだ中で重要だと思ったことは、聴く・つなぐ・もどす・立ち止まる、つっこむことです。 国語の授業があまりよくわからず、去年は城先生の国語の授業を何度も見させていただき学ばせてもらいました。今日のセミナーに参加して、音読を関係する一文ではなくもっと前の場面から面で読むということの大切さを知りました。どこを読ませたらより深まるのかを考え音読させることがとても難しいと感じました。また、まず分からないところから授業を進めていき、教師が聴く・つなぐ・もどす・立ち止まる、つっこむという働きをすることが改めて重要だと思いました。月曜日の授業からより意識して取り組んでいきたいです。 |
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